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米英の巨大金融企業2社、仮想通貨関連事業に関する新たな動き

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米英の巨大金融企業2社に新たな動きか
仮想通貨関連事業に関連した、米ゴールドマンサックスと英バークレイズの金融大手2社の動きに関する新たな内容が相次いで報告された。バークレイズはあくまでも可能性の範囲内ではあるものの、4月から期待される世界の大手銀行の動向に注目が集まっている。
カストディサービスとは
証券投資を行なう投資家の代理人として、有価証券の保管や売買に係る決済、あるいは元利金・配当金の受領や議決権行使などの幅広い業務を提供するサービスの総称のこと。

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米国金融大手ゴールドマンサックスの動き

まず、アメリカからは、ゴールドマンサックスグループが、仮想通貨ファンド向けのカストディ(保管、管理)サービス提供を検討しているというニュースがありました。

8月6日、複数の関係者からの匿名での情報として、ブルームバーグが報じたところによると、現在、同社で審議中のカストディサービスは、仮想通貨ファンドの代理として資産を保管する形をとるとのことです。

このサービスの提供は、ハッカー等の不正な攻撃により投資資金を失うことを恐れている顧客に対して、そのリスクを軽減させることに繋がります。

このようなカストディ業務が、事業として導入される事は、ヘッジファンドを対象としたプライムブローカレッジ業務を含む、他の事業にもつながる可能性が考えられると、関係者はブルームバーグに語っています。

一方、ゴールドマンサックスの広報担当者は、ブルームバーグの取材に次のように述べ、同社がデジタル資産関連商品の展開を模索していることを示唆しています。

「様々なデジタル金融商品に対するクライアントの関心に応えるため、この分野でどのようなサービスを提供することが最善なのかを調査中であるが、現時点では、デジタル資産提供の範囲については、まだ結論は出ていない。」

仮想通貨のカストデイサービス提供については、他にも、JPモルガン、ニューヨーク・メロン銀行、ノーザン・トラスト・コーポレーション(Northern Trust Corporation)などの金融大手が参入を検討していることが、報道されています。

 また、野村ホールディングスも、フランスのLedger社、英国領ジャージー島の投資会社、Global Advisors Holdingsとともに、機関投資家向けのカストデイサービス研究のためのコンソーシアム、コマイヌを設立しています。

英国金融大手バークレイズの可能性が再浮上

次は、イギリス・ロンドンに本拠を置く国際金融大手バークレイズが、仮想通貨のトレードデスクを開始する可能性があるとのニュースです。

バークレイズが仮想通貨トレードデスク開設を検討しているのではないか、との報道は4月にもなされましたが、バークレイズグループCEO のJes Stanley氏は、5月には、公式にその噂を否定しています。

しかし、金融とビジネスのメディアサイト、Business Insiderは、8月6日、バークレイズが仮想通貨とレートデスクの準備を進めていることが、世界最大級のビジネス特化型ソーシャルネットワーク、LinkedInへの同行の二人の社員による投稿から読み取れると報じました。

一人は、バークレイズのエネルギー取引グローバル部門のトップを務めていたChris Tyrer氏で、同氏のLinkedInのプロフィールには、2018年1月以来、「デジタル資産プロジェクト」を率いる責任者と書かれています。

報道によると、このプロジェクトは、デジタル資産トレードデスクを、同行の市場ビジネスにどのように統合できるかを検討するものだということです。

また、もう一人のMatthieu Jobbe Duval氏もこのプロジェクトに関わりがあるとされており、デジタル資産取引コンサルタントとして、プロフィールが書かれています。

なお、バークレイズは、仮想通貨トレードデスク開設については、否定を続けているようです。

しかし、バークレイズが仮想通貨に関して、手を拱いていたわけではありません。

3月には、イギリスの金融機関としては初めて、仮想通貨取引所大手コインベースの口座開設を承認し、また、7月には仮想通貨関連の特許2件を米国特許商標局に申請したことが報じられています。

また、Financial Newsの報道によると、前出の「デジタル資産プロジェクト」には、2015年より、バークレイズの投資銀行部門CTOで、ブロックチェーン技術研究チームを率いているLee Braine博士、元アメリカ財務省主席エコノミストで、同投資銀行のFXおよび新興市場マクロ戦略部門トップのMarvin Barth氏という、上級役員が関わっているようです。

公式には、仮想通貨投資との関わりを否定、もしくは躊躇する姿勢を見せている大手金融機関ですが、虎視眈々と、機が熟すのを冷静に観察している印象を受けるのは、私だけでしょうか。

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