CoinPostで今最も読まれています

11月に迫るビットコインキャッシュハードフォーク|対応方針を海外取引所CoinexとBitasiaexが発表

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

11月のBCHハードフォークを前に海外大手2取引所が対応方針を相次ぎ発表
2018年11月15日に予定されているBCHのハードフォーク。これに8月末から9月頭にかけて、海外の大手取引所CoinexとBitasiaexが相次いで対応方針を発表した。利用者、投資家、市場、開発コミュニティの各方面に配慮しつつ、立場の違いが見える内容となっている。BCHが11月15日以降どのような状況になるかは、引き続き注視が必要である。
ナカモト・コンセンサスとは
新たなブロックを生成する際に用いられる合意形成アルゴリズム。ブロック生成時、まず新しいブロックを提案するリーダーを選出し、そのリーダーが提案したブロックに他のノードが賛否を示す仕組み。民主的に見えるが、PoWがベースにあり、計算力(=マシンパワー)の高いノードがリーダーに選出されやすい点に課題があるとされる。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

2018年11月15日にBCHのハードフォーク(ブロックチェーンの仕様変更に伴う分裂)が予定されています。

これに対し最近、海外の取引所CoinexとBitasiaexが対応方針を発表しました。

ハードフォーク自体はいまでは珍しいことではありません。

しかしこの11月のハードフォークはBCHがメジャー通貨であることにに加え、クライアント開発チームのBitcoinABCとNchainの立場の違いが加わって、利用者、採掘者、投資家、あるいはそれらのコミュニティから、大きな注目を集める状況となっています。

Coinexの対応方針

Coinexは2017年12月にBCHを基軸とする世界初の取引所としてオープンしました。

2018年8月時点で、BCH取引高では世界最大規模を誇ります。

そのCoinexは11月のBTCハードフォークに際し、火種となっているチームNchainのBitcoin SVについて、Bitcoin Cashプロトコルからの改変という認識に立ちます。

その上で、もし分裂によりBitcoin SV(BSV)というBCH非互換の仮想通貨が生まれることになった場合、9月1日のお知らせの中で「責任のある取引所として」次の3つの対応をとることを表明しました。

(1)2018年11月15日時点の取引所データのスナップショットを取得、保管する。

(2)それまでのBCH保有者は、BTC:BSV=1:1のレートでBSV保有者となる。

(3)ただし(2)は、新しいブロックチェーンが安定し、ウォレットを含むすべてのサービスが利用可能になってからの対応とする。それまでは、BSVの入出金には応じない。

あわせて、

「BSVがリプレイプロテクション(リプレイアタック対策)を行わない場合には、マイニングプール(採掘所)のViaBTCと連携して利用者の資産保全を行う」

とも表明しています。

Bitasiaexの対応方針

Coinexがお知らせを発表した翌日の9月2日に、Bitasiaexも7つの項目からなる対応方針を発表しました。

(1)Bitexasiaは、BTCおよび利用者に価値をもたらすものとして、Bitcoin SVのコミュニティ参入を歓迎する。

(2)Bitexasiaは現時点で、BitcoinABC、Bitcoin Unlimited、Bitcoin XT、Bitcoin SV等どのチームからもブロックチェーンのフォークを行う意向を聞かされていない。

(3)現在、BCHのフルノード対応クライアントは各々別々の実装で同一のプロトコルに対応している。その意味で、BCH SV、BCH ABC、BCH Unlimitedの区別は不要である。

(4)Bitexasiaは、今回の解決に向け、開発コミュニティが違いに密接な連携をとることを期待する。例えば個々のアップグレード項目をマイナーボートによって決めるといった方法も1つだろう。合意に達しないからすぐにフォークするといった動きは望むところではない。

(5)Bitasiaexは引き続き状況を見守りたい。かつ、11月のハードフォークには当社として準備を行い、BCH保有者にはその保有量に応じた形で新コインを供給する予定である。

(6)BCHティッカーについては次のルールに従う。(6-1)リプレイプロティションを行う側がティッカーを変更する。(6-2)「最大ブロックチェーン優先原則」:2017年8月1日を起算日としたブロックチェーンが最大のコインをテッカーBCHとする。

(7)Bitasiaexは、ハードフォーク後の仮想通貨もBCH保有者にとって十分なディバティブ資産になると考えている。しかし、ハードフォーク後の仮想通貨の入手(特に分裂が落ち着くまでの間)には不要な投資リスクを冒すことなく、手持ちの仮想通貨により入手するすることを推奨する。

改変か、本家返りか

Coinex陣営から「改変」といわれたBitcoin SVについて、同クライアントソフトウェアの開発元であるNchainは、CEOのNguyen(グエン)氏は9月2日のツイッターで次のように述べています。

「BitcoinSVは、BCHからの分裂を意図したものではありません。また、新たなコインやトークンを作り出すことも意図していません。そうではなく、オリジナル版のビットコインを支持する採掘者向けに、実装の明確なBCHを提供するものです。今後、ナカモト・コンセンサスの下、BCHのブロックチェーンを賭けた、マイナー投票による競争が行われることになるでしょう」

BTCプロトコルの「改変」という点では、BitcoinABCのクライアント実装も一種の改変に当たるのではないかという指摘が、海外の仮想通貨メディアからもなされています。

改変か、本家帰りか。

BCHを名乗る(べきな)のはだれか。

利用者にはどのような影響が起こり得るのか。

11月15に向けた残り2ヶ月半、BCHのハードフォークを巡る動きは、今後も開発チームを軸にますます活発化していくことが予想されます。

利用者にとって着地点がわかりやすく見えるまでには、まだ少し時間がかかりそうです。

CoinPostの関連記事

仮想通貨ビットコイン:これまでに行われたフォークは約70回にも及ぶ
フォークコインをまとめたサイトforkdrop.ioによれば、現在69のビットコインのフォークが確認されていますが、そのうち取引所での取引が可能であるのはわずか10種類ほどです。また、そのすべてを合わせても、0.12BTCのほどの価値しかもちません。
5/15(火)|Consensus2018のニュースでZcashが暴騰・BCHがハードフォークを迎える
世界最大級の仮想通貨カンファレンス「Consensus2018」での好材料で、Zcashが暴騰しています。またBCHがハードフォークを迎え、性能が大幅向上。スマートコントラクトのベースを構築することが可能になりました。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/09 木曜日
05:40
マスターカード、トークン化RWAの決済試験でJPモルガンやシティと提携
現在の課題として、投資適格債のような証券と、商業銀行のお金のような資産は、それぞれ別のシステムで機能している。RSNを利用すれば、単一のプラットフォーム上でトークン化資産の決済手続きを行うことができる。
05/08 水曜日
20:31
日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」、先着順の読者限定割引コードを配布開始
国内最大手暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostが企画・運営するWeb3カンファレンス「WebX2024」。先着順の読者限定割引コードを配布開始しました。
15:06
EVM互換のZKロールアップとして関心を集める「Zircuit(ザーキット)」とは
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム財団からL2研究助成金を獲得し、大手VCのPantera Capitalなどから出資を受ける「Zircuit(ザーキット)」について解説。ステーキングプロトコルは約2ヶ月で30億ドル以上を集めた。
14:35
懸念強まる仮想通貨業界へのSEC執行範囲、民主党と共和党議員が激論交わす
米国下院金融サービス委員会は、SECの暗号資産(仮想通貨)を念頭にした執行活動に関する公聴会を開催。民主党と共和党議員のスタンスの違いが鮮明となった。
12:50
FTXが再建計画書提出、すべてのユーザーに100%以上弁済の見込み
破綻した仮想通貨取引所FTXは、米破産裁判所に再編計画の修正版を提出した。すべての債権者が請求額の100%を受け取れるとしている。
11:25
米金融大手サスケハナ、1500億円相当のGBTCを保有
米大手投資・トレーディング会社サスケハナが約10億ドル相当の仮想通貨ビットコイン現物ETF「GBTC」を保有していることが確認された。
10:40
イーサリアムは穏やかなインフレ傾向に ETH焼却量減少で
仮想通貨イーサリアムは、主に取引手数料の低下により、焼却されるETHの量が大幅に減少している。DencunアップグレードやL2の活発化が背景にある。
09:30
「BTC相場は回復に転じた可能性」SCB銀が分析
「仮想通貨ビットコインの相場は回復に転じた可能性がある」とスタンダードチャータード銀行が分析。米大統領選の影響や今後の価格も分析している。
08:10
トレーダーに利回り提供へ、BybitがUSDeを取引担保に採用 
ENAトークン一時急騰 仮想通貨(暗号資産)取引所Bybitは7日、新しいステーブルコイン「USDe」をデリバティブ取引の担保資産に追加すると発表した。トレーダーに利回りを提供…
07:25
「仮想通貨市場には詐欺や問題が多い」ゲンスラー委員長
米SECのゲンスラー委員長は、仮想通貨の投資家保護の必要性を改めて強調。一方、イーサリアムの証券性については明言しなかった。
06:45
ワールドコイン過去一週間で35%上昇、その背景は
OpenAIのライバルであるGoogleは、5月15日に大規模な開発者カンファレンス「Google I/O」を開催する予定だがこれに先駆けChatGPTの検索エンジンを発表する観測だ。
06:10
米ビットコイン現物ETFに330億円純流入、2日連続プラスに
米ビットコインETFに回復の兆し。米月曜日、すべての仮想通貨ビットコイン現物ETFはプラスの資金流入を記録した。
05/07 火曜日
17:54
米決済大手Visa「ステーブルコイン取引高の約9割はbotによるもの」
決済大手Visaは、仮想通貨ステーブルコインについての記事を発表。ステーブルコイン取引活動の90%はボットなどによるものだと分析している。
14:32
米SEC、Invescoの「イーサリアム現物ETF」の可否判断を最終期日まで再延期
米国証券取引委員会は、InvescoとGalaxy Digitalが共同で申請した イーサリアム現物ETFの可否判断をさらに延期すると発表。次回の期限は7月5日で、これが最終期限となる。
14:22
米マラソンデジタル、ケニア政府とビットコインマイニングで協議
米上場ビットコインマイニング企業マラソン・デジタルは、ケニア政府と、仮想通貨政策やデーターセンター開発などで話し合っていると述べた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア