CoinPostで今最も読まれています

アマゾン・ウェブサービス中国部門、Qtumブロックチェーンと提携|仮想通貨QTUMの価格も上昇

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

アマゾン・ウェブ・サービスの中国部門がQtumと提携を発表
アマゾン・ウェブ・サービスの中国部門が時価総額27位のQTUMを有するQtum(クアンタム)ブロックチェーンを利用する意向を発表した。市場低迷の中でもひっそりと大手IT企業のブロックチェーン技術採用は着実に広まっている。

アマゾンとQtumのブロックチェーンと提携を発表

大手IT企業とブロックチェーン・スタートアップ企業との提携が加速している。

大手クラウドコンピューティング企業、アマゾン・ウェブサービス (AWS) 中国地域部門が、シンガポールの分散型ブロックチェーン・プラットフォームQtumとの技術提携に至ったことが判明した。

両社からの公式発表はないものの、仮想通貨メディアCoinDeskによると、AWS 中国の地域事業開発責任者、Simon Wang氏が、Eメールでの回答で次のように述べ、提携の事実を認めている。

QtumはAWSの技術パートナーであるとともに、パートナーネットワークの一員となっている

Qtum(クアンタム)とは

Qtumは、分散型でオープンソースのスマートコントラクト・プラットフォームで、「価値移転」のプロトコル。

ブロックチェーンの決済レイヤーと演算レイヤーを分離することで、柔軟性を向上させ、 レイヤーを用いたアプローチにより、複数の仮想マシンや実行環境をブロックチェーンの上で動作させることができる。

また、多くのプログラミング言語での開発が可能となっているProof of Stake採用の仮想通貨。 

執筆時点での時価総額は約394億円相当で、仮想通貨市場内でのランキングは27位。

出典:CoinMarketCap

アマゾンとの提携は日本時間昨晩9時頃Coindeskの記事で判明し、その後10時45分頃に10%の上昇を見せた。

クアンタムも今年の仮想通貨市場の停滞を経験しており、価格が90%以上も下落していた為、仮想通貨QTUMの本質的部分とされるブロックチェーンが世界的な大企業であるアマゾンに採用された事は朗報であると言えるだろう。

アマゾンの狙い

AWSは、Qtumとの提携により「サービスとしてのブロックチェーン」(BaaS)ソリューションの開発を加速させることになる。

この提携によって、AWSユーザーは、Amazon Machine Image (AMI)を使用して、「迅速で効率的、かつ費用対効果の高い」スマートコントラクトを開発し公開することが可能になる。

これに先立ち、Qtumプラットフォームは、今年7月に、クラウドアプリのオンラインストア、AWSマーケットプレースでの提供が始まっていたが、Qtumのマーケティング部長であるJohn Scianna氏によると、AWSとの提携に関しては、4月から話し合いが持たれており、今回の全面的な技術提携へ繋がったと述べている。

Qtumの最高情報責任者(CIO)、Mike Palencia氏は、AWSとの提携に関し、次のように述べている。

(アマゾンと)連携し、様々なクライアントとコンタクトを取っていきたい。ユースケースについての検討を重ねているが、その最良の方法は、実際にユースケースを持っている企業と直接連絡を取ることだ。

クライアントの中には、独自のアイデアと自社の開発者を抱えている企業もあるが、そのうちの何社かは、我々から、より大きなサポートを受けることを希望しており、我々と直接、話し合うことを望んでいる。

高まる大手企業のブロックチェーン技術導入

ブロックチェーン企業と提携し、新技術を既存のビジネスモデルに加えるのはアマゾン中国部門だけではない。

今年5月に開催された過去最大級の仮想通貨・ブロックチェーンカンファレンスのコンセンサスでは米国のアマゾン・ウェブ・サービスがイーサリアム上で開発を進めるプロジェクトのインキュベーション・ハブ「Consensys」と提携してブロックチェーンプラットフォームのKaleidoを公開した。

その他にも、ブロックチェーン企業と提携を行なっている大手IT企業は、アマゾンだけには止まらない。

グーグル

今年7月には、世界に冠たるテクノロジー企業、グーグルが、Digital Asset社および、BlockApps社のブロックチェーン企業2社と提携し、Google Cloud プラットフォーム(GCP)で、ブロックチェーン・フレームワークの提供を発表している。

この提携によって、GCPのユーザーは、分散型台帳プラットフォームとモデリング言語を使用することが可能になり、ブロックチェーンアプリ開発への技術的障壁が軽減されることにつながっている。

IBM

また、IBMは、様々なブロックチェーンプロジェクトを展開していることでも知られているが、この8月末、以前から提携していた仮想通貨ステラ(Stellar)のプロトコルを独自のブロックチェーン決済システム組み込んだ、「IBMブロックチェーン・ワールド・ワイヤー」を公開している。

この技術は、数秒間で、金融機関の国際間決済を可能にし、高速化と効率化によるコスト削減や決済の簡易化などを特徴としている。

IT企業以外でも、今週トヨタが広告分析を行うブロックチェーン企業Lucidity社と提携を発表している。

ブロックチェーン・スタートアップ企業が開発した、独創的で革新的な技術が、大手企業と結びつくことで、ブロックチェーン技術の普及は、ますます発展していくことが見込まれるのではないだろうか。

CoinPostの関連記事

トヨタとブロックチェーン企業「Lucidity」が提携:デジタル広告最適化へ
Amazon Web ServicesがConsensysと提携|Ethereumを搭載するKaleidoを発表
Amazon のクラウドサービスであるアマゾン ウェブ サービス(AWS)とConsensysが提携することを発表しました。Kaleidoは企業の技術使用のスピードアップと簡素化を目的としたオールインワンのブロックチェーンプラットフォームで企業の技術使用のスピードアップと簡素化を目的で作られました。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/14 火曜日
09:50
中国の警察、仮想通貨による400億円以上の違法取引を摘発
中国吉林省の警察は、仮想通貨を使用して400億円規模の違法な人民元・韓国ウォン取引を行っていた疑いで犯行グループを摘発した。
08:45
ArbitrumとBase利用のレイヤー3チェーンDegen Chain、24時間以上稼働停止
「Degen Chain」という仮想通貨イーサリアム系のレイヤー3ネットワークは、24時間以上トランザクション処理が停止している。このブロックチェーンはArbitrumとBaseを利用している。
08:00
Jupiterローンチパッド投票第三弾、deBridgeなどが参加
仮想通貨ブリッジサービスのdeBridgeは今回の有力候補とされている。これまで20億ドル相当のブリッジボリュームを記録し500万ドル以上の手数料を徴収してきた。
07:26
トランプ前大統領、10億円相当の仮想通貨を保有か
米トランプ前大統領が10億円相当の仮想通貨を保有していることなどを公表し、Arkhamが著名人の所有額を比較。同氏はミームコインのTRUMPの次にイーサリアムを多く保有している。
06:40
エルサルバドル、ビットコイン保有の追跡サイトを公開
同国は現在5,749.76 BTCの仮想通貨ビットコインを保有しており、565億円に相当する金額だ。
06:20
GameStop株やミームコインが暴騰
仮想通貨市場では「GMCIミーム指数」は、301.1で7.67%上昇。GMEミームトークンは前日比で1,200%以上高騰した。
05/13 月曜日
15:05
リップルCEO「米国政府は、ステーブルコインUSDT発行企業のテザー社を標的にしている」
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはインタビューで、米国政府がステーブルコインUSDTの発行企業テザーに監視の目を強めていることを注視していると語った。
14:32
ユニスワップ創設者ら、SECの仮想通貨規制はバイデンの大統領選に悪影響と指摘
ユニスワップの創設者らは仮想通貨業界に対する米SECの姿勢を批判し、大統領選で現職バイデン氏の再選に不利になる可能性を示唆した。
12:18
JPモルガン、ビットコイン現物ETFの保有が明らかに
米JPモルガンはSECへ提出した書類の中で複数社のビットコイン現物ETFへの投資を報告した。ダイモンCEOはBTCに対して懐疑的な姿勢を保っている。
12:17
冴えない動きの続くビットコイン、15日にCPI控え様子見基調
暗号資産(仮想通貨)相場では、15日にCPI(米消費者物価指数)を控える中、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)相場の様子見基調が強まっている。売り優勢の局面を打開できずにいる。
05/12 日曜日
11:24
来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿
GW明けのビットコイン(BTC)相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ前大統領の異例発言に高い関心
今週は、米フランクリン・テンプルトンによる仮想通貨ソラナのレポート発表、ビットコインの累積トランザクション数の10億件到達、ドナルド・トランプ氏による異例の発言に関する記事が最も関心を集めた。
05/11 土曜日
15:00
ビットコイン上のステーブルコイン発行計画 Taproot Assetsのテストが進行
Lightning LabsのCEOエリザベス・スターク氏が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのブロックチェーンにステーブルコインを導入する新技術「Taproot Assetsプロトコル」について解説。ライトニングネットワークを使った即時、低手数料の国際取引が可能に。
14:00
「Friend.TechなどでBaseがイーサリアムL2を主導」フランクリン・テンプルトン分析
フランクリン・テンプルトンは、仮想通貨ブロックチェーン「Base」がFriend.Techなどソーシャルファイに牽引され、今後も代表的なイーサリアムL2であり続けると予想した。
12:45
日本代表団、スイスのDFINITY本部を訪れる
平将明氏および加納裕三氏を含む日本の代表団がDFINITY本部を訪問。DFINITYが推進するInternet Computerは、高速で広範なブロックチェーンベースのプラットフォームで、スマートコントラクトとデータシャーディングにより、効率的なWeb3アプリの開発を可能にする。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア