CoinPostで今最も読まれています

米大手仮想通貨投資企業、3Qで巨額損失を計上|ビットコインなど主要通貨の下落相場が影響

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Galaxy Digital、第3四半期決算で巨額損失が判明
4億6千万ドルを運用する業界最大規模の投資企業Galaxy Digitalが、2018年Q3で4100万ドル(≒46億円)、年初来で1億3600万ドル(≒154億円)の損失を計上している事が明らかになった。
Novogratz氏が仮想通貨ビジネスを始める上での現状の厳しさを指摘
Financial Timesとのインタビューにおいて、ゴールドマンサックスの元トレーダーであるNovogratz氏は、自身が関与するGalaxy Digital社をはじめ仮想通貨関連の最近のビジネスには独特の難しさがあると述べた。
一方で、長期的にはポジティブな見通しも
既存の金融業出身ながら仮想通貨にコミットしている他の大物投資家の名前を挙げながら、長期的にはビットコインや仮想通貨市場への明るい見通しを崩さなかった

大手仮想通貨投資企業が毎月巨額損失か

米有力誌ブルームバーグの報道によると、ゴールドマンサックスの元トレーダーMichael Novogratz氏が創設した大手仮想通貨投資企業Galaxy Digitalは、2018年の第3四半期(7、8、9月)で計4100万ドル(≒46億円)の損失(含み損+確定損失分)が累計されており、一年間では1億3600万ドル(≒154億円)の損失になっていることが明らかになった。

Galaxy DigitalのQ3報告書では、今回の損失額は主にBTC、ETH、XRPへ投資した分のマイナスパフォーマンスによるものだと報告している。

プロトレーダーのパーフォマンスに見る相場の実態とは

Galaxy Digitalはこれまで、Q1(=全体相場が暴落していた期間)で1億3400万ドルを損失を報告した後、Q2では、損益をやや改善、3500万ドルの純利益とロスカットによる損失を150万ドルまで縮めていた。

しかしQ3における損失に加え、同社の投資状況を逆転する状況には程遠いと言っていいほどに、現在の年末相場のパーフォマンスは厳しく、直近の急落による影響を受け、より悪化している可能性が高いではないかと予想されている。

また、同報告書によると、「我々Galaxy Digitalは継続的に取引業務を改善しているが、全体取引高の低調は逆風となっている」と言及した。

ブルームバーグ誌は、Galaxy Digitalとブルームバーグが提供しているインデックス=「ブルームバーグ仮想通貨インデックス」のチャートを通してみても、同社の投資している仮想通貨の相場が示すように、同社のQ3における投資状況は右肩下がりになっていることは明らかであるとした。

出典:Bloomberg

仮想通貨関連ビジネスの厳しさ

Novogratz氏は、Financial Timesとのインタビューにおいて、最近の仮想通貨関連ビジネスは厳しいものの、長期的な明るさは失われていないという自身の見通しを語っている。

Novogratz氏とGalaxy Digital社の現状

「2017年はおかしいくらい楽な相場でした。でも今年は厳しい く、市場が弱気になっている状況下でビジネスをすることはかなり難しい。」とNovogratz氏は語る。

前述の通りGalaxy Digitalはトレード部門を持っているが、これは最近新設された部門であり、4億6千万ドルを運用しておりこれは業界での最大規模である

これまでの投資部門のパフォーマンスから、「仮想通貨が値下がりするたびに従業員の不安感が募っている」と不安を露わにしていた。

Novogratz氏はこの状況を、「既存の産業ではこういうことはない」ものであるとし、仮想通貨業ならではの不安感があることを指摘している。

また、同社資産運用業では10月からMythical GamesやBitGoなどの仮想通貨関連企業3社に投資をおこなっている

BitGoはデジタルウォレット企業で、ゴールドマンサックスも出資している企業だ。

他方で、コンサルティング業は 従来のスタートアップ支援重視路線から、大手機関投資家を中心にすべく方向転換も図っているとしており、カナダ・バンクーバーのオフィスを閉鎖しニューヨーク本社に移転を行なっている。

仮想通貨の将来は明るい

しかし、こうしたGalaxy Digitalの活動については、肯定的な意見も多い。

Financial Timesは、ブロックチェーン関連のある匿名の起業家のコメントを紹介し、以下のように掲載した。

「仮想通貨関連の大きな問題として、信頼できる商業銀行が存在しないことが挙げられる。Novogratz氏の会社はその最初の例となり、大きな利益をあげる可能性がある。」

Novogratz氏は、将来性を見た上で、ビットコインや仮想通貨に関して、常に明るい見方を崩さないことでも知られている。

CoinPostのLINE@

スマートフォンへの「プッシュ通知」で、相場に影響を及ぼす重要ニュースをいち早く知らせてくれるLINE@。大好評につき、登録者5,000名突破しました。

▶️本日の速報をチェック

CoinPostの関連記事

著名アナリストTom Lee氏「仮想通貨始めるには今がゴールデンタイム」|仮想通貨市場急落の3要因も説明
著名仮想通貨アナリストとして定評のあるTom Lee氏が仮想通貨市場の下落要因を3つ挙げた。またビットコインが今月大幅に下落している中で、今が仮想通貨投資を始めるには最適な時期であると言及している。
米財務省が歴史上初、サイバー犯罪利用の「仮想通貨ビットコインのアドレス」を特定、経済制裁対象リストに追加|事件の重要性を解説
米国財務省は、ランサムウェアなどのサイバー犯罪に加担した人物に対して経済制裁を課し、歴史上初となる米財務省によるビットコイン・アドレスの特定と公表 、経済制裁対象リストに追加を行なった。本記事では、専門家の意見を元に、同事件の重要性を解説する。
from=in_article
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/12 日曜日
11:24
来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿
GW明けのビットコイン(BTC)相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ前大統領の異例発言に高い関心
今週は、米フランクリン・テンプルトンによる仮想通貨ソラナのレポート発表、ビットコインの累積トランザクション数の10億件到達、ドナルド・トランプ氏による異例の発言に関する記事が最も関心を集めた。
05/11 土曜日
15:00
ビットコイン上のステーブルコイン発行計画 Taproot Assetsのテストが進行
Lightning LabsのCEOエリザベス・スターク氏が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのブロックチェーンにステーブルコインを導入する新技術「Taproot Assetsプロトコル」について解説。ライトニングネットワークを使った即時、低手数料の国際取引が可能に。
14:00
「Friend.TechなどでBaseがイーサリアムL2を主導」フランクリン・テンプルトン分析
フランクリン・テンプルトンは、仮想通貨ブロックチェーン「Base」がFriend.Techなどソーシャルファイに牽引され、今後も代表的なイーサリアムL2であり続けると予想した。
12:45
日本代表団、スイスのDFINITY本部を訪れる
平将明氏および加納裕三氏を含む日本の代表団がDFINITY本部を訪問。DFINITYが推進するInternet Computerは、高速で広範なブロックチェーンベースのプラットフォームで、スマートコントラクトとデータシャーディングにより、効率的なWeb3アプリの開発を可能にする。
11:20
米SEC、コインベースの仮抗告を却下するよう申し立て
米SECは仮想通貨取引所コインベースとの裁判で新たな書類を提出。コインベースが証券性をめぐり求める仮抗告を退けるべきだと申し立てている。
10:00
著名投資家マーク・キューバン氏、SECゲンスラー委員長を批判
著名投資家マーク・キューバン氏は米大統領選挙で仮想通貨も争点の一つになると意見した。また米SECのゲンスラー委員長に批判を向けた。
09:00
米大手銀ウェルズ・ファーゴ、複数のビットコイン現物ETF銘柄を保有
ウェルズ・ファーゴを含むいくつかの金融大手はビットコインETFが1月にデビューしたのち、それらの取り扱いを開始した経緯がある。
08:00
米ARK、イーサリアム現物ETFの申請からステーキング要素取り除く
現在、5月中に仮想通貨イーサリアムの現物ETFが承認される期待はすでに大幅に後退。専門家らはその可能性を2ヶ月前の約70%から25%に引き下げた。
07:30
J・ドーシー氏「2030年のBTC価格は100万ドル超へ」
2030年のBTC価格は100万ドル超まで上昇する可能性があると強気な見方を示すなど、ジャック・ドーシー氏が仮想通貨ビットコインの魅力を語った。同氏は以前からビットコインを支持している。
07:00
ソラナJupiter、モバイルアプリのリリース時期発表
モバイル版の最新情報のほか、Jupiterは第三回のLFG投票の予定についても情報を公開。来週あたりに新たなローンチパッド候補の仮想通貨プロジェクトを公開し、5月22日から投票を開始する。
05/10 金曜日
18:29
SBIとチリーズ、スポーツファントークンで提携
SBIデジタルアセットホールディングスとChilizが戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結。日本で合弁会社を設立し、スポーツファンにファントークンを提供する。
18:26
L2 Blastチェーン基盤の分散型取引所「DTX」とは トレーダーの優位性を解説
暗号資産(仮想通貨)デリバティブトレーダーの間で関心の急増する分散型取引所「DTX」のメリットや優位性を解説。DTXはイーサリアム(ETH)レイヤー2のBlast(ブラスト)チェーン基盤であり、DTX Fuelによるエアドロップも示唆されている。
18:10
NTTドコモ、新会社設立でWeb3・AI事業など強化へ
株式会社NTTドコモは2024年7月に新会社「NTTドコモ・グローバル」を設立する計画を発表。NTT Digitalも傘下に集約し、Web3やAIを活用したグローバル事業を強化する。
14:48
バイナンス、大口顧客DWF Labsによる市場操作報道を否定
大手仮想通貨取引所バイナンス(グローバル版)は、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道した、同社のVIP顧客DWF Labsによる市場操作と内部調査に関する疑惑を強く否定した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア