CoinPostで今最も読まれています

ナスダックの仮想通貨模擬取引の正体は? 新情報から見えた可能性と今後のシナリオ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ナスダックの仮想通貨模擬取引の正体は?
本日情報が公開されたEris Xが仮想通貨の現物取引を一部機関を対象に試験的に提供しているとの内容から、ナスダックの模擬取引と多くの類似点があることが見えてきた。公開情報を基に、ナスダックを通したビットコイン取引の可能性と今後起こりうるシナリオを考察した。

ナスダックの仮想通貨模擬取引の正体は?

機関投資家向けの仮想通貨取引所Eris Xが新たに現物取引を一部機関を対象に提供していることが明らかになった。仮想通貨メディアThe Blockが関係筋の情報として報じた。

この発表に見えてきた動きとして、この現物取引の提供が先日明らかになったNasdaqのペーパー取引の正体なのではないか?ということだ。というのも、Eris Xのビットコイン取引がTD Ameritradeを通じて取引ができるなど類似点が多く確認されている。

本記事ではナスダックのビットコイン模擬取引として確認されたビットコインとライトコインの取引ペアが、「Eris Xの発表内容」と同一かどうかという点で、考察を行う。仮に同一である場合は、Nasdaqを通じて現物取引を提供する可能性が高まることになる。

ナスダックで取引が確認されている仮想通貨のペーパートレードペアとEris Xの取引テストの類似点は以下の通り。

  • 対応通貨の一致
  • 同一企業の関与
  • ティッカーシンボル
  • 「限られた参加者と公開ローンチに向けた準備」

これを受けCoinPost編集部ではすでに公開されているEris Xの取引に関する情報を分析。調査の結果、先日発表されたナスダック上で確認された仮想通貨のペーパートレード取引ペアがEris Xのものである可能性が濃厚だと見ている。

対応通貨

今週TD Ameritrade口座を通じてナスダックで確認された仮想通貨のペーパートレードにはビットコインとライトコインの2銘柄が現在見られている。

これはライトコインの創設者であるチャーリー・リー氏も情報を確かなものだと述べていた。

なお、この2銘柄はEris Xの対象銘柄として含まれている。現段階でEris X上で取り扱われることが確認されている仮想通貨は以下の通り。

  • ビットコイン
  • イーサリアム
  • ライトコイン
  • ビットコインキャッシュ

関連企業名

またもう一つペーパートレードがEris Xのものだと考えられる理由は同取引所への出資企業にある。

機関投資家向けの仮想通貨取引所として昨年10月に発表されたEris Xはマネックスグループやフィデリティなど大手21社が出資しており、その中には「Nasdaq」と「TD Ameritrade」の企業名も含まれていた

Eris Xの主な出資元には以下のような大手企業も参画している。

  • Fidelity
  • Cboe
  • Consensys
  • Nasdaq
  • Monex
  • Pantera Capital
  • TD Ameritrade
次世代仮想通貨取引所「ErisX」にナスダックやフィデリティ等の巨大金融機関が出資|ビットコインなど3通貨の現物と先物を予定
新たな仮想通貨取引所ErisXがシリーズB投資ラウンドを完了し、総額31億円分の資金をナスダック、フィデリティ等の大手企業21社から調達した事を発表した。米CFTCの認可次第でビットコイン、イーサリアム、ライトコインの現物と先物取引を開始する予定。

公開ローンチに向けた準備

公開ローンチに向けた準備でも類似点が見られている。Eris Xの取引対象者で「限られた参加者と公開ローンチに向けて準備を重ねている」ことがわかっているいるほか、ナスダックもペーパートレードとして一部のユーザー向けに試験的な模擬取引の提供が行われている。共に実際に資金や現物の売買が行われておらず、類似点は多い。

Eris Xの仮想通貨取引を試している企業の中にはオンライン証券大手TD Ameritradeが含まれていることがThe Blockの報道でわかっている。取提供先の取引所も同一である点が二つの報道から見えてきた。

ティッカーシンボルの謎

また先日発表された際はナスダック上の仮想通貨取引ペアのティッカーシンボル「CXERX」が正体不明だったが、仮にEris Xの試験段階にある仮想通貨取引だった場合はある程度の説明ができる。

独自に5文字のティッカーシンボルを考察した際、以下の略称である可能性がある。

CXERX = Crypto eXchange ERis X

CXERXの5文字の中には「Eris X」の名称の中で最も特徴的な5文字「ERX」が含まれている。これらの類似点を踏まえると、ナスダックやTD Ameritrade上で確認されているペーパートレードが実は業界参入が期待されていたEris Xの現物取引に向けた動きだと考えられるだろう。

想定できるシナリオ

本日表明されたEris Xの仮想通貨取引ペアが実際にナスダックでペーパー取引されているのか、主に想定できるシナリオを以下のようにまとめた。

  • ナスダックがErisXの仮想通貨現物取引を提供する
  • ナスダックとErisXがそれぞれ別々の仮想通貨取引商品提供に向けて動いている

上記で一番現実的など考えられるのは「ナスダックがErisXの仮想通貨現物取引を提供する」ことだ。ナスダックは仮想通貨に対して前向きな姿勢を示しているが、実際に仮想通貨投資の本格参入をした場面はあまりない。

もう一点はNASASとEris Xがそれぞれ別々の仮想通貨商品提供を目指して行くとの見方だが、こちらも十分考えられる。

NasdaqやTD AmeritradeでEris Xの仮想通貨現物取引が実際に提供されることとなった場合、世界的な証券取引所や大手オンライン証券がビットコイン取引を提供することが大きな話題を呼ぶことが考えられるため引き続きNasdaq、TD AmeritradeとEris Xの動向には注目していくべきだろう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/09 木曜日
18:49
TOKEN2049で注目を集めたCoinW、セキュリティと透明性へのコミットメント
豪雨の中、8000人以上が参加したTOKEN2049で、CoinWが安全性と透明性をテーマにブランド力を際立たせた。有識者パネル等を通してプロモーション展開に注力し、世界をリードする暗号資産(仮想通貨)取引所としての地位を固める。
18:45
Astar zkEVM「Yoki Origins」NFTミントが150万枚突破、ユーザー基盤は月間100%増
Astar Networkが提供するイーサリアムレイヤー2「Astar zkEVM Powered by Polygon」のローンチに合わせた「Yoki Origins」キャンペーンでNFTミントが150万枚を突破。ユーザー基盤も月間で100%増加し、5月31日のフィナーレに向け盛り上がりを見せている。
15:00
米下院、SECによる仮想通貨保管のガイドライン覆す決議案を可決
米国連邦議会下院は、議会審査法に基づき、証券取引委員会が発行した仮想通貨の保管に関する会計公報121号(SAB121)を覆す決議案を可決した。ホワイトハウスはこの決議案に拒否権を行使すると警告した。
14:00
米ロビンフッド1Q決算報告 仮想通貨収益倍増
大手取引アプリ米ロビンフッドは2024年第1四半期(1~3月)の決算報告を発表。仮想通貨収益が前年同期比で倍増していた。
13:20
DeFimansが中高生向けにWeb3講座を開催 筑波大学附属駒場で
株式会社DeFimansが筑波大学附属駒場中・高等学校で中学1年生から高校2年生を対象にWeb3講座を開催。ブロックチェーンとAIの活用案を考えるワークショップなど次世代育成に注力。
12:00
米トランプ前大統領、NFT購入者と夕食へ 仮想通貨に肯定発言も
米トランプ前大統領は独自NFTの特典として購入者らと夕食をとって過ごす。トランプ氏は仮想通貨に対してさらに肯定的な発言をしたところだ。
11:10
トランプ前大統領が異例発言、仮想通貨業界を味方に
今回の発言を受け業界の一部からトランプ氏を次期大統領として支持する声が増えているが、政治家として支持者を得るためのリップサービスにすぎないとの懸念も見られている。
10:20
金融庁、デジタル証券(ST)の規制緩和へ
日本の金融庁はデジタル証券(ST)を普及させるため規制を緩和することがわかった。早ければ8月にも内閣府令を改正する計画である。
10:00
Polyhedra、ゼロ知識証明の生成スピードで業界標準を刷新
Polyhedra Networkが新たに発表したZK証明プルーバー「Expander」は、業界標準を超えるゼロ知識証明の生成スピードを実現し、セキュリティと効率を大幅に向上する。
07:45
コインチェック、ナスダック上場申請で進展
De-SPACで仮想通貨取引所コインチェックのナスダック上場を目指すTHCPは、SECに申請書類を提出したことを発表。その後にコインチェックは、登録書類を公開することを発表した。
07:20
zkSync基盤のSophon、ノード販売で93億円調達
ノード販売とは、Sophonチェーンのノードを運用するためのNFT(ERC-721規格)ライセンスの販売で、早期段階でプロジェクトの仮想通貨トークンを割引価格で入手させるいわゆるトークンセールの一種だ。
06:45
Core Scientific黒字転換、1Qに270億円相当のビットコインを採掘
米ナスダック上場の仮想通貨ビットコインマイニング企業コア・サイエンティフィック社は、2024年第1四半期に2,825 BTCを自己採掘した。しかし半減期による影響はまだ反映されていない。
05:40
マスターカード、トークン化RWAの決済試験でJPモルガンやシティと提携
現在の課題として、投資適格債のような証券と、商業銀行のお金のような資産は、それぞれ別のシステムで機能している。RSNを利用すれば、単一のプラットフォーム上でトークン化資産の決済手続きを行うことができる。
05/08 水曜日
20:31
日本最大のWeb3カンファレンス「WebX2024」、先着順の読者限定割引コードを配布開始
国内最大手暗号資産(仮想通貨)メディアCoinPostが企画・運営するWeb3カンファレンス「WebX2024」。先着順の読者限定割引コードを配布開始しました。
15:06
EVM互換のZKロールアップとして関心を集める「Zircuit(ザーキット)」とは
暗号資産(仮想通貨)イーサリアム財団からL2研究助成金を獲得し、大手VCのPantera Capitalなどから出資を受ける「Zircuit(ザーキット)」について解説。ステーキングプロトコルは約2ヶ月で30億ドル以上を集めた。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア