CoinPostで今最も読まれています

金融庁が布告:企画競争「ブロックチェーン技術等を用いた金融システムのガバナンスに関する研究」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

金融庁が企画競争を布告
金融庁が布告した企画競争「ブロックチェーン技術等を用いた金融システムのガバナンスに関する研究」。今後予想されるさまざまな課題の発生への対応に求められるのは、金融システムのガバナンスだ。

従来型の規制では目的達成は困難

9日に金融庁が布告した企画競争(*1) ・「ブロックチェーン技術等を用いた金融システムのガバナンスに関する研究」が注目を集めている。

(*1)企画競争とは

内国の機関などが、複数の業者に企画書や提案書などの提出を求め、発注者側が審査をする。競争入札とは異なり、複数の業者と契約する場合もある。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

フィンテックの進展の中でも、特にブロックチェーン技術について金融庁は、「金融の将来的な姿を大きく変えていく可能性が指摘されている」とし、2017年以降、各国の金融当局や民間の研究者らと連携し、活用の可能性や課題についての調査研究を進めるとともに、「ブロックチェーン・ラウンドテーブル」も開催してきた。

そうした中で、金融庁はブロックチェーンが金融システムで使われる場合、主に金融機関の規制という従来型のアプローチでは規制そのものの目的の達成が困難であることが明らかになったと考えているようだ。

今後、ブロックチェーンの進展に伴い、さまざまな課題が発生することが考えられるが、それを解決するには従来型の法律や規制にとどまらない多面的な対応が必要となる。ブロックチェーンの分散金融システムに参加するステークホルダーは、技術者や企業、利用者、学術界など多様で幅広い。

参加者に求めれるのは調査研究など

金融庁ではテクノロジーの発展を健全な金融・経済の発展に寄与するためには、そうした幅広いマルチステークホルダー型のガバナンスが必要だと考え、その理解を深め、実現に向けて必要となる今後の取り組みの方向性を探るため今回の企画競争を実施することにしたとしている。

参加者に求められる提案内容としては、まずは調査研究で、

  • 分散金融システムのガバナンスの仕組みや運営
  • ガバナンス確立に向けた工程表の策定
  • 予想される障害や課題などを考察すること

などが求められている。

また、マルチステークホルダー型のガバナンス確立に向けた国際的ネットワークの構築も必要だ。

その中では、例年3月に行われている主要国の金融当局や学識経験者などとの議論の場である「ブロックチェーン・ラウンドテーブル」をガバナンス確立に役立つ会合となるよう検討することなども求められている。 そうした調査研究とともに、具体的な実施体制の構築や結果報告についての詳細も定められている。

提出期限は8月1日(木)。7月18日(木)にはこの企画競争に関する説明会も開催される。

今回の企画競争で提示された課題に関心の高い事業者や団体は多いと考えられる。金融業、あるいはその周辺だけでない、幅広い参加者による質の高い提案が行われることが、ブロックチェーンに関する関心をさらに高めるきっかけとなることが期待されている。

CoinPostの関連記事

JBA代表理事 加納氏が「V20での議論」を読み解く|日本仮想通貨規制の先進性とは
日本ブロックチェーン協会(JBA)の新代表理事に就任した加納裕三氏が、V20で登壇した内容とワークショップで議論された内容を詳しく解説した。日本の規制の優位性とその重要性を読み解く。
金融庁が事務ガイドラインを改正、仮想通貨・ICOの取り扱いなどに変更点
金融庁が事務ガイドラインを一部改正。仮想通貨資金調達のICOに関する内容などが大幅に更新され、監督上の着眼点の明確化を図った。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/10 金曜日
18:29
SBIとチリーズ、スポーツファントークンで提携
SBIデジタルアセットホールディングスとChilizが戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結。日本で合弁会社を設立し、スポーツファンにファントークンを提供する。
18:26
L2 Blastチェーン基盤の分散型取引所「DTX」とは トレーダーの優位性を解説
暗号資産(仮想通貨)デリバティブトレーダーの間で関心の急増する分散型取引所「DTX」のメリットや優位性を解説。DTXはイーサリアム(ETH)レイヤー2のBlast(ブラスト)チェーン基盤であり、DTX Fuelによるエアドロップも示唆されている。
18:10
NTTドコモ、新会社設立でWeb3・AI事業など強化へ
株式会社NTTドコモは2024年7月に新会社「NTTドコモ・グローバル」を設立する計画を発表。NTT Digitalも傘下に集約し、Web3やAIを活用したグローバル事業を強化する。
14:48
バイナンス、大口顧客DWF Labsによる市場操作報道を否定
大手仮想通貨取引所バイナンス(グローバル版)は、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道した、同社のVIP顧客DWF Labsによる市場操作と内部調査に関する疑惑を強く否定した。
12:43
ビットコインなど仮想通貨相場反発、ビットバンク関連会社のセレスがストップ高
暗号資産(仮想通貨)市場ではビットコイン(BTC)が反発、株式市場では大手取引所ビットバンク(bitbank)を持分法適用関連会社にするセレスの決算が好感され株価がストップ高となった。
11:30
米仮想通貨大手DCG第1四半期決算 売上高が前年比51%増
仮想通貨コングロマリット企業DCGは2024年第1四半期(1~3月)の決算を発表した。連結売上高が前年同期比51%増の約356億円に達している。
10:25
米SECの審査で、仮想通貨ウォレット企業の株式上場が延期
仮想通貨ウォレットのスタートアップ企業Exodus Movementは、米SECのためにNYSE Americanへの株式上場が遅延していると発表した。
09:45
リップル社、DeRecの創設メンバーに参加
リップル社とXRPL Labsは、仮想通貨や個人情報に関する取り組みを行うDeRec Allianceの創設メンバーに加わった。これからユーザー体験を簡素化し、Web3の普及に取り組んでいく。
08:20
米マラソン、1Qに270億円相当のビットコインを採掘
マラソンの純利益は、仮想通貨ビットコインが3月に過去最高値を更新し73,000ドルまでに到達のこともあって前年同期比で184%増の3.372億ドルに押し上げられた。
07:15
ロビンフッドCEO、米SECと争う姿勢示す
米国が仮想通貨へアクセスできるように守っていくとロビンフッドのCEOが発言。同社は米SECからウェルズ通知を受け取っており、争う姿勢示している。
06:45
バイナンスやOKX、TON基盤「Notcoin」のマイニング開始予定
仮想通貨Notcoinとは、「タップして稼ぐ」のトークンマイニングの仕組みを通して、多くのテレグラムユーザーをWeb3に取り込む目的のバイラル・ゲームだ。
06:12
カナダ当局、バイナンスに6.8億円の罰金
仮想通貨取引所バイナンスについては昨年11月アメリカで財務省と和解しており、マネロン対策と制裁法違反で合計43億6,800万ドルの罰金を支払うことになった。また、退任したCZ氏は先月末に懲役4か月の判決が下された。
05/09 木曜日
18:49
TOKEN2049で注目を集めたCoinW、セキュリティと透明性へのコミットメント
豪雨の中、8000人以上が参加したTOKEN2049で、CoinWが安全性と透明性をテーマにブランド力を際立たせた。有識者パネル等を通してプロモーション展開に注力し、世界をリードする暗号資産(仮想通貨)取引所としての地位を固める。
18:45
Astar zkEVM「Yoki Origins」NFTミントが150万枚突破、ユーザー基盤は月間100%増
Astar Networkが提供するイーサリアムレイヤー2「Astar zkEVM Powered by Polygon」のローンチに合わせた「Yoki Origins」キャンペーンでNFTミントが150万枚を突破。ユーザー基盤も月間で100%増加し、5月31日のフィナーレに向け盛り上がりを見せている。
15:00
米下院、SECによる仮想通貨保管のガイドライン覆す決議案を可決
米国連邦議会下院は、議会審査法に基づき、証券取引委員会が発行した仮想通貨の保管に関する会計公報121号(SAB121)を覆す決議案を可決した。ホワイトハウスはこの決議案に拒否権を行使すると警告した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア