CoinPostで今最も読まれています

トランプ批判やハッキング事件など悪材料でビットコイン(BTC)が急反発した理由|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場
トランプ大統領の仮想通貨批判や国内取引所の不正流出事件でもデッドラインを死守した仮想通貨ビットコイン(BTC)、昨年のハッキング事件から反騰理由を探る。リップル(XRP)やイーサリアム(ETH)など主要アルトコインも買われた。

仮想通貨ビットコイン(BTC)市況

本日の仮想通貨(暗号資産)市場は、朝から大きめのネガティブサプライズが相次ぎ、投資家心理が悪化した。

まず日本時間9時過ぎに、これまで仮想通貨について沈黙を守っていた米トランプ大統領が、Twitetr上でビットコイン(BTC)とフェイスブック主導のリブラプロジェクトに対して痛烈批判を展開。大きな注目を浴びた。

規制面の問題や、違法行為を助長する恐れがあるとして懸念を表明、米ドルだけが”本物の通貨”だとした。

また本日昼過ぎには、国内大手仮想通貨取引所ビットポイントで、ホットウォレットで運用していたビットコイン(BTC)など35億円相当の仮想通貨の不正流出が発覚。

昨年1月にコインチェックが、同年9月にZaifがハッキングされて以来、日本市場では金融庁主導で規制面に注力しており、2019年以降は前向きな動きも見られていた矢先の出来事に。これにより、せっかく再始動したばかりの国内情勢が再び停滞する懸念が生じており、金融庁の認可対応なども後手に回らざるを得ないことから、まさに”冷や水を浴びせられた”格好となった。

このようにネガティブサプライズが相次いだことで下げが加速することも懸念されたが、11日時点で最大2000ドル(約22万円)大暴落していたこともあり、(短期的には)売られすぎ水準にあったことが幸いしたか。アルトコインも急落が続いた反動で一時的に買いが入っており、これもアク抜け状態のビットコイン(BTC)価格を下支えしているように見受けられる。

ハッキング事件の様相を呈する仮想通貨取引所「ビットポイント」に関する目下の関心ごとは、つい先日に金融庁の業務改善命令が解かれた中で、セキュリティや経営・管理体制に大きな欠陥があってそこを突かれたのか、それとも内部犯によるものなのか、という点にもある。

前者であれば金融庁の顔に泥を塗る印象が強まり、規制の限界を露呈するなど悪影響の長期化は必至であるが、仮に万全の対策を期した上で後者の事情が主因であれば、必然と市場の受け取り方や今後の対策など、ある程度議論の焦点も変わるだろう。当然ながら、バイナンスハッキング騒動のように、対応スピードや補償内容によっても、今後の展開や市場の反応が変わってくると思われるため、重要な局面にあることは間違いない。

大衆心理も一つの要因で、株式市場でも下目線が強まる中で悪材料出尽くしによる反騰はままあるが、仮想通貨市場では過去にも、国内の仮想通貨ハッキング事件で”売りポジション”を踏み上げたことがある。

2018年9月明朝、2017年には国内三大取引所として隆盛を誇った仮想通貨交換業者Zaifがハッキングされ、市場に衝撃をもたらした。被害総額は67億円相当だった。

2018年9月のBTCチャート

出典:TradingView

2時59分(オレンジライン):Zaifのハッキング被害告知

4時00分(青ライン):bitFlyerメンテナンス明け

4時45分(紫ライン):CboeのSQ日時

日本時間の深夜帯に発表された予期せぬハッキング報道により、下落に傾いたビットコイン(BTC)市場。bitFlyerでは71万円から68.8万円まで-3.8%ほど急落するなど狼狽売りが入ったが、海外取引所Bitfinexの強い買いが先行する形で、ショートカバーで$200(22,000円)ほど急騰。

深夜帯に出たニュースで当事国である日本人の活動時間帯でなかったために反応が限定的だったことに加え、2018年の重要サポートラインである65〜70万円ラインに接触したことで、リバウンドに弾みがついた格好だ。

ビットコインテクニカル分析

暴落後のビットコイン(BTC)価格は、底割れを試しながらも、昨日の市況でも解説した118〜120万円ラインを節目に反発。今月上旬のペナント形成時にも何度も機能していたラインであり、4h雲は特に意識されやすい。

1hMACDが+30,000から一時-30,000まで転落するなど短期的には売られすぎ水準にあり、12日に弾き返された「1h200EMA」と128〜130万円付近にある強めのレジスタンスラインを明確に抜けることができれば、悪材料出尽くしで130万円台回復も視野に入るが、10日の大陰線を機に短期トレンドが下向きに転じたため、戻り売り圧力は無視できない。

直近の悪材料がいずれも今後の市況に響きやすい重さであることも事実であり、このまま素直に上昇し続けるシナリオも考えにくい。反発が一時的な上昇に留まり「中期的な下落トレンド」に移行する可能性も十分あり得る。情勢次第で、今後の数ヶ月スパンの値動きを決定付けるターニングポイントに位置していると言えそうだ。

11日21:20時点で、世界最大のデリバティブ取引所である「BitMEX」ランカーのLS比率は、ロング29.4%に対し、ショートが70.6%にまで急増しており、12日にかけてポジションを持ち替えているかどうかも注目される。

lschecker

海外アナリストの市況感

仮想通貨トレーダーであり、投資家でもあるJosh Rager氏がビットコイン市場の今後の見通しを語っている。

BTCは弱含みで、11,000ドル(約120万)半ばを推移している。

日足のサポートラインの最低価格は10,979ドルで、さらなる急落が迫っているようにも見えるが、次に大きな動きを見せる前の値幅調整には十分注意しなければならない。今のところ、価格はニュートラルな均衡状態だ。

退屈な市場であり、みんながトランプ大統領の発言について話をしているのも頷ける。

米トランプ大統領、仮想通貨ビットコイン(BTC)とフェイスブックのリブラを痛烈批判
トランプ大統領が仮想通貨ビットコインとフェイスブック主導のリブラに対してTwitter上で批判した。規制面の問題に加え、麻薬取引など違法行為を助長するとして懸念を表明、米ドルだけが”本物の通貨”だとした。
ビットコインなど仮想通貨市場に大きな影響を及ぼす「半減期」とは、過去の事例から独自考察
仮想通貨市場に大きな影響を及ぼすビットコイン(BTC)などの半減期が、相場に意外な影響を与えることも明らかに。ライトコイン半減期など、過去の値動きから可能性とリスクについて詳しく解説。

免責事項

当ページは、仮想通貨の信憑性・正確性を保証するものではありません。

掲載されている内容やリンク先、サービス等、または投資情報からの不利益や損害については、当サイトでは一切の責任を負いかねます。投資する際は、ご自身の判断の元、自己責任でお願い致します。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/14 火曜日
18:00
オントロジー DIDソリューション普及のため、15億円規模の基金を設立
分散型ID(DID)とデータ共有を可能にする高速で低コストのブロックチェーンプラットフォーム、オントロジーは1,000万ドル規模の「Ontology DID FUND」を設立。プロジェクト提案は専用フォームから迅速に申請可能。
14:23
ビットトレードがシバイヌ貸して増やすの特別募集を開始
ビットトレードが年率48%のシバイヌ(SHIB)の貸して増やす・貸暗号資産の特別募集を開始。さらに、ビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーンでAmazonギフトカードが当たる施策も実施中。
14:17
SBI VCトレード、アプトス、ヘデラ、ジパングコインを新規上場へ
SBI VCトレードが暗号資産(仮想通貨)アプトス(APT)、ヘデラ(HBAR)、ジパングコイン(ZPG)の取扱いを開始へ。販売所や貸コインなど、フルラインナップサービスを提供します。ステーキング銘柄取扱い数は、国内最大級となる。
13:00
テザー社CEO、リップル社CEOを非難
ステーブルコインUSDTを発行するテザー社のパオロ・アルドイノCEOは、「米国政府はテザーを狙っている」というリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOの発言を強く非難する声明を出した。
12:36
CPI控えビットコイン様子見基調、縮小するコインベース・プレミアムが示唆するものは
暗号資産(仮想通貨)市場では命運を握る15日のCPI(米消費者物価指数)発表を控えポジション調整の動きが散見された。一部アナリストは、コインベース・プレミアムの縮小を根拠にエントリーのタイミングを見計らっている。
11:30
OpenAI、生成AIの革新的ニューモデル「GPT-4o」公開
ChatGPT開発で知られるOpenAIは「GPT-4o」と呼ばれる新たなAIモデルを公開した。音声、画像も入出力可能で、人間とより自然なやり取りができる。
10:47
R・キヨサキ氏、仮想通貨に関するBRICSの動向に注目
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキは、BRICSによる金を裏付けとする仮想通貨発行の噂に注目していると指摘。ビットコイン・金・銀への投資を推奨した。日本では、老後4000万年問題が取り沙汰されている。
09:50
中国の警察、仮想通貨による400億円以上の違法取引を摘発
中国吉林省の警察は、仮想通貨を使用して400億円規模の違法な人民元・韓国ウォン取引を行っていた疑いで犯行グループを摘発した。
08:45
ArbitrumとBase利用のレイヤー3チェーンDegen Chain、24時間以上稼働停止
「Degen Chain」という仮想通貨イーサリアム系のレイヤー3ネットワークは、24時間以上トランザクション処理が停止している。このブロックチェーンはArbitrumとBaseを利用している。
08:00
Jupiterローンチパッド投票第三弾、deBridgeなどが参加
仮想通貨ブリッジサービスのdeBridgeは今回の有力候補とされている。これまで20億ドル相当のブリッジボリュームを記録し500万ドル以上の手数料を徴収してきた。
07:26
トランプ前大統領、10億円相当の仮想通貨を保有か
米トランプ前大統領が10億円相当の仮想通貨を保有していることなどを公表し、Arkhamが著名人の所有額を比較。同氏はミームコインのTRUMPの次にイーサリアムを多く保有している。
06:40
エルサルバドル、ビットコイン保有の追跡サイトを公開
同国は現在5,749.76 BTCの仮想通貨ビットコインを保有しており、565億円に相当する金額だ。
06:20
GameStop株やミームコインが暴騰
仮想通貨市場では「GMCIミーム指数」は、301.1で7.67%上昇。GMEミームトークンは前日比で1,200%以上高騰した。
05/13 月曜日
15:05
リップルCEO「米国政府は、ステーブルコインUSDT発行企業のテザー社を標的にしている」
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはインタビューで、米国政府がステーブルコインUSDTの発行企業テザーに監視の目を強めていることを注視していると語った。
14:32
ユニスワップ創設者ら、SECの仮想通貨規制はバイデンの大統領選に悪影響と指摘
ユニスワップの創設者らは仮想通貨業界に対する米SECの姿勢を批判し、大統領選で現職バイデン氏の再選に不利になる可能性を示唆した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア