
仮想通貨投資を始める前に
年々、市場規模の拡大する暗号資産(仮想通貨)市場。
本記事では、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)などの仮想通貨を購入したい初心者の方に向けて、わかりやすく解説していきます。
仮想通貨はどこで購入できるか
仮想通貨を購入する方法は複数あります。
仮想通貨取引所
仮想通貨の購入方法として最も一般的なのが、仮想通貨取引所(交換業者)の利用です。
日本の金融庁より仮想通貨事業者ライセンスの認可登録を得た正規の事業者は20社以上あり、ビットコイン等の仮想通貨取引サービスを提供しています。
「販売所」サービスを使えば、初心者の方でも手軽に購入できるほか、「板取引」サービスを使えば、株やFX取引経験のある方であれば、利用者同士で売買することも可能です。
このように、便利なサービスを提供している仮想通貨取引所ですが、20社以上ある取引所はそれぞれサービスが異なり、購入時の手数料も異なるため、それぞれの特徴を踏まえて自分に合った取引所を選ぶ必要があります。
今回は、初めての仮想通貨取引で、どの取引所を使った方が良いか詳しく説明します(後述)。
販売所と取引所の違い
仮想通貨取引所では、1つのサービス内で販売所と取引所という2種類の売買方法が提供されています。
仮想通貨の売買を行う前に、この2つについて理解しておかないと知らずのうちに損をすることになるかもしれません。
・販売所
販売所は、投資家が仮想通貨取引所を相手に仮想通貨を売買するサービスです。
自分が売買したいタイミングで即座に取引ができるので、取引チャンスを逃すリスクが低いというメリットがあります。また、売買したい金額を指定してボタンを押すだけなのでUIやUXも単純で、初心者にもわかりやすいです。
しかし、販売所は、購入価格と売却価格の差(スプレッド)が大きいです。そのため、取引所と比べて購入価格が高く、売却価格は低くなる傾向があります。
・取引所
取引所は、売買を希望する投資家同士が仮想通貨を取引します。運営会社は取引当事者を仲介する「板」と呼ばれる取引画面を提供します。
この方式は、自分で指定した価格で購入する指値注文や、価格を指定しないで成行注文などの方法で仮想通貨の売買ができます。また販売所と比較して、取引所に対して支払う手数料を大幅に削減できるメリットがあります。
しかし、取引所方式では、反対注文(自分が「買い」ポジションの場合に、反対のポジションとなる「売り」のこと)を出す投資家がいなければ注文は約定されません。そのため必ずしも自分が売買したいタイミングで取引が成立するとは限らないというデメリットがあります。
現物取引とレバレッジ取引
・現物取引
現物取引とは、仮想通貨を実際に購入・売却する取引です。
売却を行う場合は、すでに仮想通貨を保有していることが前提になります。そのため、現物取引は先に仮想通貨の購入取引から入ることが必要です。
一般的には、円やドルなどの法定通貨を支払うことで購入取引を行います。現物取引は、手元にある資金以上の仮想通貨を購入できないことが特徴です。
・レバレッジ取引(CFD取引)
レバレッジ取引とは、証拠金を口座に預け入れ、それを担保にして証拠金の何倍もの金額を取引できる取引方法です。
また、レバレッジ取引の場合、将来値下がりすることを期待しまず仮想通貨を売却し、値下がりした時点で買い戻すことも可能であるため、価格が下落した際にも収益を得られる可能性があります。こういった点も現物取引とは異なっています。
システムをきちんと理解してからでないと大きな損失を被る可能性があるため、初心者の方は最初は現物取引から始めたほうが無難です。
OTC取引
OTC取引とは、企業あるいは個人同士で、相対取引を行うものです。やり取りにはメッセージや通話サービスを利用して、買い手と売り手が取引の発注を行う流れが一般的です。
マーケットに直接影響なく取引できる点から、1,000万円以上の取引を行うお大口投資家の方など、多くの資金を取引したい人に適したサービスといえるでしょう。
こちらも上記の取引所と同様、日本の金融庁より仮想通貨事業者ライセンスの登録を行う事業者が、正式なサービスとして提供しています。
取引所選びの基準
初めて仮想通貨を購入する際、利用する仮想通貨取引所の選び方について、判断材料となる3つのポイントをご紹介します。
1. 取り扱い銘柄数
取引所選びで考慮すべき点の1つが取り扱い銘柄です。取引所によって、取り扱っている銘柄の種類や銘柄数には、かなりのばらつきがあります。
自分が購入を希望している銘柄を取り扱っているかは事前にチェックしておきましょう。また、取り扱い銘柄が多いほど投資における選択肢が広がり、有利になるということも考慮しておく必要があります。
2. セキュリティ対策
仮想通貨取引所を選ぶ上で、セキュリティ対策も考慮すべき重要なポイントです。日本でも過去にはいくつかの取引所がハッキング被害に遭い、保管されている仮想通貨が不正流出する騒動が起きました。
現在では金融庁により銀行並みに厳しい監督水準に置かれ、利用者保護の仕組みは昔よりも整っていますが、投資を行う上で、取引所がどのようなセキュリティ対策を行っているのかを知っておけば安心感につながることでしょう。
3. 企業の信頼性
取引所の選定を行う上で、初心者でも判断しやすいのが、取引所を運営している企業母体です。
知名度の高い上場企業や資本金の大きな企業が運営している暗号資産(仮想通貨)取引所は信頼性が高いと言えます。
企業の選定基準は、資金力などにも関連する重要な指標で、取引所の破綻リスクなど、サードパーティリスク(当事者ではない第三者によるリスク)を判断する基準にもなります。
おすすめの仮想通貨取引所
これらの基準を踏まえ、おすすめの取引所を紹介しましょう。
コインチェック

初心者にオススメの取引所として真っ先に挙がるのがコインチェックです。
直感的に使いやすいUI/UXと、国内屈指の取扱銘柄の豊富さは他の追従を許しません。
2012年に創業して仮想通貨業界をけん引してきた取引所でもあり、2018年にハッキング事件の被害に遭ってからは、東証プライム上場企業であるマネックスグループの傘下に入り、セキュリティ対策を大幅に強化しました。
NFTマーケットプレイスを早期に立ち上げたり、国内で初めてIEO(Initial Exchange Offering)を実施して新しい暗号資産を上場させるなど、常に時代の最先端にあります。
関連:仮想通貨取引所コインチェックとは|投資家向け3つのおすすめポイントbitFlyer

2014年1月に設立されたbitFlyerは、日本でも古参の仮想通貨取引所で、三井住友銀行グループやリクルートなどの様々な業界の大企業から出資を受けています。流出事件などの過去のインシデント例はなく、安定した運営と、質の高いサービスで定評があります。
bitFlyerの強みとして、ビットコインの取引量が国内取引所の中でトップであることが挙げられます。それだけ多くのユーザーが利用しており、板が厚く流動性の高さに定評があります。
株やFX取引の経験があり、頻繁に取引を行う中級者〜上級者の投資家に適した取引所と言えるでしょう。
取扱銘柄数が豊富なだけでなく、セキュリティ面においても万全の体制を敷いています。
SBIVCトレード

SBI VCトレード株式会社は2017年5月26日に設立され、仮想通貨の交換・取引サービス、システムの管理・運営を行う仮想通貨(暗号資産)取引所です。
親会社のSBIホールディングスは東証プライム上場企業。ネット証券No.1の「SBI証券」を擁するなど、国内最大級の金融コングロマリットとしても知られています。
2020年10月には、2017年に設立されヤフーグループの完全子会社として暗号資産取引所を運営するTaoTao株式会社もSBIホールディングス傘下に入りました。
SBI VCトレードは、暗号資産・ブロックチェーン事業者向けのエンタープライズサービスを開発・提供するGincoとの共同開発で、暗号資産を利用せず日本円だけでNFT(非代替性トークン)売買可能なウォレットサービス「SBI Web3ウォレット」を開発するなど、NFT関連事業にも意欲的です。
購入したNFTは、SBI VCトレードがカストディサービスとして預かる仕組みを採用しており、専門知識の必要なデジタルウォレット管理が簡略化されるメリットがあります。
グループ会社のSBINFT株式会社は、株式会社スマートアプリが開発していたNFTマーケットプレイス「nanakusa」をリブランディングする形で誕生した「SBINFT Market」を運営しており、「SBI Web3ウォレット」とも高いシナジーが見込めます。
取引所のアカウント登録・口座開設方法
ここからは取引所の利用方法について、コインチェック(web版)を例に解説していきます。
アカウント登録
まずはコインチェックの公式サイトにアクセスし、「新規登録」をクリックします。
メールアドレスとパスワードを入力する画面に遷移するので、入力したら「新規登録」をクリック。

入力したメールアドレス宛に確認用メールが送信されるので、記載されているURLをクリックします。すると、先ほど入力したメールアドレスと相違ないかチェックされ、問題なければアカウント登録が完了します。その後、メールアドレスとパスワードを入力したら「メールアドレスでログイン」をクリック。

電話番号のSMS認証
アカウント登録が完了したら、SMSを利用した電話番号の認証に移ります。

電話番号を入力後、「SMSを送信する」をクリックすると、携帯電話に6桁の認証番号が送信されるので、それを専用の欄に入力。これで認証が完了します。
本確認書類の提出
電話番号のSMS認証完了後は、本人確認書類提出の手続きを行います。

「本確認書類を提出する」をクリック。運転免許証やパスポートなどの指定されている書類の中から選択して写真を撮り、アップロードします。
提出後は審査が行われ、不備がなければ数日後に本人確認完了のメールと、住所確認用のハガキが届きます。ハガキが届けば、コインチェックのすべての機能を利用できるようになります。
ただし、売買を始める前に二段階認証の設定を行いましょう。二段階認証設定はセキュリティの観点で非常に重要であり、外部からのハッキングにより資産を失うリスクを軽減することができます。
二段階認証の設定
設定タブの中の「二段階認証」をクリックします。
次に、手持ちのスマホの種類がiOSであれば「iOSアプリ」を、Androidであれば「Androidアプリ」をクリックし、アプリのインストール画面に遷移します。
iOSの場合は「Google Authenticator」を、Andoroidの場合は「Google認証システム」という認証用のアプリをインストールすることになります。

認証アプリをインストールしたら、前の画面に戻り「設定する」をクリック。その後は画面の指示に従って設定を完了させてください。
二段階認証設定後は、ログイン画面でメールアドレスとパスワードを入力し、「メールアドレスでログイン」をクリック。認証アプリを起動し、生成されたパスコード(数字6桁)を入力し、ログインして利用していきます。
その後、口座に入金をすればいよいよ仮想通貨を購入できるようになります。
取引の際に初心者が気を付けるべきこと
取引所で口座を開設し二段階認証を設定したら、いよいよ仮想通貨を購入していくわけですが、ここでは、売買を行う際に初心者が知っておくべきことを解説します。
どれくらいの資金が必要?
冒頭で述べた通り、ビットコインの価格は高騰しており、現在1BTCあたり約500万円を推移しています。
これを聞いて、最低でも500万円ないと購入できないのでは?と思われる方もいるかもしれませんが、そんなことはありません。各取引所で最低売買単位が定められており、ほとんどの取引所が0.01BTC(約50,000円)か0.001BTC(約5,000円)です。コインチェックに至っては500円となっており、かなり小額から取引が可能です。
これはビットコインに限らずアルトコイン(ビットコイン以外の仮想通貨)にも同じことが言えます。