仮想通貨市況
18日のニューヨーク株式市場では、ダウ平均株価が前日比1164.52ドル(3.57%)安で年初来安値を更新。ナスダック指数が566.37ドル(4.73%)安と暴落した。これを受け、東京株式市場(前場)では日経平均株価が前日比672.8円(2.5%)安と大幅下落している。
米ウォルマート、及び米ターゲットといった小売り大手企業の決算の業績悪化を受け、インフレ(物価高)による消費者心理の悪化と景気の冷え込みが強く意識されたことが背景にあるとされる。
下落トレンドの長期化で個人投資家の証拠金維持率が低下しており、センチメントの悪化が市場の不安定さに顕れていると言えそうだ。
FRB(米連邦準備制度)は急ピッチの利上げによりインフレの抑え込みを図るも、ウクライナ情勢を巡る欧米諸国によるロシアへの経済制裁の影響で、原油や天然ガスをはじめとする資源高も市場の重石となっている。
ここのところ、金融引き締めの影響や景気減速懸念により、コロナ禍の金融緩和局面で過剰流動性をもたらした株式市場や暗号資産(仮想通貨)市場のリスク資産が一転して売り込まれる展開が続く。
米主要株指数S&P 500インデックスとビットコインの相関係数は、3月下旬以降「0.85」を超える。
ビットコインは、前日比4%安の375万円(29,132ドル)と連れ安となった。
すでに売られすぎ水準にあるものの、依然としてダウンサイドリスクのある米株指数に連動しながら底を試しに行く展開を見せていることから、市場の不確実性が嫌気されやすいか。
デリバティブ(金融派生商品)市場におけるビットコイン(BTC)のOI(未決済建玉)も下降傾向に。Arcane Researchのデータによれば、永久先物のFundingRate(資金調達率)も急低下しており、投資家の弱気心理を如実に示す。
最も顕著なのは最大手取引所バイナンスで、12日の資金調達率は-0.0042%まで減少した。
ステーブルコインの勢力図
USTショックを経てステーブルコインの勢力図にも変化がみられ、大口のポートフォリオ再編成を示唆するシグナルも見受けられる。仮想通貨担保型ステーブルコインのDAIやUSD Coin(USDC)を再評価する向きもある。
ダイ(DAI)は、MakerDAO(自律分散型組織)が発行するイーサリアム基盤の分散型ステーブルコインだ。仮想通貨を担保にすることで、DAIトークンが発行される仕組みとなっており、スマートコントラクトを利用して、自動的に米ドルにペッグする価格安定メカニズムを採る。
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DAIは安全性の観点から過剰担保制となっており、100ドル相当のDAIを取得するために150ドル相当(最低担保率145%)のETHをデポジットする必要がある。イーサリアムの価値が下落した場合は、Makerプロトコルで金庫の役割を果たすVaultにデポジットする担保(保証金)を増やすか、清算のリスクを負うことになる。
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Glassnodeのデータによれば、ステーブルコインの総供給量は、過去最大となる84億ドル減少した。
そのような状況の中、サークル社と米大手取引所コインベースが発行する「USD Coin(USDC)」は、26.4億ドルの流入超過となっている。
Aggregate stablecoin supplies have declined by a total of $8.4B over the last month, the largest in history.
— glassnode (@glassnode) May 18, 2022
This reflects a net capital outflow from the space.
Last week, $USDC expanded by $2.64B, whilst $DAI contracted by over 24%, as debt positions were closed or liquidated. pic.twitter.com/xMrUy4gxkU
USDCは、法定通貨の米ドル、及び現金同等物の「短期米国債」に価値を裏付けられており、米国の規制対象である金融機関の口座に保管されている。
一方、テザー(USDT)の裏付け資産の現金同等物は83.74%に留まることなどから、信頼性の観点で劣るとの見方も少なくない。また、準備金の一部をコマーシャルペーパー(資金調達のために発行する無担保約束手形)で保有している。
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イーサリアムに進展
時価総額2位の仮想通貨であるイーサリアム(ETH)にてパブリックテストネット「Ropsten」が6月8日にローンチする予定であることが明かされた。
これは、合意形成アルゴリズムを現在のプルーフ・オブ・ワーク(PoW)からプルーフ・オブ・ステーク(PoS)へと切り替えるメジャーアップグレード「The Merge」に向けた最終テスト段階にあたる。
これに伴いイーサリアム財団は、バグバウンティプログラムの報酬を増額。 イーサリアム・ネットワークに影響を与え得るプロトコル及びクライアント、スマートコントラクトを記述するためプログラミング言語である「Solidity」の脆弱性やバグを発見・報告することで、最大250,000ドル(3200万円相当)が支払われる。詳細:イーサリアム、Ropstenテストネットで「The Merge」実行へ
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