仮想通貨マイニングプールにサイバー攻撃
暗号資産(仮想通貨)マイニング企業BIT Mining Limitedは26日、子会社のマイニングプール事業BTC.comが3日にサイバー攻撃を受け、資産が不正流出したと発表した。
このサイバー攻撃では、BTC.comの顧客が所有する9,300万円(70万ドル)相当の仮想通貨と、BIT Miningが所有する3億円(230万ドル)相当の仮想通貨が盗まれた。銘柄などは明かされていない。
BIT Miningは、すでにこの事件を中国深センの法執行当局に報告している。当局は23日に捜査を開始し、証拠を収集しており、関係機関への協力も要請しているところだ。
BIT Miningは、現地での協働や社内の努力によって、BTC.comが保有する仮想通貨の一部は、安全に確保されているとも説明した。
また、今回のサイバー攻撃後、ハッキングをより効果的にブロックする技術を導入したと続けている。BTC.comは現在、通常通り営業しており、「デジタル資産サービス以外のクライアントサービスに影響はない」とも述べた。
マイニングプールとは
各マイナーのハッシュパワーを集め、協力してマイニングを行うために作られた組織的なサーバーのこと。規模が重要なマイニングビジネスで優位に立つために、複数のマイナーが協力してマイニングを行う仕組み。マイニングの貢献度に応じて報酬が支払われる。
▶️仮想通貨用語集
BIT Miningは、香港を拠点とする仮想通貨マイニング関連企業だ。ニューヨーク証券取引所に上場しており、仮想通貨のマイニングから、マイニングプールやデータセンターの運営、マイニングマシン製造まで幅広く事業を行っている。
所有するBTC.comの下では包括的なマイニングプール事業を運営。ビットコイン(BTC)、イーサリアム(ETH)、ライトコイン(LTC)、ビットコインキャッシュ(BCH)やその他の仮想通貨についてマイニングサービスを提供しているところだ。
過去一か月間のデータを見ると、BTC.comは、ビットコインマイニングプールのハッシュレートのうち、2%を占めている。
ハッシュレートとは
マイニングの採掘速度のこと。日本語では「採掘速度」と表現される。単位は「hash/s」。「s」は「second=秒」で、「1秒間に何回計算ができるか」を表す。マイニング機器の処理能力を表す際や仮想通貨のマイニングがどれくらいのスピードで行われるかを示す指標として用いる。
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仮想通貨マイニングの状況
現在、仮想通貨市場の停滞や電気代高騰などで、財政状況悪化を報告するマイニング企業が増えているところだ。9月にはCompute Northが破産申請を行っており、Argo BlockchainやCore Scientificも、閉鎖や事業縮小の可能性に言及している。
一方で、日本国内では新たな動きも見られる。
大手電力会社の東京電力パワーグリッドら3社は、日本各地に、仮想通貨マイニングも行える「未来型の分散型データセンター」を展開していく計画だ。
余剰電力に対して、データセンターなどの新しい需要を生み出すことで地産地消で有効活用していくことを目指すとしている。
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