2023年が始まりCOVID-19の傷跡は薄れ、暗号市場は荒れた2022年を経てようやく転換期を迎えている。
例えばビットコインやNFT、ArbitrumやOptimisumなどのエコシステムが資金支援を受け、香港が暗号資産に柔軟な政策を採用したことでHKコインがブームとなった。しかしながら予想外のインフレ率の上昇や米連邦準備制度理事会(FRB)の量的引き締め政策により、2月末に市場は悪循環に陥った。
3月上旬には、シルバーゲート銀行、SVB、シグネチャー・バンクの米国3銀行の破綻をきっかけに流動性パニックが発生し、規制当局の懸念が生じた。
近年、FRBは過剰な資金印刷を行い、銀行は過剰流動性を背景に大量の米国債を購入した。2022年3月、FRBは積極的な利上げを開始した。
その結果、銀行は資産の大幅な減価に加えて負債に関しても貯蓄の大量流出が発生し、流動性が逼迫した。2023年3月現在では、FRBの累積利上げ幅は450bpに達し国債の利回りは急速に上昇している。
一方、流動性が緩やかな状況で大量に購入された国債は大きく下落し、売却可能証券(AFS)に分類される国債は変動損失を計上した。結局のところ、一部の銀行は暴落に見舞われ最終的には債務超過に陥り破産を申請した。倒産後にFRBと財務省は共同声明を発表している。
国民の信頼を安定させるための努力はしているものの、マクロ環境は決して良い状態ではないことは否定しようがない。
暗号市場もマクロの影響をもろに受けている。そもそも、伝統的な銀行と暗号資産の橋渡し役であるシルバーゲートは多くの暗号機関に銀行サービスを提供しており、その倒産によって暗号企業が銀行サービスを利用することが例外的に難しくなる可能性がある。
このことは市場効率の低さと相まって新たな流動性危機を引き起こす可能性がある。第二に米国の3銀行の没落は、中央集権型と分散型の暗号資産に対する市場の選好に変化を促す可能性がある。
2017年以降ステーブルコインの市場シェアは着実に上昇し、暗号業界では米ドルの使用頻度が低くなっている。暗号資産が中央集権に勝利するという物語が再び脚光を浴びるようになってきているのは事実だろう。
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