- Geminiの管理下にある仮想通貨Gemini dollar(GUSD)
- Gemini dollar(GUSD)はGeminiが発行するUSドルペッグ通貨(ステーブルコイン)ですが、この通貨がGeminiによって管理され、いつでも凍結可能な状態にあるという調査が発表されました。これはブロックチェーンの特徴でもある分散性を欠き、中央集権的な管理にあたるのではないかと物議をかもしています。
- 業界が抱える中央主権的なプロジェクト
- XRPやEOSといった仮想通貨は、それぞれの仕組みにおいて分散性を欠いているとされる部分があり、議論の的になっています。GUSDに関しては、今後のGeminiの声明次第でその未来が決まるでしょう。
Geminiの管理下にある仮想通貨Gemini dollar(GUSD)
規制枠組み内で、正式に登録されたGUSDは仮想通貨の市場の変動に関わらず価格を保てる通貨ですが、このステーブルコインは多くの人に喜ばれると同時に論争も巻き起こしました。
ブロックチェーン研究者のAlex Lebed氏の最新の調査によれば、大手仮想通貨取引所のGeminiは、いつでも好きな時に同取引所のUSDペッグ通貨であるGemini dollar(GUSD)を凍結することが可能と判明し、ブロックチェーンの特徴の一つでもある分散性が損なわれているのではと物議を醸しています。
同氏によれば、GUSDは、ERC20Proxyというスマートコントラクトを採用しており、これによって管理者であるGeminiが48時間に一回、その内容を書き換えることができるようになっているとのことです。
これによって、Geminiは好きな時に全てのトークンを凍結してしまうことができます。
これらの内容は実際にGUSDのコードに記されています。
運営がGUSDをいつでも凍結できるという内容は、これまでウィンクルボス兄弟が繰り返しGUSDのことを「規制され、信頼できる、USドルのデジタルな代替品」と呼んでいたことを考えればそれほど不思議なことでもありません。
しかし、実際にGeminiによってGUSDが管理されているとなると、コミュニティは良い反応を示さないでしょう。
業界が抱える中央主権的なプロジェクト
RippleならびにXRPは、長きにわたり、この通貨と台帳が管理者を持たない分散型のものであると証明するために奮闘しています。
しかしRippleが同ブロックチェーンの承認に関わる一定数のノードを保有し、またXRPを大量に保有していることで、同社は常にこの通貨と台帳を管理しているのではないかという疑いをかけられてきました。
さらには現在、XRPが有価証券に該当するのではないかということもアメリカ証券取引委員会(SEC)によって調査されています。
これは、この議論の結果次第でXRPの価格が上がるようなものではなく、Rippleにとっては喜ばしくない事態と言えるでしょう。
同様に分散性が欠けているのではないかとして議論されているのがEOSです。
EOSでは取引を終了させる権利を持った27のブロックプロデューサーが存在しており、このブロックプロデューサーたちは互いが互いを認識していて、いつでも悪意ある行動にでられるため、EOSは中央集権的であるという見方があるのです。
これに関しては、運営であるECAFから、これがロジカルな理由にもとづいたオペレーションであり、具体的な意図や理由については日を追って説明するとの声明が出されています。
EOSでは、ECAFの臨時仲裁人のSam Sapoznick氏が、ECAFの公式な通知と指示があるまで、特定のアカウントと鍵を無期限停止するようブロックプロデューサーに命じるとした宣言に同意したということもありました。
仮想通貨の熱狂的な支持者や同業界の関係者は、ブロックチェーンの重要な要素を欠いている中央集権的なプロジェクトを好みません。
RippleにEOS、そしていまやGeminiのGUSDも、警戒されることになるでしょう。
GUSDに関しては、より明確な状況を掴むべく、Geminiからのコメントを待つ必要があります。
その内容にGUSDの未来がかかっていると言っても過言ではありません。
Decentralization Ghost begins to Haunt Gemini’ Stable Coin within Days of Launch
September 15, 2018 By Nilesh Maurya
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