CoinPostで今最も読まれています

米SECが仮想通貨プロジェクトSafeMoon告発 投資家資金着服で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SafeMoonを詐欺容疑などで提訴

米証券取引委員会(SEC)は1日、暗号資産(仮想通貨)プロジェクトSafeMoonと、その創設者Kyle Nagy氏、最高経営責任者(CEO)John Karony氏、最高技術責任者(CTO)Thomas Smith氏を告発した。

被告らはSECが有価証券とみなすトークン「SafeMoon」の価格が上昇すると宣伝していたが、プロジェクトの瑕疵も原因となって時価総額が大幅に下落していた。さらに、投資家の資金を私的に流用していたとされる。

関連ビットコインホワイトペーパー公開15周年で SEC委員長が仮想通貨企業に警告 

ニューヨーク東部地区の地裁に提出された訴状によると、Nagy創設者はSafeMoonトークンを販売する際に、トークンが流動性プールに保管されている間は、資金が安全にロック(他に動かさず保管)され、被告らを含む誰にも引き出されることはないと投資家に保証していた。

しかし実際には、流動性プールの大部分はロックされることなく、被告らはそこから数百万ドルを私的に着服し高級車や贅沢な旅行、高級住宅などを購入していたとされる。

さらに、ロックされていないことが発覚したためにトークン価格が暴落した経緯もある。

SafeMoonトークンは、2021年3月から4月にかけて55,000%以上も価格が急騰し、時価総額は一時的に約8,600億円(57億ドル)を超えた。しかし、2021年4月20日にSafeMoonの流動性プールがロックされていないことが発覚して価格は50%近く急落している。

こうした暴落が起こった際、Karony氏とSmith氏は不正に流用した資産を使ってSafeMoonトークンを大量に購入し、その価格を吊り上げる市場操作を行ったとも指摘される。また、Karony氏は、ある取引プラットフォームに開設したアカウントを使ってSafeMoonトークンを売買し、市場が活発であるかのように見せかけたという。

SECは、1933年証券法の登録・詐欺防止規定、1934年証券取引法の詐欺防止規定に違反したとして、被告らを提訴している格好だ。

流動性プールとは

資産の取引を促進するために流動性を提供する、投資家の資金の集まり。

▶️仮想通貨用語集

SEC執行部の仮想通貨・サイバーユニット(CACU)のJorge G. Tenreiro副局長は、次のようにコメントした。

詐欺師が仮想通貨の人気を悪用し天文学的利益を投資家に約束しながら、そのプロジェクトが破綻するようなことが頻繁にある。この分野では、引き続き細心の注意を払うよう投資家に警告する。

米司法省も逮捕・起訴

米司法省も1日、SECが提訴したと同じ被告ら3人を起訴した。

分散型金融(DeFi)を通して投資家を騙したとして、証券詐欺や通信詐欺を行おうとした容疑、マネーロンダリングを行おうとした容疑で訴える格好だ。

司法省の発表によると、Karony氏はユタ州で、Smith氏はニューハンプシャー州ですでに逮捕されている。Nagy氏は現在のところまだ逃亡したままだとされる。

起訴に当たって、米内国歳入庁のThomas M. Fattorusso刑事捜査特別担当官は次のように述べた。

詐欺師が仮想通貨を利用して投資家を欺き、資金を横領するケースが増えている中、当事務所は最前線に立って、詐欺師や彼らが不正に得た利益を捜査する。

私たちは仮想通貨分野に引き続き注力し、この分野で投資家を欺いた者たちを裁いていく。

関連米政府監視機関GAO「SEC仮想通貨会計公報は議会審査対象」SECの越権行為に釘を刺すか

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/29 月曜日
20:00
株式の信用取引とは|現物取引との違いや効果的な投資スタイルを解説
株の信用取引とは、最大約3.3倍のレバレッジをかけられ、売りからも始められる取引です。そのため現物取引に比べて利益の幅が大きく、投資機会が多いです。仮想通貨の分散投資先の候補として考えてみてください。
16:37
GSTの買い方、特徴やSTEPNでの役割を学べる完全ガイド
歩いて稼ぐフィットネスWeb3ゲーム「STEPN」の注目度が再び高まっています。2024年以降に底値から大幅上昇した暗号資産(仮想通貨)GSTの買い方やGMTとの違い、将来性について初心者にもわかりやすく解説しています。
12:54
ブロックチェーンゲーム「Heroes of Mavia」、MAVIAトークンのインフレ抑制へ
Web3ゲーム「Heroes of Mavia」は、イーサリアムベースの独自トークン「MAVIA」のインフレ抑制のため、ロック解除スケジュールを変更した。
12:27
ワールドコイン開発元、OpenAIらとの提携を検討か=報道
仮想通貨ワールドコイン開発企業は、決済大手ペイパルや、アルトマン氏の別事業OpenAIと提携を模索していると伝えられる。
10:00
仮想通貨の「ポイ活」潮流、将来のトークン配布を見越した投資戦略
ポイ活やエアドロップといった、2024年の暗号資産(仮想通貨)市場におけるトレンドを掘り下げる。将来のトークン発行に向けて最大限の報酬を得るため、ソラナやBASEでユーザーの活動量が増加。資本競争が激化している。
04/28 日曜日
11:30
ビットコイン相場は中期的には下降チャネル内での揉み合い続くか|bitbankアナリスト寄稿
ビットコイン半減期を終え1000万円周辺で推移する相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|BTCの半減期完了に高い関心
今週は仮想通貨ビットコインが半減期を迎えたこと、QCP Capitalによる半減期後の相場分析、イーサリアムの証券性などを巡りConsensysが米SECを提訴したことに関する記事が最も関心を集めた。
04/27 土曜日
21:00
OKCoinJapan 5月にオプティミズム(OP)取扱い開始へ
OKCoinJapanが暗号資産(仮想通貨)オプティミズム(OP)の取扱いを開始へ。イーサリアムのレイヤー2ソリューションとして、その技術はCoinbaseが支援するBaseやバイナンスのopBNBの基盤に使用されている。OPのユースケースや今後の展望も言及。
17:20
機関投資家のDeFiリスク管理を強化、Fireblocksの新セキュリティ機能
FireblocksがDeFi製品にdApp ProtectionとTransaction Simulationを追加。リアルタイム脅威検知と安全なトランザクション実現で、機関投資家のオンチェーン活動をサポート。
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安で1ドル158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア