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米決済大手ペイパル、SECから召喚状 ステーブルコインPYUSDめぐり

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SECがPYUSDを調査

米決済大手PayPal(ペイパル)は1日、米証券取引委員会(SEC)に四半期収益報告書を提出。その中で、ステーブルコインPayPal USD(PYUSD)についてSECから召喚状を受け取ったと明らかにしている。

ペイパルは、次のように明記した格好だ。

当社は11月1日、SEC執行部門からPayPal USDに関して召喚状を受け取った。関係書類を提出するよう要請する内容であり、当社は現在SECに協力して対処を進めている。

召喚状(Subpoena)は米SECがその企業を調査していることを示す。企業は、通常の場合、期限内に必要な文書・情報を提出することを義務付けられ、これに応じない場合は法的措置が取られる可能性があるものだ。

PayPal USD(PYUSD)は、ペイパルが8月に立ち上げた独自の米ドル建てステーブルコイン。イーサリアム(ETH)のERC-20規格を用いており、米ドル・米短期国債・現金同等物によって裏付けられている。

世界的な大手企業が発行した初のステーブルコインであり、そのことから今後の影響や規制対応の必要性などに注目が高まっていたところだ。

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ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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ゲンスラー委員長発言

SECのゲイリー・ゲンスラー委員長は10月に、ステーブルコインへの監督強化をすべきだと発言していた。

特にステーブルコインはマネーマーケットファンド(MMF)と多くの類似点があり、それに応じて規制する必要があると主張している。MMFは、米国の投資信託の一種で、投資家の小口資金を集めて短期で運用するものだ。主に国内外の公社債や、米国財務証券その他に投資する。

ゲンスラー氏は、裏付け資産を持たないアルゴリズム型ステーブルコインも含めて仮想通貨の大部分は有価証券とみなされ、従ってSECが監督権限を持つと述べた。

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しかし一部のステーブルコインなど有価証券とはみなされないトークンも存在し、これについては米商品先物取引委員会(CFTC)が権限を持つと指摘。CFTCの規制権限を強化するべきだとも続けた。

CFTCは米ドル建てステーブルコインの発行企業による不正行為を規制する権限があるが、現在のところ取引所に関する規則を設定できるような全体的な権限を持っておらず、これを改善すべきと意見した形だ。

ペイパルのPYUSD立ち上げをめぐっては、米国の議員から党派を超えて、規制する法律の必要性を唱える声が挙がっている。

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普及に苦戦

PYUSD立ち上げは注目を集めている一方、普及には苦戦しており現在の総供給量は約1億5,900万トークンとふるわない状況だ。比較すると、競合のステーブルコインであるテザー社のUSDTは848億トークンという供給量を誇る。

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