デジタル資産への投資商品
米著名投資家キャシー・ウッド氏率いるヘッジファンド「アーク・インベストメント」が、デジタル資産へのエクスポージャーを提供する新しいETFスイート(製品群)を発売することがわかった。
公開された目論見書によれば、同社のパートナー企業であり、スイスを拠点にする大手資産運用企業「21シェアーズ」と進める。今後1週間を目処に取引が始まる予定のこれらETFは5種類(ARKA、ARKZ、ARKC、ARKD、ARKY)で、すべてシカゴ・ボード・オプション取引所(Cboe)で取り扱われる見込みだ。
ここで言うスイートとは、一連の商品やサービスをパッケージ化した製品群のこと。キャシー・ウッド率いるアーク・インベストは21シェアーズと協力して、デジタル資産に特化した複数のETFや投資商品をひとまとめにし、投資家に提供しようとしている。
21シェアーズの情報によると、ビットコインやイーサリアムの先物契約に加え、「ブロックチェーン業界に参入する企業の株式」に投資する商品もラインナップされている。これらは、「ビットコインおよびイーサリアムの先物契約への戦略的な投資とブロックチェーンの実用化を通じて、長期的な資本増加を目指す」という。
アーク・インベストは目論見書において、このETFスイートが仮想通貨への直接的な投資ではないことを明確にしている。同社は、ビットコインの価格変動への直接的なエクスポージャーを求める投資家に対し、別の投資方法を考慮すべきだと提言している。
これらのファンドおよび基盤となるETFは、ビットコインや他のデジタルアセットに直接投資せず、スポットビットコインへの直接エクスポージャーを維持しない。
SECは2017年にビットコイン先物に投資するファンドを承認しているが、現物ETFはまだ承認されていない。アーク・インベストは今年8月に、21シェアーズと共同で「ARK 21Shares Active Ethereum Futures ETF(ARKZ)」等を申請していた。
現物ビットコインETFは審査段階
一方で市場では、フィデリティ、グレースケール、ブラックロックといった大手が提出している現物ビットコインETFの上場承認に向けた期待感が高まっている。8日には、米SEC(証券取引委員会)がグレースケールとの協議を通じ、ビットコインETFへの転換提案を検討中であることが内部関係者の情報提供に基づいて報じられた。
今年8月にはグレースケールが提供するGBTCのETFへの転換申請に関する裁判で、グレースケール側に有利な判断が示された。業界専門家の中には、この判決が今後のETF申請に好影響を与える可能性があるとの意見が出ていた。
現在、ブラックロックやフィデリティなど、複数の金融機関がビットコインETFに関する申請を提出しているが、アークによる申請は最終審査期限が最も近く、24年1月10日前後に予定されている。
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