機関投資家による資金流入を期待
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンのジェニー・ジョンソンCEOは、機関投資家が、ビットコイン現物ETFの次の波を構成するだろうとの見解を述べた。CNBCのインタビューにおける発言だ。
現在のビットコインETFへの資金流入は「第1波」であり、これまでの初期の需要は主に個人投資家によるもので、大手の機関投資家による資金はまだ十分に投入されていないと意見している。
米国で1月に発売された10社のビットコイン現物ETFへの資金流入は、3月のピークからは減少傾向にあるが、6月4日には久々に約8.9億ドル(約1,390億円)の日次流入を記録している。8億ドルを超えたのは3月13日以来のことだ。
ジョンソン氏は、機関投資家やファンドマネージャーが暗号資産(仮想通貨)とその基盤技術の取り扱いに慣れてくるにつれて、彼らの関心は高まり続けるだろうと述べている。
これまですでに、いくつかの大手資産運用会社や機関投資家がビットコイン現物ETFを購入している。大手ヘッジファンドのミレニアム・マネジメント、投資銀行モルガン・スタンレー、ウィスコンシン州年金基金などがその例だ。
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Finboldは6月2日に取得したデータを参照し、ETFの週間取引量合計120億ドルは、仮想通貨取引所におけるビットコインの現物取引量と同等であり、「ビットコイン現物よりもビットコインETF取引への関心が高まっている」ことが示唆されると分析している。
ビットコイン現物を自己保管する手間を省くことが可能で、厳格な規制下で取引できるビットコインETFは機関投資家にとって魅力的な側面を持っている。
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ビットコインETFとは
ビットコインを投資対象に含んだ上場投資信託(Exchange Traded Fund)のこと。投資信託とは、投資家から集めたお金を1つの資金としてまとめ、株式や債券などに投資して運用される金融商品。運用成果が投資家それぞれの投資額に応じて分配される仕組みになっている。投資信託の中でもETFは証券取引所に上場しているため、株式と同様に売買ができる。
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NFTなどが切り開く可能性
フランクリン・テンプルトンのジョンソンCEOは、NFT(非代替性トークン)など、仮想通貨関連技術の新たな用途にも注目していると話した。有形資産やデジタル財産権に新たな価値を付与し、流動性を広げる可能性があると指摘している。
ジョンソン氏は、具体的な事例としては著名シンガーソングライターのリアーナ氏が、2023年に大ヒット曲「Bitch better have my money」の著作権を300個のNFTとして販売したことに触れた。
このNFTは一つ210ドルで販売され、各保有者は、同曲のストリーミング著作権料の0.0033%を所有することになる。この曲がストリーミング再生されたときにロイヤルティの一部を受け取ることができる形だ。
NFTには様々な用途に応用できる可能性があり、最近では車のサブスクリプション(フルサービスのカーリース)を展開する株式会社KINTOが、安全運転の証明書をNFTで発行する実証実験を発表している。
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