はじめての仮想通貨
TOP 新着一覧 チャート 学習-運用 WebX
CoinPostで今最も読まれています

政府が長年保有するゴールド準備金は今でも実在するのか? イーロンマスクが監査を示唆 

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

保管された金は実在するのか

政府効率化省(DOGE)を率いて、米政府機関の無駄な支出と人員削減に、容赦無くナタを振るっているイーロン・マスク氏の次のターゲットは、政府が保有する金(ゴールド)の監査となる可能性が高まっている。

フォートノックスの金を探している。

マスク氏は、ケンタッキー州のフォートノックス地金保管所の金が、実際に存在するのかを疑問視するミームを投稿。「この金はアメリカ国民の資産だ。まだそこにあればいいが。」と述べた。

Xユーザー「zerohedge」が、フォートノックスに保管された金の監査は、国家安全保障上の理由で50年前に行われたきりであり、マスク氏に内部を視察して、4,580トンの金があるかどうか確認して欲しいと投稿。

「少なくとも毎年確認されているのでは?」とマスク氏が尋ねると、ケンタッキー州選出のランド・ポール上院議員は、「そうではない。ぜひやってみよう!」と答えた。

ランド・ポール議員の父で元下院議員のロン・ポール氏(共和党、テキサス州)は、フォートノックスの公式発表に懐疑的で、長年、金の監査を行うよう活動してきた人物だ。

ランド・ポール氏自身も10年越しで、米政府による金保有について検証してきており、米メディアFoxに出演した同氏は、この政府の膨大な準備金について、透明性を高める必要性を訴えた。

常に監査を行う必要はないと考える人もいると思うが、より多くの光が当たるほど、透明性が高まるほど良いと思う。また、金が依然として価値を持ち、明示的ではないが暗黙のうちに、金が依然としてドルに価値を与えているという事実に注目が集まる。

ポール議員は、IMFや世界銀行をはじめ、世界のほとんどの中央銀行が金を保有していると指摘。金の保有により、法定通貨に何らかの裏付けがあるという「暗黙の信頼」が担保されていると主張した。

包括的な監査

州および連邦の通貨立法に焦点を当てた公的擁護団体、サウンドマネー防衛連盟によると、フォートノックスに保管されている金に対する包括的な監査は、1950年代以降行われていないという。

金が略奪されたとのクレームを受けて、1974年に初めてこの施設が視察のために公開され、議員代表団とジャーナリストの立ち入りが許可された。また、同時に部分的な監査も行われた。

その後、前トランプ政権下の2017年に金庫が再び公開され、当時のスティーブ・ムニューシン財務長官が視察を行い、金塊を確認した。

米国造幣局によると、実際の金庫には少なくとも1億4,730万トロイオンス(4,580トン)相当の金が保管されている。これは財務省の金準備高の約半分にあたる。

政府はフォートノックスの金の簿価を1トロイオンスあたり42.22ドルと評価しており、合計で約62億ドル相当(9,414億円)となる。しかし、この金額は非常に過小評価されたものだ。昨今の金価格の高騰により、現在1トロイオンスあたり2,900ドル付近で取引されているため、時価で計算すると4,717億ドル(71.6兆円)相当に匹敵する資産となる。

一方、実際に金の「監査」を行うとなると、各金塊の重量と純度を評価する徹底的な検査により、公式記録と照合するという途方もない作業が必要となる。そのため、検査と集計による書類の審査が定期的に行われているのが実情のようだ。

ビットコインが解決する

マスク氏の投稿に対し、米ストラテジー社(旧マイクロストラテジー)のマイケル・セイラー会長は、「ビットコインが問題を解決する」と返した。

包括的な監査が行われていないフォートノックスの金塊は長年、すでに紛失しているとか、タングステンの偽物にすり替えられているなどさまざまな憶測を呼んできた。

また、世界の中央銀行が保有する金についても、イングランド銀行で保管されている金に偽物が混入している疑惑が、オーストラリア準備銀行銀行の内部書類から明らかになったと指摘する声も聞かれる。

これに対し、ビットコインは、情報の改ざんができないブロックチェーンの仕組みによって信頼が担保されており、分散化されたネットワークに保存されたデータは、世界中の不特定多数の人々により精査や監査が可能だ。

弁護士で投資銀行家のジェームズ・リッカーズ氏は、フォートノックスの監査を行うことは、政府の信頼回復に役立つが、マスク氏が率いるDOGEが監査を行うことで、「厄介な問題を引き起こす可能性がある」と指摘している。

同氏は、政府の金保有量自体については疑う理由はないが、物理的に存在するよりも多くの金がリースされているという「少数の専門家しか理解していない問題」が明らかになることは、政府が絶対に認めたくないことだと述べた。

今後マスク氏とDOGEに対し、フォートノックスへのアクセスが許可され、監査が実施された場合、どれほどの新たな事実が明らかになっていくのか、今後の動きに注目したい。

CoinPost App DL
厳選・注目記事
注目・速報 市況・解説 動画解説 新着一覧
11/25 火曜日
06:50
金融庁、仮想通貨交換業者の責任準備金積立を義務化へ
金融庁は仮想通貨交換業者に対し、不正流出などの事案に備えて責任準備金の積み立てを義務付けることがわかった。金商法適用の議論が進む中、投資家保護を強化する。
11/24 月曜日
17:50
ブラックロック、ビットコイン投資の本質は「デジタルゴールド」 機関投資家が重視する“真の価値”とは?
世界最大の資産運用会社ブラックロックのデジタル資産部門責任者が、機関投資家がビットコインに投資する理由を解説した。「デジタルゴールド」としての価値保存機能が重視される一方、決済手段としての利用は依然投機的との見方を示した。
11:47
ソラナのインフレ率を下げる改善提案 今後6年で2,230万SOLの発行量削減見込む
仮想通貨ソラナのコミュニティがインフレ減少率を引き上げる改善提案を公開した。目標インフレ率への到達が6年から3年に短縮する見込みだ。
10:25
「仮想通貨市場の弱体化、背景にマーケットメーカーの機能不全」トム・リーが指摘
ビットマイン会長が仮想通貨市場の下落が続いている要因を分析した。10月10日の清算イベントがマーケットメーカーを機能不全にしていると見解を示している。
11/23 日曜日
14:00
今週の主要仮想通貨材料まとめ、ヴィタリック紹介のイーサリアム新ツールやXRPのステーキング導入案など
前週比で振り返る仮想通貨市場の最新動向。ビットコインやイーサリアム、XRP、ソラナなど主要銘柄の騰落率や注目材料を一挙紹介。市場トレンドと関連ニュースを詳しく解説する。
11:30
ビットコイン売られ過ぎでも反転せず、12月FOMCの据え置きが現実味を増す|bitbankアナリスト寄稿
今週のBTC対円相場は1400万円割れまで下落。ヌビディア好決算後も1400万円割れが続き、米雇用統計の強弱まちまちな内容が見通し悪化を助長。12月FOMCでの金利据え置き観測が強まる。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|金融庁の暗号資産規制方針に高い関心
今週は、金融庁の仮想通貨規制方針、ビットコイン採掘割合の95%到達、ビットコインとイーサリアムの市況分析に関する記事が関心を集めた。
11/22 土曜日
13:45
ANAPホールディングス、企業向けビットコイン戦略支援「ビットコイン道場」を開始
ANAPホールディングスが企業のビットコイン活用を支援する継続型プログラム「ANAPビットコイン道場」の提供を開始した。会計や税務などの実務を専門家が包括的にサポートし、参加企業がコミュニティ形式で課題解決に取り組む仕組みを提供する。
13:02
コンヴァノがビットコイン戦略から本業回帰、AI・ヘルスケア事業に注力へ
コンヴァノが仮想通貨ビットコインを最大約2万BTC取得する計画を取り下げ、成長中の事業へ軸足を移す。業績予想を上方修正しており本業成長を重視する戦略転換となる。
10:55
米当局がビットメイン製品を国家安全保障リスクで調査、トランプ関連企業も1万6000台使用
米国土安全保障省が中国メーカーのビットメインを調査し、機器がスパイ活動や電力網破壊に使用される可能性を指摘。トランプ大統領の息子たちの会社アメリカン・ビットコインも1万6000台を購入した。
10:05
コインベース、ソラナのミームコイン取引所「ベクター」を買収
コインベースがソラナ基盤SocialFiプラットフォーム「ベクター・ファン」を買収すると発表した。年内に取引完了予定で、ソラナエコシステムへの参入を拡大し、すべてを取引できる取引所の構築を目指す。
09:35
ベセント米財務長官、ビットコインバーにサプライズ訪問 仮想通貨業界への影響は
スコット・ベセント米財務長官がビットコインバー「Pubkey DC」を訪問し、仮想通貨コミュニティで話題になっている。業界関係者の反応と今後の影響を解説する。
08:54
ビットコインの買い方、取引所選びの完全ガイド
ビットコインの買い方(始め方)を徹底解説。SBI VCトレード・bitbank・Coincheckなど主要取引所を比較し、安全な購入方法や投資メリットを初心者向けに解説します。最適な取引所選びで失敗しないコツも紹介
08:25
NYSEがグレースケールのXRPとドージコインETF承認、25日上場予定
NYSEがグレースケールのドージコインとXRP ETFの上場を承認し、11月25日に取引を開始する。今週はビットワイズのXRP ETFやフィデリティのソラナETFも上場し、アルトコインETF市場が急拡大している。
07:45
「仮想通貨財務企業などの上場後の事業の大幅変更について対応を考える必要」JPXのCEO
日本取引所グループの山道CEOは、ビットコインなどを保有する仮想通貨財務企業への規制強化は現時点では検討していないと説明。一方で、事業の大幅変更については対応を考える必要があるとも述べている。
通貨データ
グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア
重要指標
一覧
新着指標
一覧