
グーグルも独自のL1チェーンを開発
グーグル戦略責任者のリッチ・ウィドマン氏がリンクトイン上で、グーグルが独自のL1ブロックチェーン「GCUL(グーグル・クラウド・ユニバーサル・レジャー)」を開発中であることを明らかにした。このチェーンはパイソン基盤のスマートコントラクトを特徴とし、金融機関向けの中立的インフラとして設計されている。
GCULはグーグルの長年のR&Dを結集し、金融機関に高性能で信頼性の高いレイヤー1を提供することを目的としている。CMEグループなどの機関がこのユニバーサル・レジャーを活用し、世界最大の商品取引所でのトークン化と決済の探索を進めている。
現在GCULはプライベートテストネット段階にあり、グーグル規模のネットワーク効果により数十億のユーザーと数百の機関パートナーへの展開を計画している。同社は今後数か月で技術的詳細をさらに公開予定としている。
ウィドマン氏はGCULの中立性について「テザー(USDT)はサークルのブロックチェーンを使わず、アディエン(決済プラットフォーム)もストライプのブロックチェーンを使わないだろうが、いかなる金融機関もGCULで構築可能だ」と説明した。これにより他社のステーブルコインや決済企業との競合を避けながら、広範囲な採用を目指しているとした。

同様の動きとして、ステーブルコインUSDC発行のサークルが先日独自L1ブロックチェーン「アーク」を発表した。アークはイーサリアム仮想マシンと互換性を持ち、USDCをネイティブガスとして使用し1秒未満での最終確認を実現する。今秋にパブリックテストネットをローンチ予定だ。
また、フィンテック大手ストライプも決済最適化ブロックチェーン「テンポ」を開発中で、数百万の商取引先と14兆ドルのTPV(総決済額)を持つ既存の流通網を活用する。これらの企業による独自チェーン開発は、金融サービス分野でのブロックチェーン活用拡大を示している。
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