Gensyn、オープンなAI検証市場「Delphi」をリリース

Delphiは、モデル評価に関する予測市場です。最高のモデルが様々なベンチマークで競い合う様子を観察して、あなたが最も優れていると思うモデルに賭けることができます。

Delphiの初公開について

本日、Gensynは機械知能（Machine Intelligence）のためのオープンで検証可能な市場Delphiを初公開します。

Delphiでは、機械学習モデルがベンチマーク上で競い合う様子を観察して、あなたが最高だと思うモデルへのステーク（賭け）を購入できます。これによって、モデル性能に関する業界初のライブ市場シグナルが誕生することになります。

取引の成立につれて、各モデルの価格は変動します。モデルは評価基準に基づいて系統的に評価されて、モデル知能のインデックスが生成されます。全ラウンドが完了すると市場は決済されて、勝者に賭けていた参加者は報酬を獲得できます。

これは、オープンソースAIの開発を推進する好循環（フライホイール）を生み出す仕組みです。

最初の市場「Gensyn Middleweight General Reasoning Benchmark」にはこちらから参加できます。Delphi v1では、ユーザーはトップのオープンソースモデルが評価を受けている間にそれぞれのポジションを取引できます。近い将来、あなた自身も独自の市場を作成して、自身のモデルで競うことができるようになります。

これの仕組みはすべて、Gensynの分散型検証可能な機械学習インフラストラクチャによって保護されます。

モデルへのステークの購入

ユーザーは、どのモデルに対してもステークを購入することで参加できます。

• 登録されているモデルのリストを閲覧
• 得られた情報から、勝利すると信じるモデルのステークを購入
• 価格が調整される中で、いつでも参加したり、ポジションを終了可能
• 最終的な決済時に、支持したモデルが勝利した場合、報酬を獲得できます

流動性と価格設定

Delphiは、完全にオンチェーンの対称型 LMSR（対数マーケットメイキングスコアリングルール）を使用して、各市場全体で継続的な流動性を提供します。これは、このようなシステムの数少ないライブ実装の一つで、ユーザーがカウンターパーティ（取引相手）を待つことなく、いつでもスムーズにポジションに参加/退出することを可能にします。

これによって、市場は最初の取引から最終決済まで、完全に透明でオンチェーンの価格設定メカニズムを使用して随時更新されます。

市場の作成（近日公開予定）

今後リリースされるバージョンでは、ユーザーが市場クリエイター（Market Creator）の役割を担って、独自のライブ市場の評価基準や、参加資格を持つモデルを定義できるようになります。

市場が面白ければ面白いほど、多くの人々が参加するようになり、各オープンソースモデルに関する興味深いベンチマークや環境のライブランキングが提供されます。

市場に発生する収益は市場クリエイターと共有されます。これによって、機械学習が解決すべき新しいベンチマーク、環境、問題を生み出すインセンティブとなります。

モデルの参加（近日公開予定）

モデル参加者は、オープンソースモデルと、特定のデータセット向けに考案されたシステムプロンプトを入力します。

• 参加させたいモデルを選択
• 関連するタスク向けに考案されたシステムプロンプトを記述
• 各評価ラウンドが公開されるにつれて結果を監視します。いつでもポジションを維持、終了、追加できます
• 決済時にあなたのモデルが評価に勝利した場合、報酬を獲得できます

モデルはどこからでも参加できますが、最も強力なモデルは「Signal（シグナル）、Scale（スケール）、Eval（評価）」からなるフライホイールを通じて、Gensynネットワーク上でパーミッションレスに訓練されたものになります。

このように（Gensynで）トレーニングされたAIモデルは、その開発に使われたすべての計算資源やデータがどこから来たのかを記録し続けます。これによって、最初から最後まで、または大規模になっても、完全に透明で公正な、本当の意味での分散型AI（どこか一箇所に管理者がいないAI）が実現することができます。

検証可能な評価システム「Verde（ヴェルデ）」を間もなく導入

Delphiシステムにおける役割の分散化を支えるのは、Gensynが開発した「検証可能ランタイム（Verifiable Runtime）」です。これには、独自のコンパイラとビット単位で再現可能なCUDAカーネルが含まれます。

モデルの評価は、このランタイム内で実行されて、Gensynが誇る機械学習検証システム「Verde」によって保護されます。これによって、誰でも評価の正しさを検証できるようになり、信頼の必要な仲介者に頼ることなく、市場がモデルのパフォーマンスを正確に反映することが保証されます。

まずはお試しください

Delphiは本日から、Gensynテストネットで稼働をはじめています。今後、数週間にわたって、さまざまなAI能力をカバーする追加のドメインと、長期の市場へと拡大する予定です。

また、Vaultステーキングが導入されることで、流動性を提供したり、モデルのバスケットやモデルファミリーにステークを購入したりすることが可能になります。

サービスが本格稼働（メインネット移行）に近づくと、Delphiで使われるトークンは、テスト用のものから実際のお金と同じ価値を持つものに変わります。これによって、AIの能力を評価するための、誰でも参加でき、信用できる公正な市場が誕生します。

Ben Fielding 共同創業者 兼 CEO コメント

「Delphiは、機械知能市場へのオープンなアクセスを提供します。市場参加者は、OpenAIなどの非公開企業に投資する代わりに、Gensynの革新技術によって検証された信頼性の高いオンチェーン評価を通じて、オープンソースモデルを直接支援できます。マーケティング上のAGI（汎用人工知能）への言及や誇大宣伝ではなく、真の技術的進歩にコミットすることができるのです。」

Harry Grieve 共同創業者 兼 CTO コメント

「AIによる活動が、経済のより大きな部分を占めるようになるにつれて、私たちはAIの能力を拡張すると同時に、その能力を信頼する必要があります。Gensynの技術的基盤（プリミティブ）がそれを可能にして、Delphiがそれを実証するのです。」

Gensyn について

Gensynは、人間知能と並行して機械知能が発展するために必要なリソース（資源）をネットワークで繋ぎ合わせる分散型プロトコルです。これによって、世界中にぞんざいするあらゆるデバイスで機械学習（ML）タスクを実行するための、検証可能なニュースタンダードを提供します。

Gensynは、「シグナル」「スケール」「評価」からなる3つの製品の垂直統合によって機械学習のライフサイクルを形成し、オープンなAI経済の基盤となることを目的としています。このエコシステムは、実際の利用、共同トレーニング、信頼できる検証によって推進・発展していきます。

共同創業者 経歴

Ben Fielding（共同創業者 兼 CEO）

BenはGensynの共同創業者兼CEOです。Benは、群知能アルゴリズムを使用した深層ニューラルネットワーク構造の進化的最適化に焦点を当てたコンピューターサイエンスの博士号（Ph.D.）を持っています。以前は、データプライバシーと主権に関するスタートアップを共同設立した経歴があります。

Harry Grieve（共同創業者 兼 CTO）

HarryはGensynの共同創業者兼CTOです。Harryのバックグラウンドは、応用機械学習と計量経済学に及びます、過去には、災害リスク予測システム構築に焦点を当てたデータリサーチチームを率いた経歴があります。

Gensyn 各種リンク：Webサイト / X / Discord

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