- SEC委員長がACT戦略の1年の進捗を説明
- 原油先物・予測市場の不審取引を当局が調査中
仮想通貨の不透明な規制から脱却
米証券取引委員会(SEC)のポール・アトキンス委員長は20日、CNBCの番組に出演し、就任からの1年を振り返った。暗号資産(仮想通貨)などに関して従来の不透明な体制から脱却し、大きな進展があったと話している。
具体的には、前進(Advance)、明確化(Clarify)、変革(Transform)からなる「ACT戦略」を推進していると述べた。
「前進」とはアプローチの近代化のことであり、革新的な技術を拒絶するのではなく受け入れ、国外に脱出した起業家などを米国に呼び戻すことを目指すとしている。
また、「明確化」は、規制を明確化することだ。この一年で米商品先物取引委員会(CFTC)と協力して、トークン化証券とコモディティ(商品)としてのデジタル資産の分類を明確にするなど進展があった。
「変革」は、ルールブックを本来の目的に適合させ、IPO(新規株式公開)を再び活性化させることに焦点を当てたものだ。
IPOに関してアトキンス氏は、過去30年で上場企業数は半減し、多くがプライベート市場に移ったと指摘。現在上場を検討している企業は非常に大規模なものが多いが、もっと設立から日が浅い企業も上場できるようにしたいと述べた。
インタビュアーは、イーロン・マスク氏率いるスペースXが上場した場合、ナスダックが指数「QQQ」にすぐに組み入れる可能性があると指摘。そうなった場合、指数への投資家が自動的に株を買うことになる。これに関してどう思うかと質問した。
アトキンス氏は、市場には競争があり、十分な情報開示があるのならば、指数の構成については市場が決めるべきだと答えている。
関連記事:IPO準備中のスペースX、2025年に50億ドルの赤字 買収したxAIの設備投資が主因か=報道
イーロン・マスク率いるスペースXが2025年に約50億ドルの赤字を計上したと伝えられる。評価額1兆7500億ドルのIPOへの影響も注目される。
インサイダー取引や予測市場の問題
インタビュアーは、ドナルド・トランプ大統領の発言により市場が動き、その発言が行われる前に関連したインサイダー取引が行われているように見えるケースがあると指摘した。さらに、政権関係者を調査する可能性についてもアトキンス氏に尋ねた。
アトキンス氏は、個別の詳細は話せないものの、そうした取引や予測市場については調査していると述べる。予測市場の契約は追跡することが可能で、「司法省、CFTC、SECが連携して注視」しているとした。
特に最近はトランプ大統領がイランへの攻撃一時停止を発表する約15分前に、7億6,000万ドル超の原油先物契約が2分足らずで取引された例が問題視されている。
予測市場大手のポリマーケット(Polymarket)では、3つのアカウントがイランとの停戦発表のタイミングを正確に予測し、合計60万ドル超の利益を得た。ホワイトハウスも、こうした事例を受けてスタッフにインサイダー取引について警告を発している。
関連記事:ホワイトハウス、職員にインサイダー取引を警告 イラン停戦前の不審取引が発端=報道
ホワイトハウスがイラン停戦前の原油先物や予測市場での不審取引を受け、機密情報を利用したインサイダー取引を禁じる内部通達を全職員に発出した。
アトキンス氏は、予測市場における一部の契約がスポーツ賭博であるとして各州が提訴していることについては、司法の判断を待ちたいと述べた。予測市場における契約の大部分はCFTCの管轄に当たるとも指摘している。
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