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アーベのUSDCプール流動性が逼迫、サークルのチーフエコノミストが金利引き上げを提案

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • アーベのUSDCプール、4日超にわたり利用率99%超で流動性が逼迫
  • Slope 2を10%→50%に引き上げる緊急提案を提出

利用率99%超が4日継続

分散型レンディングプロトコルのアーベ(Aave)は22日、ガバナンスフォーラムにてAave v3イーサリアム・コアプール上のUSDCに関するパラメータ改定提案(ARFC)を公開した。

提案者はサークル(Circle)社のチーフエコノミスト兼リサーチ責任者であるゴードン・リャオ(Gordon Liao)氏で、USDCの利用率が少なくとも4日間にわたってほぼ100%(99.87%)に張り付いており、変動借入金利が上限付近の約14%で頭打ちになったまま市場の清算機能が失われていると指摘した。

関連記事:Kelp DAOハッキングで揺れるDeFi業界、責任の所在から国家レベルの脅威まで議論噴出

Kelp DAOが攻撃を受け446億円相当が不正流出、他のDeFiプロトコルにも問題が波及した。北朝鮮グループの関与が疑われる中、業界でセキュリティをめぐり議論が巻き起こっている。

提案時点でのプールデータによると、総供給額・総借入額ともに約18.9億ドルに達する一方、引き出し可能な流動性残高は300万ドル未満まで縮小している。過去24時間で供給額は約6,000万ドル減少したが、返済と出金が同額で相殺されており、新規の借入・預入はほとんど発生していない状態だ。プールは縮小しているが、デレバレッジ(レバレッジ解消)は進んでいない。

提案の核心は、金利カーブのスロープ2(Slope 2)を現行の約10%から段階的に50%まで引き上げ、最適利用率(U*)を92%から85%へ引き下げることにある。まず即日のリスクスチュワード権限による暫定措置(Slope 2を40%、U*を87%)を実施し、その後5〜7日以内に正式なガバナンス投票で最終目標値へ移行する2段階のロードマップが示されている。

金利上限が引き上げられれば、USDCプールへの新規資金流入が促進され、利用率が自然に適正水準へ回帰する効果が期待される。

KelpDAOハッカー、資金をBTCへ転換

今回の流動性逼迫の背景には、4月18日に発生したKelpDAO(ケルプDAO)のrsETHブリッジへの攻撃がある。攻撃者はレイヤーゼロ(LayerZero)のクロスチェーンメッセージング層を悪用して116,500rsETHを詐取し、そのrsETHをアーベ上の担保として借入に利用した。

事後72時間で約3億ドルの借入が急増し、正常な出口手段を失ったユーザーが金利に無関係に自身の担保を使って借入を続ける「流動性抽出」行動が発生したと分析されている。

また、リスクオラクルを提供していたカオスラボス(Chaos Labs)が4月6日にアーベとの契約終了を発表したことで、Slope 2の自動調整機能のサポートが停止しており、今回の提案ではUSDC向けオラクルの一時停止も求めている。

関連記事:アービトラム、KelpDAO不正流出に関連する約103億円相当のETHを緊急凍結

アービトラムのセキュリティカウンシルがKelp DAOエクスプロイトに関連する30,766 ETH(約103億円相当)を緊急凍結。法執行機関と連携し攻撃者の身元を確認後、資金を中間ウォレットへ移送した。

KelpDAOエクスプロイトの攻撃者による資金移動の状況も明らかになってきた。オンチェーン分析アカウントの@EmberCNによると、攻撃者はArbitrumセキュリティカウンシルが30,766ETH(約7,100万ドル)を凍結した後、イーサリアム上に残っていた75,701ETH(約1億7,500万ドル)を3つのウォレットに分散させ、主にソーチェーン(THORChain)プロトコルを通じてBTCへのクロスチェーン交換を開始。

4月22日時点で約34,500ETH(約8,000万ドル)相当の洗浄が確認されている。THORChainの過去24時間の取引量は通常の日次平均約1,000〜3,500万ドルから約3億9,400万ドルへ急増し、手数料収入も約45万6,000ドルに達したとされる。

 
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