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ブラックロック、トークン化MMF関連商品2件をSECに申請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • ステーブルコイン投資家向けに米国債連動の利回り商品を提供
  • RWAトークン化戦略をBUIDLに続きさらに加速

ステーブルコイン投資家向けのトークン化商品

米資産運用大手ブラックロック(BlackRock)が8日、ステーブルコイン保有者や暗号資産(仮想通貨)投資家層を主な対象とした、オンチェーン対応のマネー・マーケット・ファンド(MMF)関連商品2件を米証券取引委員会(SEC)に提出したことが明らかになった。

申請されたファンドの一つは、既存の「ブラックロック米国債ベース流動性ファンド(BlackRock Select Treasury Based Liquidity Fund / BSTBL)」に、新たにブロックチェーン上で発行・管理されるデジタルシェアクラス(OnChain shares)を新設するもの。

BSTBLは約61億ドル規模の流動性ファンドで、主に以下の資産へ投資する。

  • 現金
  • 米国財務省短期証券(T-Bills / Notes)
  • 償還期間93日以下の短期証券
  • 米国債担保のレポ取引

申請が承認された場合、BSTBLに連動するデジタル株式が新たに発行され、既存の従来型シェアクラスと並行して運用される見込みだ。

オンチェーン株式は イーサリアム上で発行され、ERC-20互換の仕組みを採用する。

申請書によると、ファンドの移管代理人(Transfer Agent)を務める BNY Mellonの投資サービス部門が、オンチェーン株式の所有権記録を管理する。ただし、ブロックチェーン上のウォレットアドレスだけでは投資家本人を特定できないため、ウォレットアドレスと投資家情報を紐付けるオフチェーンの本人確認(KYC)システムも並行して運用される。

ブロックチェーン上の記録と、オフチェーンの本人確認・株主情報を統合する形で、公式株主台帳を構築する仕組みとなる。

新設ファンド「BRSRV」

もう一つの申請商品は、「ブラックロック日次再投資型ステーブルコイン準備ファンド(BlackRock Daily Reinvestment Stablecoin Reserve Vehicle / BRSRV)」。こちらは新設されるトークン化流動性ファンドで、複数のパブリックブロックチェーンに接続された許可型システムを通じてオンチェーン株式を発行する。

投資対象は、現金、短期米国債、米国債担保の翌日物レポなどで、この商品の提供は、KYC審査を完了した認可済み投資家に限定される見通しだ。

BRSRVの公式な所有権記録は、デジタル証券関連サービスを提供するSecuritize 傘下のSecuritize Transfer Agent LLC が管理し、ウォレットと投資家IDを関連付けるオフチェーン記録を保持する。

最低投資額は300万ドルで、機関投資家向け商品として設計されている。

なお、申請書では、BRSRVが初期対応するブロックチェーンは明示されていない。

両ファンドは、ステーブルコインで資産を保有する投資家が、規制準拠型の安全資産で利回りを獲得できるように設計されている。従来の銀行口座ではなく、ウォレット中心の資金管理を行う投資家層を明確にターゲットとした点が、本商品の特徴となっている。

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実物資産のトークン化拡大

ブラックロックは2024年、デジタル証券の発行・管理を手がける米Securitize社と共同で機関投資家向けのデジタル流動性ファンド「BUIDL(BlackRock USD Institutional Digital Liquidity Fund)」を立ち上げた。

BUIDLは現在、運用残高約24億ドル規模にまで成長し、DeFi市場での担保やレバレッジ取引にも活用されている。同ファンドは、伝統金融資産をオンチェーンで流通可能にする「RWA(Real-World Assets:実物資産トークン化)」市場における代表的な成功事例と位置付けられている。

今回の申請は、BUIDLの成功を踏まえたトークン化商品のスケール拡大と商品多角化の一環とみられる。

ブラックロックのラリー・フィンク最高経営責任者(CEO)は、トークン化を「金融インフラの近代化」と位置づけ、繰り返し支持を表明してきた。

rwa.xyzのデータによると、RWA市場は急拡大しており、300億ドルを超える規模となっている。ボストン・コンサルティング・グループとリップルの共同予測では、その市場規模は2033年までに18.9兆ドルに達する可能性があると試算されている。

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