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グレースケール「ビットコイン底値形成には新たな買い手が必要」

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

この記事のポイント
  • グレースケール「分散保有への移行がBTC回復の条件」
  • 優先株STRC額面割れでATM増資が一時停止、買戻し難航

BTC急落の構図

グレースケール・リサーチは4日、ストラテジーによる32BTCのビットコイン売却が今回の市場変動の一因となったとするレポートを公表した。ストラテジーは6月1日付でSECに提出した8-K書類で、5月26〜31日の間に32BTCのビットコインを売却したことを開示した。

ビットコインは6月4日昼頃に約3カ月ぶりに1,000万円を割り込み、執筆時点では約62,000ドル前後で推移している。前日比約2.5%安、週次では約15.2%安だ。SoSoValueのデータによると、米国のビットコイン現物ETFは5月15日から6月3日まで13営業日連続の純流出を記録し、累計流出額は約43.7億ドルに達した。

下落要因は複数重なっていた。仮想通貨アナリストの仮想NISHIは、経営破綻したマウントゴックスが新たなウォレットへ約1万306BTCのビットコイン(約7.3億ドル)を送金し、さらにBitstamp向けに116.3BTCのビットコイン(約732.7万ドル)を移動したことも下押し要因として挙げ、債権者への返済・売却につながるとの警戒感が広がったと分析した。

また、米国で審議が進むクラリティー法案の先行きへの不透明感や、史上最大規模のIPOとなる可能性が指摘されるスペースXの上場観測を受けた資金ローテーションへの懸念も相場の重荷となっている。

解説記事:大型IPOでビットコインが下がる理由|資金捻出売りの仕組みと過去事例【2026年】

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セイラー会長「資本のローテーション」

ストラテジー創業者のマイケル・セイラー会長は4日、Xへの投稿でビットコイン現物ETFが5月14日以降に約40億ドルの純流出を記録したことについて、「ビットコインへの信頼が失われたわけではなく資本のローテーションだ」と指摘した。AI関連の投資資金調達が過去6カ月で約4,000億ドルに達する史上最大規模の流れを背景に挙げ、「ボラティリティは機会を生む」と述べた。

グレースケール・リサーチは、売却された32BTCの量自体は「些細」とした上で、ストラテジーが約84万BTC(約520億ドル相当)を保有する世界最大のデジタル資産トレジャリー企業であることを踏まえ、市場心理への影響の大きさを指摘した。

その上で、レバレッジ型のデジタル資産トレジャリー企業への保有集中から多様な企業バランスシートへの分散移行が長期的にプラスになるとの見解を示した。

ただし、持続可能な底値を形成するには他の買い手が参入する必要があるとも指摘した。

関連記事:マイケル・セイラー「ビットコイン急落の原因は資本ローテーション」 市場の見通しは?

セイラー会長がビットコイン下落をAI投資ブームによる資本移動と位置づけ、「ボラティリティは機会を生む」と強調した発言の詳細と、市場各所の反応をまとめた。

STRC額面割れが焦点

グレースケール・リサーチが特に問題視するのは、ストラテジーの変動配当型優先株STRCの動向だ。STRCは額面100ドルを上回る水準で取引される際に時価発行増資(ATM増資)で新規発行し、調達資金でビットコインを購入するスキームを取る。レポート公開時点でSTRCは95.6ドルと額面比4.36%ディスカウントで推移しており、ATM増資は「一時停止」の状態となっている。

STRC水準

出典:グレースケール・リサーチ

仮想通貨投資家のThe Wolf Of All Streetsは昨日、「額面割れは優先株として通常の動作であり、何かが壊れている証拠ではない」と指摘した。一方でグレースケール・リサーチは、歴史的に純買い手だったストラテジーが現在の株価水準では追加のビットコイン購入余地が限られていると分析した。

ビットコイン現物ETFは4日に純流入へ転じ、300万ドルを記録した。13営業日連続の純流出に終止符を打った形だ。

スタンダードチャータード銀行のデジタル資産調査グローバル責任者ジェフリー・ケンドリック氏は同日、ビットコインが底値圏に近いとするクライアント向けノートを発表し、ストラテジーが前回2022年12月に704BTCのビットコインを売却した2日後に810BTCのビットコインを買い戻した事例を踏まえ、今回は約320BTCのビットコイン(前回の10倍)または約3,200BTCのビットコイン(同100倍)規模の買戻しが実行されると予想した。

同氏は「ストラテジーによる買戻しが確認されれば、底値が形成されたことを示す暫定的なシグナルになる」と述べた。

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