CoinPostで今最も読まれています

英金融当局、仮想通貨におけるAML・CTF監督者に 欧州5AMLDに準拠

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

英FCAの取り締まり役割

イギリス(UK)におけるマネーロンダリング防止及びテロ資金対策法であるMLRs法の下、日本の金融庁に当たる英金融行動規制機構(FCA)は、仮想通貨関連活動を行う事業者に対するAML・CTF(テロ資金供与対策)監督者となった。FCAが1月10日付で公式に発表した。

これを受けて、本年1月10日より、特定の仮想通貨関連業務に従事する英国登録企業は、この規制の範疇に入ることになり、規制要件を満たす必要があるとともに、仮想通貨関連企業はFCAへの登録が義務付けられる。

英MLRsとEU第5次マネーロンダリング指令

同じく1月10日より欧州連合(EU)範囲でも、仮想通貨を含むデジタル通貨や電子マネー等への対応を織り込んだ第5次マネーロンダリング指令(5AMLD)が施行される。この5AMLDの要件をイギリス国内法に反映させたのがMLRsで、銀行などの金融機関や電子マネー発行機関、決済会社などマネーロンダリングやテロ資金調達のリスクがある様々な分野の企業に適用される。

 

仮想通貨関連事業も、もちろんこの規制を受けることになる。

「暗号資産活動」の定義

FCAは規制の対象となる仮想通貨/暗号資産業務として、次のような事業者を挙げている。

  • 1. 仮想通貨取引の提供者:法定通貨と仮想通貨間の取引、仮想通貨同士の取引
  • 2. 仮想通貨ATM
  • 3. 仮想通貨ウォレットの提供者:仮想通貨のカストディサービスおよび秘密鍵管理サービス提供者
  • 4. P2P取引提供者:法定通貨と仮想通貨間また仮想通貨同士の取引を促進するオンライン市場の提供者
  • 5. ICOやIEOなどの新しい暗号資産の発行者

上記のような暗号資産活動事業を行う企業は、FCAへ登録する必要があるが、新しく仮想通貨関連事業を始める企業は事業開始前に登録が義務付けられている。

また1月10日前から事業に従事している企業は、直ちにMLRsに準拠しつつ事業の継続が可能だが、2021年1月10日までに登録を済ませるか、もしくは仮想通貨事業から撤退することが条件となっている。

規制要件概要

FCAは仮想通貨関連事業者に対し、特に次のような要件を遵守すべきだと記している。

  1. マネーロンダリングおよびテロ資金調達のリスクの特定および評価
  2. マネーロンダリングまたはテロ資金調達に対するビジネスリスクを軽減するための指針やシステム、および管理体制の整備
  3. 事業の規模と性質に応じ、取締役会または上級管理職の役員をMLRsのコンプライアンス責任者として任命
  4. 取引開始時または不定期に、顧客のデューデリジェンスを実施
  5. より高いマネーロンダリング/テロリスト資金供与リスクの可能性がある顧客を扱う場合、強化されたデューデリジェンスを適用(政治的、公的地位につく人物の定義を満たす顧客など)
  6. 取引内容が顧客とその事業、ならびにリスクプロファイルと一致することを確認するため、継続的にすべての顧客を監視すること

発表の中でFCAは「企業が新しい規制を遵守することを積極的に監督し、企業が望ましい基準を満たせず、市場の統合性にリスクをもたらす場合は、迅速な措置を講ずる」と厳しい姿勢を示している。

2020年は、マネーロンダリング・テロ資金供与防止の名の下、仮想通貨取引に対する規制当局の監視の目がますます強まりそうだ。

参考:FCA発表

CoinPostの注目記事

欧州新規制で仮想通貨取引所の運営コスト増を懸念 大手Deribitが国外移転
1月10日に実施される欧州の新たな資金洗浄対策法(5AMLD)のコスト増を懸念して、仮想通貨デリバティブ取引所Deribitが国外へ移転を決断した。2月10日にはKYC基準の引き上げも予定する。
マネロン事情2019:中国から110億ドルが仮想通貨経由で流出
中国のブロックチェーンセキュリティ企業PeckShieldは、2019年の仮想通貨資金洗浄(マネロン)報告書を発表した。 昨年は計114億ドルが仮想通貨を介して、中国から海外へ流出したことがわかった。
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/14 火曜日
18:00
オントロジー DIDソリューション普及のため、15億円規模の基金を設立
分散型ID(DID)とデータ共有を可能にする高速で低コストのブロックチェーンプラットフォーム、オントロジーは1,000万ドル規模の「Ontology DID FUND」を設立。プロジェクト提案は専用フォームから迅速に申請可能。
14:23
ビットトレードがシバイヌ貸して増やすの特別募集を開始
ビットトレードが年率48%のシバイヌ(SHIB)の貸して増やす・貸暗号資産の特別募集を開始。さらに、ビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーンでAmazonギフトカードが当たる施策も実施中。
14:17
SBI VCトレード、アプトス、ヘデラ、ジパングコインを新規上場へ
SBI VCトレードが暗号資産(仮想通貨)アプトス(APT)、ヘデラ(HBAR)、ジパングコイン(ZPG)の取扱いを開始へ。販売所や貸コインなど、フルラインナップサービスを提供します。ステーキング銘柄取扱い数は、国内最大級となる。
13:00
テザー社CEO、リップル社CEOを非難
ステーブルコインUSDTを発行するテザー社のパオロ・アルドイノCEOは、「米国政府はテザーを狙っている」というリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOの発言を強く非難する声明を出した。
12:36
CPI控えビットコイン様子見基調、縮小するコインベース・プレミアムが示唆するものは
暗号資産(仮想通貨)市場では命運を握る15日のCPI(米消費者物価指数)発表を控えポジション調整の動きが散見された。一部アナリストは、コインベース・プレミアムの縮小を根拠にエントリーのタイミングを見計らっている。
11:30
OpenAI、生成AIの革新的ニューモデル「GPT-4o」公開
ChatGPT開発で知られるOpenAIは「GPT-4o」と呼ばれる新たなAIモデルを公開した。音声、画像も入出力可能で、人間とより自然なやり取りができる。
10:47
R・キヨサキ氏、仮想通貨に関するBRICSの動向に注目
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキは、BRICSによる金を裏付けとする仮想通貨発行の噂に注目していると指摘。ビットコイン・金・銀への投資を推奨した。日本では、老後4000万年問題が取り沙汰されている。
09:50
中国の警察、仮想通貨による400億円以上の違法取引を摘発
中国吉林省の警察は、仮想通貨を使用して400億円規模の違法な人民元・韓国ウォン取引を行っていた疑いで犯行グループを摘発した。
08:45
ArbitrumとBase利用のレイヤー3チェーンDegen Chain、24時間以上稼働停止
「Degen Chain」という仮想通貨イーサリアム系のレイヤー3ネットワークは、24時間以上トランザクション処理が停止している。このブロックチェーンはArbitrumとBaseを利用している。
08:00
Jupiterローンチパッド投票第三弾、deBridgeなどが参加
仮想通貨ブリッジサービスのdeBridgeは今回の有力候補とされている。これまで20億ドル相当のブリッジボリュームを記録し500万ドル以上の手数料を徴収してきた。
07:26
トランプ前大統領、10億円相当の仮想通貨を保有か
米トランプ前大統領が10億円相当の仮想通貨を保有していることなどを公表し、Arkhamが著名人の所有額を比較。同氏はミームコインのTRUMPの次にイーサリアムを多く保有している。
06:40
エルサルバドル、ビットコイン保有の追跡サイトを公開
同国は現在5,749.76 BTCの仮想通貨ビットコインを保有しており、565億円に相当する金額だ。
06:20
GameStop株やミームコインが暴騰
仮想通貨市場では「GMCIミーム指数」は、301.1で7.67%上昇。GMEミームトークンは前日比で1,200%以上高騰した。
05/13 月曜日
15:05
リップルCEO「米国政府は、ステーブルコインUSDT発行企業のテザー社を標的にしている」
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはインタビューで、米国政府がステーブルコインUSDTの発行企業テザーに監視の目を強めていることを注視していると語った。
14:32
ユニスワップ創設者ら、SECの仮想通貨規制はバイデンの大統領選に悪影響と指摘
ユニスワップの創設者らは仮想通貨業界に対する米SECの姿勢を批判し、大統領選で現職バイデン氏の再選に不利になる可能性を示唆した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア