CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨エニグマがリブランディング、データのプライバシー保護を強化へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「エ二グマ」が改名

今年2月にメインネットを立ち上げたエニグマ(Enigma)プロジェクトが、新たに「シークレット・ネットワーク」とリブランディングされたことがわかった。

公式ブログによると、ネイティブトークンであるシークレット(SCRT)の名称を取り入れるとともに、分散化アプリユーザーのデータのプライバシーを保護するネットワークとして、より広く認知されるためのリブランディングであり、5月17日、コミュニティによる全会一致で承認されたとのことだ。

エニグマとは

シークレット・ネットワークの前身であるエニグマ・プロジェクトは、2017年に実施したICOで、仮想通貨ENGを販売し、50億円相当の調達に成功し注目を集めた。しかし、今年2月、ENGが未登録有価証券にあたるとの米証券取引委員会(SEC)の申し立てを受け入れ、50万ドル(約5600万円)の罰金を支払うことで和解している。

SECとの話し合いが決着したことを受け、同日2月13日、20超のバリデータが稼働するエニグマ・メインネットのローンチも発表。プロトコル面ではイーサリアム基盤からCosmos SDK/Tendermint基盤のブロックチェーンへと変更し、ネットワーク内のユーティリティトークンとしてシークレット(SCRT)を新規導入した。

公式ブログで、新たなトークンSCRTと、有価証券とみなされた仮想通貨ENGを、規制に準拠しつつ交換する方法を模索中だと説明している。

シークレット・ネットワークの特徴

エニグマのビジョンを継続するシークレット・ネットワークは、ブロックチェーンにプライバシーをもたらすことを使命としており、スマートコントラクトの秘匿化に焦点を当てている。データを暗号化することで、秘匿性を保ったままスマートコントラクトを実行する「シークレット・コントラクト」の開発が、シークレット・ネットワークの中核の一つとなっている。

シークレット・コントラクトのテストネットのローンチまでには数週間かかるとのことだが、成功すればメインネットへの機能統合が提案される予定だという。

スマートコントラクトに秘匿性を持たせるために採用されたのは、Intel社との技術提携で実現した最先端のハードウェア技術。TEEと呼ばれるCPU内部の特殊な領域で計算を行うことで、外部から観測を不可能にし、さらにTEE内部で復号して計算処理する。これによりエンドツーエンドの暗号化が可能になり、安全なオフチェーン環境で、パブリック・ブロックチェーン上では誰にでも参照可能であった取引データの処理ができるようになり、データのプライバシー保護につながる。

また、コンセンサスレイヤーが「ブロックチェーンのインターネット」としてチェーンの相互運用性をサポートするCosmosブロックチェーンへと変更になったことで、様々なブロックチェーンと統合する可能性も切り開いたようだ。

シークレット・ネットワークは、PoSネットワークで、ネイティブトークンSCRTはステーキングやガバナンス、ネットワークの手数料として使用される。

ブランディングのキーワード:「シークレット」

シークレット・ネットワークのブランディング戦略を貫くキーワードが、「シークレット」のところにある。

ネットワークの名称とともに、シークレット・トークン、シークレット・コントラクトに加え、ネットワーク上に構築されるアプリは、シークレット・アプリとなる。またネットワークのバリデータもシークレット・コントラクト機能の導入後はシークレット・ノードと呼ばれ、処理されるデータは暗号化され、ノード自身にも「秘密=シークレット」になるという。

発表によると、バリデータ向けのインセンティブ付きテストネットの実施に伴い、開発者やアーティスト、作家向けの機会(シークレット・ゲーム)を提供することを予告しており、幅広い層に認知度を高める努力を重ねているようだ。

個人情報の保護がますます重要視される中で、分散型ネットワーク上でデータのプライバシー保護を目指すシークレット・ネットワークが、透明性の高いブロックチェーンにプライバシーをもたらす一助となるのか、注視していきたい。

参考:Secret Network blog

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/14 火曜日
18:00
オントロジー DIDソリューション普及のため、15億円規模の基金を設立
分散型ID(DID)とデータ共有を可能にする高速で低コストのブロックチェーンプラットフォーム、オントロジーは1,000万ドル規模の「Ontology DID FUND」を設立。プロジェクト提案は専用フォームから迅速に申請可能。
14:23
ビットトレードがシバイヌ貸して増やすの特別募集を開始
ビットトレードが年率48%のシバイヌ(SHIB)の貸して増やす・貸暗号資産の特別募集を開始。さらに、ビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーンでAmazonギフトカードが当たる施策も実施中。
14:17
SBI VCトレード、アプトス、ヘデラ、ジパングコインを新規上場へ
SBI VCトレードが暗号資産(仮想通貨)アプトス(APT)、ヘデラ(HBAR)、ジパングコイン(ZPG)の取扱いを開始へ。販売所や貸コインなど、フルラインナップサービスを提供します。ステーキング銘柄取扱い数は、国内最大級となる。
13:00
テザー社CEO、リップル社CEOを非難
ステーブルコインUSDTを発行するテザー社のパオロ・アルドイノCEOは、「米国政府はテザーを狙っている」というリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOの発言を強く非難する声明を出した。
12:36
CPI控えビットコイン様子見基調、縮小するコインベース・プレミアムが示唆するものは
暗号資産(仮想通貨)市場では命運を握る15日のCPI(米消費者物価指数)発表を控えポジション調整の動きが散見された。一部アナリストは、コインベース・プレミアムの縮小を根拠にエントリーのタイミングを見計らっている。
11:30
OpenAI、生成AIの革新的ニューモデル「GPT-4o」公開
ChatGPT開発で知られるOpenAIは「GPT-4o」と呼ばれる新たなAIモデルを公開した。音声、画像も入出力可能で、人間とより自然なやり取りができる。
10:47
R・キヨサキ氏、仮想通貨に関するBRICSの動向に注目
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキは、BRICSによる金を裏付けとする仮想通貨発行の噂に注目していると指摘。ビットコイン・金・銀への投資を推奨した。日本では、老後4000万年問題が取り沙汰されている。
09:50
中国の警察、仮想通貨による400億円以上の違法取引を摘発
中国吉林省の警察は、仮想通貨を使用して400億円規模の違法な人民元・韓国ウォン取引を行っていた疑いで犯行グループを摘発した。
08:45
ArbitrumとBase利用のレイヤー3チェーンDegen Chain、24時間以上稼働停止
「Degen Chain」という仮想通貨イーサリアム系のレイヤー3ネットワークは、24時間以上トランザクション処理が停止している。このブロックチェーンはArbitrumとBaseを利用している。
08:00
Jupiterローンチパッド投票第三弾、deBridgeなどが参加
仮想通貨ブリッジサービスのdeBridgeは今回の有力候補とされている。これまで20億ドル相当のブリッジボリュームを記録し500万ドル以上の手数料を徴収してきた。
07:26
トランプ前大統領、10億円相当の仮想通貨を保有か
米トランプ前大統領が10億円相当の仮想通貨を保有していることなどを公表し、Arkhamが著名人の所有額を比較。同氏はミームコインのTRUMPの次にイーサリアムを多く保有している。
06:40
エルサルバドル、ビットコイン保有の追跡サイトを公開
同国は現在5,749.76 BTCの仮想通貨ビットコインを保有しており、565億円に相当する金額だ。
06:20
GameStop株やミームコインが暴騰
仮想通貨市場では「GMCIミーム指数」は、301.1で7.67%上昇。GMEミームトークンは前日比で1,200%以上高騰した。
05/13 月曜日
15:05
リップルCEO「米国政府は、ステーブルコインUSDT発行企業のテザー社を標的にしている」
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはインタビューで、米国政府がステーブルコインUSDTの発行企業テザーに監視の目を強めていることを注視していると語った。
14:32
ユニスワップ創設者ら、SECの仮想通貨規制はバイデンの大統領選に悪影響と指摘
ユニスワップの創設者らは仮想通貨業界に対する米SECの姿勢を批判し、大統領選で現職バイデン氏の再選に不利になる可能性を示唆した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア