CoinPostで今最も読まれています

DeFiバブルの仮想通貨市場動向を振り返る 「イモ」・「寿司」・「Yクラブ」の熱狂|CoinGecko Japan寄稿

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

8月のマーケットは、ビットコインは120万円から一時130万円に到達し、ETHは3万6,000円から5万円にまで上昇した強気相場でした。価格上昇以外にも、DeFiのイールドファーミングや流動性マイニングが大ブームを巻き起こし、熱気は高まり続けています。

特にDeFiエコシステムを中心に話題に事欠かない月でしたが、本記事ではそんな8月の業界動向を、8月のマーケットレポートを引用することでおさらいしていきます。

    目次
  • ・現物市場概観
  • ・トップ30通貨のマーケットシェア
  • ・DeFiトークンの価格パフォーマンス
  • ・仮想通貨取引所及びDEX
  • ・DeFiのイールドファーミング動向

1. 時価総額は3430億ドル(36兆円)で年初来最高値を更新

8月、トップ30の仮想通貨の時価総額は3,430億ドル(約36.44兆円)と、前回7月の3,190億ドル(33.89兆円)を更新し2020年の最高値を記録しました。トップ30仮想通貨は、先月に比べ比較的低い成長ではあったものの、時価総額が11%、取引量が18%増加し、総じて高い成長を達成しました。

注目すべきは、年初来最高の時価総額にもかかわらず、8月の取引高が年初来の上半期よりも低いままであることです。これは、投資家の長期保有傾向の高さを表しています。

2. 最もマーケットシェアを伸ばしたのはイーサリアム

マーケットドミナンスを見ると、ビットコイン(BTC)のシェアはは4.4%減の61.1%と下落傾向にあります。一方、イーサリアム(ETH)は1.7%増の13.9%でトップ30仮想通貨の中で最大のシェア上昇率を記録しました。

トップ5入りを果たしたChainlink(LINK)とPolkadot(DOT)は、それぞれ1.7%と1.6%のマーケットシェアを確保しています。LINKがトップ5にまで上昇したのは、提携プロジェクトの多さや、DeFiエコシステムで最も利用されているオラクルであることを要因としています。

DOTの上昇は、単にコミュニティの大きさを理由と考えることもできますが、8月に実施した通貨単位変換が、マーケットの期待を強く煽ったことが最大の要因であると予想できます。

3. YFIは3万8,869ドル(約412万円)で史上最高値を更新し、ローンチから2ヶ月足らずでDeFiトークンを含むすべての仮想通貨を上回るパフォーマンスを出した

Maker (MKR) は、これまで長らくDeFiカテゴリでトップの座を維持し続けてきましたが、最近のDeFiブームと、新規トークンの登場によって勢いを失っています。その代わりに急上昇を見せたのが、Yearn.Finance (YFI)やUMA (UMA)などのトークンです。

UMAとYFIはそれぞれ432%と749%で前月比最高のリターンを記録しました。DeFiスペースでは、毎日のように革新的な新規プロジェクトが登場しています。9月末までに、DeFiトークントップ5にまた異なるトークンが入っていてもおかしくはありません。

4. 分散型取引所(DEX)の成長が中央集権型取引所(CEX)を3倍上回る

トップ6つのDEX(分散型取引所)の前月比取引高は247%と大幅に増加し、上位6つのCEX(中央集権型取引所)の85%という成長率を上回る結果となりました。

DeFiエコシステムは、イールドファーミングや流動性マイニング、ガバナンストークンなどに関連する新規プロジェクトによって、トラフィックと取引量の増加を促すような技術が次々に生み出されており、急速に発展しています。

最も注目すべきは、DEXのマーケットシェアが8月までに4%から7%に増加したことです。今やDEXは、DeFiムーブメントを支えるインフラとして、CEX以上の影響力を持っているかもしれません。

5. 「食通」・「Yクラブ」の登場と急成長

SushiとYAMはそれぞれUniswapとAmpleforthのフォークプロジェクトです。YFVとYFLはどちらもYFIのフォークですが、それぞれYFIとは微妙に異なるビジョン及び仕組みを持ちます。

これらのプロジェクトは、未監査のままローンチされたにも関わらず、流動性マイニングを通して高い利回りを提供し、スマートコントラクトに非常に大きな額の資金をロックさせることに成功しました。

これらのプロジェクトは現在も開発・発展を続けています。9月以降も新しいDeFiプロジェクトが多く登場する可能性があり、今後のエコシステムの発展からは目が離せません。

企業紹介

CoinGecko

CoinGeckoは仮想通貨マーケットの重要なデータを分析、提供するサービスです。価格情報に加え、取引高、市場規模、また、取引高偽装問題を独自指標から補正した取引所ランキング、オンチェーンアクティビティの分析なども提供しています。これらのデータを通して、仮想通貨ユーザーや企業のより正確な理解が進むことを目指しています。

CoinGeckoサイトはこちら
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア