CoinPostで今最も読まれています

盗まれた仮想通貨、ハッカーが一部売却へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ハッキング事件から1日、最新状況は

Kucoinのハッキング事件から1日、各仮想通貨(暗号資産)事業者が協力して、流出資金を取り戻す動きを続けている。

一方で、出来高が増加した分散型取引所を利用して、一部の資産を売却する動きも確認されており、業界を網を掻い潜ろうとするハッカーの動きも見られている。

オンライン上で資金が集権的に管理できないケースがあるパブリックブロックチェーン上の仮想通貨は、ハッキング攻撃を伴う不正流出後の犯人の特定や資金の凍結措置に苦戦してきたが、グローバル規模の協力体制が進んだことで、被害を最小限に留めようとする仕組みもできつつある。

例に、ブロックチェーンのトラッキング技術の向上やKYC(身分証明)の標準化や、AML(アンチマネーロンダリング)対策ツールの導入も進んだことで、法定通貨へ換金するまでに被害を防ぐものや、仮想通貨に法定通貨裏付ける仕組みを採用したステーブルコインの凍結措置などがある。

最終的に換金した法定通貨をハッカーが得ることを防げるか、業界の戦いは始まったばかりだ。

公開された被害額

当初、正確な被害額と流出した仮想通貨の銘柄は明らかではなかったが、Kucoinが最新の発表で、疑わしいトランザクションのアドレスリストを公開。そのトランザクションデータをもとに、流出した可能性のある最低額が試算された。

流出した可能性のある仮想通貨の数量は以下の通りだ。(これ以上の数量、または他の通貨も流出している可能性はある)

ビットコイン:1,008 BTC

イーサリアム:11,480 ETH

ビットコインSV:14,713 BSV

XRP(リップル):18,495,798 XRP

ライトコイン:26,733 LTC

USDT:999,160 USDT

ステラ:9,588,383 XLM

トロン:199,038,936 TRX

ハッカーが資産の売却を開始

また、The Blockのリサーチャーは27日、ハッカーがUniswapを通じて、盗み出した小規模キャップの仮想通貨の売却(ETHへのスワップ)を開始したことを報告した。

小規模キャップの銘柄では、出来高や時価総額の関係から、売り圧力への懸念が高まっている。

分散型取引所のUniswapがハッキング後に利用されたのは初めてで、出来高が増加した分散型取引所の状況とKYC等がない仕組みが利用される格好となった。

協力体制について

今回は、Kucoinの不正流出後の世界の協力体制を一部紹介する。

テザーが資金凍結

BitfinexとTether社のCTOを務めるPaolo Ardoino氏は自身のツイートで、Kucoinのハッキングで流出した可能性がある疑わしい取引に関連した、34億円相当のUSDTを凍結したことを発表した。

凍結したUSDTは、イーサリアム上で発行された21億円相当のUSDTと、EOS上で発行された13億円相当のUSDTがある。具体的な凍結手法については言及していないが、中央集権的に発行等が行われているUSDTのシステムを利用して、該当したUSDTを凍結措置とした可能性が指摘されている。

Ether Scan

イーサリアムブロックチェーンの取引データを確認できるEtherScan.ioも、該当する仮想通貨(ETHとERC20トークン)にフラグを立てて、資金が動かされた先のアドレスを明確にしている。

取引所もハッキング資産の凍結に協力表明

これまでのハッキング事件と同様に、仮想通貨取引所も資産凍結への協力を表明している。

大手ではバイナンスがKucoinへの協力を表明。取引所に着金した際の資産凍結対応のほか、ブロックチェーンを解析・分析や、セキュリティ監査チームの協力、他の取引所や政府機関への協力をするとした。

報奨金

また、Kucoinも情報提供協力者へ報奨金の制度を用意し、協力を呼びかけている。

信憑性があり解決への有効な情報に対し、10万ドル(約1000万円)の報奨金制度を発表、「business@kucoin.com」への連絡を受け付けている。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア