CoinPostで今最も読まれています

米コインベース、ナスダックに上場へ 証券登録届出書が公開──時価総額10兆円規模の可能性も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

証券登録届出書が公開

株式上場を計画する米最大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースが、米証券取引委員会(SEC)に証券登録届出書(Form S-1)を提出した。

上場先はナスダック、株式公開は直接上場(DPO)の方法を選択した。

ビットコイン(BTC)の最高値更新などを受け、2020年12月期決算の利益が12億ドル(約1275億円)超となり、前年同期比で2倍以上に膨らむなど、活発な手数料から事業の収益規模が拡大していることも明らかになっている。

コインベースについては昨年12月、SECに内々に株式を上場する申請書を提出している。今年に入ってから上場計画を正式に発表しており、現在はナスダックプライベートマーケットで非公開株が取引されている。ナスダックプライベートマーケットとは、未公開株取引市場。最近ではその取引から算出される推定時価総額が、1000億ドル(約10兆円)規模まで達しており、仮想通貨業界では最も大きい上場事例になる可能性が出てきている。

関連株上場計画の米コインベース、Nasdaq限定市場の時価総額10兆円規模に

証券登録届出書によると、コインベースの利益の大半は、手数料収入だ。「自社の利益の大部分はビットコインとイーサリアム(ETH)の取引によるものである」と説明、2020年12月期決算の売上高は12億ドルで、ビットコイン市場の活況な取引状況で規模は2倍以上に膨れた。収入を手数料が占めている点については、「この両銘柄の取引は、コインベースのプラットフォームにおける取引全体の56%に相当し、ビットコインとイーサリアムの需要が減れば、他に取引が増加して代わりになる仮想通貨が現れないと業績に影響する」と述べている。

以下は、CoinPostが提携する仮想通貨メディアTheBlockのデータ。棒グラフは四半期ごとの出来高の推移を示している。

また、公開情報によると、20年末時点の顧客数は4300万人、預かり資産は900億ドルに達しているという。

投資家の内訳

証券登録届出書では、コインベースの取引における個人投資家と機関投資家の内訳も明らかになった。機関投資家にはヘッジファンドやファミリーオフィスなどに加え、最近では自社のポートフォリオに組み込むために仮想通貨を購入する企業も含まれると説明している。

今月には電気自動車メーカーのテスラが、ビットコインを購入する際にコインベースを利用したことが分かった。コインベースは米ナスダック上場企業MicroStrategyのビットコイン購入もサポートしており、企業の現物購入の重要な窓口となりつつある。

関連米テスラのビットコイン購入、どうやって買われた? 投資家の注目ポイントも

コインベースの投資家の内訳は以下。棒グラフの濃い青が機関投資家、薄い方が個人投資家だ。なお、コインベースの顧客は100ヵ国に渡って、およそ個人投資家が4300万人、機関投資家が7000社あるとしている。

グラフの金額は10億単位で表記されており、2019年Q2(4〜6月)以降は機関投資家が個人投資家を上回っていることが分かる。

潜在的なリスク

コインベースは証券登録届出書の中で、ビットコインやイーサリアムの出来高減少以外のリスクにも言及した。

その中の1つがビットコインの生みの親「サトシ・ナカモト」だ。具体的にどのようなリスクがあるのか詳細は記述していないが、その正体が誰なのか、またサトシ・ナカモトによる送金をリスク要因だとしている。

生みの親であるため、サトシ・ナカモトは大量のビットコインを保有していると見られており、業界では長年使用されていなかったビットコインが移動すると、「送金者はサトシ・ナカモトではないか」と話題になり、売り圧を警戒する声も聞かれる。

昨年にはサトシ・ナカモトのマイニングパターンから、112万5150BTC(現レートで5.7兆円相当)を保有しているとの分析も行われた。

関連「推定時価1兆円」を保有、サトシ・ナカモトによるマイニングの真の目的とは

もう1つリスクの例を挙げると、コインベースはDeFi(分散型金融)のノンカストディアルのプラットフォームを競合相手と見ている。

ブロックチェーンの具体名としてイーサリアム、トロン、Polkadot、Solanaを挙げ、出来高でコインベースと争う水準の分散型取引所(DEX)もあると説明した。

関連「Uniswapの出来高、米コインベース超えに驚きの声」DeFi需要と価格高騰が後押し

自社でも仮想通貨を保有

コインベースが自社のバランスシートで仮想通貨を保有していることも分かった。昨年からマイクロストラテジーや決済大手スクエア、今年ではテスラなど、企業としてビットコインを購入する事例が続いている、

証券登録届出書で明らかにされた2020年12月末時点の保有銘柄と相当額は以下の通り。

  • ビットコイン:1.3億ドル(約138億円)
  • イーサリアム:2380万ドル(約25億円)
  • USDC:4890万ドル(約51億円)
  • その他:3400万ドル(約36億円)
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/15 水曜日
18:00
仮想通貨ウォレット「メタマスク」の使い方、送金、セキュリティ対策
MetaMaskのインストール方法から送金手順、暗号資産(仮想通貨)取引所への送金や取引所からの出庫方法、セキュリティ対策までを初心者向けに詳しく解説。自己管理型ウォレットの基本知識を身に付けましょう。
14:45
「SusHi Tech Tokyo 2024」でSUDACHI TechとEchoXがWeb3プラットフォームを技術協賛
「SusHi Tech Tokyo 2024」では、SUDACHI TechとEchoXがNFT活用のWeb3プラットフォームを技術協賛。NFTデジタルスタンプラリーを展開する。CoinPostがアンバサダーを務めるグローバルスタートアッププログラムも開催される。
13:10
自由な取引ツールとしてのビットコインは実現しないのか、開発者が憂慮
仮想通貨ビットコイン開発の貢献者であるマット・コラロ氏は、現在「自由のためのツール」というビットコインのビジョンが実現できるかどうかが危ぶまれているとの考えを明らかにした。
12:30
コインチェック LSK保有者向け「KLY」エアドロップ対応方針発表
コインチェックは、LiskブロックチェーンのイーサリアムL2への移行に伴い、新谷発足するKlayrのネイティブトークンKLYのエアドロップへの対応計画を発表。スナップショットは2024年5月21日に予定される。
12:25
CPI発表迫り方向感を欠くビットコイン、イーサリアムETF承認は悲観的な見通し強まる
CPI(米消費者物価指数)発表を本日21時30分に控える中、暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコインの方向感に欠ける展開で狭いレンジで上下している。
12:00
香港のビットコイン・イーサリアム現物ETFから最大の資金流出
香港の仮想通貨ビットコイン・イーサリアム現物ETFは4月の立ち上げ以来最大の1日当たり純流出を記録した。米国のBTC現物ETFは流入に転じている。
11:30
SBI VCトレード、口座保有者にHashHubのWeb3レポートを無料提供へ
SBI VCトレードは、暗号資産(仮想通貨)取引のサポート強化として、口座保有者に「HashHub Research」の一部を無料で提供開始。市場動向、プロジェクトの技術的背景などを把握するのに最適。
10:45
グーグル、新AI検索機能の一般提供発表
AIのGeminiで検索体験をさらに向上させるため、グーグルが新機能「AI Overviews」の一般提供を発表。同社のプロダクトにもAIを活用するとし、他にも様々な発表を行なった。
10:05
仮想通貨投資信託提供のCoinShares、1Qで利益総額が前年比11倍に 
仮想通貨投資企業CoinSharesは2024年第1四半期の決算を報告。利益総額は前年比11倍以上増加した。3月にはヴァルキリーのETF事業を買収している。
08:45
Polymarket、ヴィタリックなどから70億円調達
仮想通貨利用のポリマーケットは、2024年にプラットフォーム上で約2億200万ドル相当の予測取引が行われたと報告。特に米国の選挙の結果に125億ドル以上が賭けられており、現在のところドナルド・トランプ氏が49%の確率でジョー・バイデンの44%をリードしている。
08:15
Re、アバランチ上で再保険ファンド提供
仮想通貨アバランチのブロックチェーン上で、RWAである再保険のトークン化ファンドをReがローンチ。再保険業界の透明性を向上させ、オンチェーン決済を促進していく。
07:35
オルカンベンチマーク指数提供のMSCI、マイクロストラテジーなどを追加
MSCIの定期見直しは、投資家にとって重要な指標であり、各企業の市場での位置づけや影響力を反映するものだ。今回の見直しニュースを受け、マイクロストラテジーの株価は前日比で4.15%上昇した。
06:25
ソラナ基盤のDrift、エアドロップとコインベース上場予定
仮想通貨DRIFTトークンは、エアドロップの形でリリースされる。日本時間5月16日21時より取得可能となる。エアドロップ分のトークンは合計120,000,000 DRIFTで、総発行数の12%を占める。
05:50
米ウィスコンシン州投資委員会、ビットコイン現物ETFに255億円投資
米ウィスコンシン州投資委員会がスポットビットコインETFに1億6300万ドルを投資したことを報告。ブラックロックのIBITとGBTCを大量保有し、他の仮想通貨関連企業にも投資していた。
05/14 火曜日
18:00
オントロジー DIDソリューション普及のため、15億円規模の基金を設立
分散型ID(DID)とデータ共有を可能にする高速で低コストのブロックチェーンプラットフォーム、オントロジーは1,000万ドル規模の「Ontology DID FUND」を設立。プロジェクト提案は専用フォームから迅速に申請可能。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア