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株上場計画の米コインベース、Nasdaq限定市場の時価総額10兆円規模に 国内銘柄ではIOST、ネム価格が大幅続伸

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市場の最新動向

22日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、金曜日時点では550万円以下を推移していたが、週末にかけて600万円台まで高騰。週を明けても高値圏で推移している。

上方乖離や金利において、デリバティブ市場での過熱感が指摘される中、米コインベースやグレースケールから機関投資家の資金流入が断続的続いていることが指摘される。

コインベースの推定時価総額、10兆円規模に

株式上場を計画する米最大手暗号資産(仮想通貨)取引所コインベース(Coinbase Global, Inc.)について、CoinPostと提携するThe Blockの報道によれば、IPO(新規公開株式)前に取引される「Nasdaq Private Market」で、米コインベースの推定時価総額が1000億ドル(10兆円規模)まで上昇した。

厳密には、コインベースは株式上場にあたって、一般的なIPO(新規公開株)ではなく、「直接上場(DPO)」という方法を利用し、上場時に新株を発行せず、既存株式を直接一般公開する手法を選択したとされる。新株を引き受ける証券会社等を利用しないことから、コスト大幅削減や時間短縮に繋がるという。

ナスダック・プライベート・マーケットは、IPO(新規公開株式)の前に取引される、ナスダック子会社運営の未公開株式のマッチングプラットフォームだ。1株あたりの平均価額は373ドルに達した。1月29日時点の評価額は200ドルからスタートしていたが、先週末時点で300ドルを超え、22日までに約1.9倍となった。ただし、出来高の限られる限定市場での評価である点には留意する必要がある。

取引が開始された1月29日のBTC価格(安値)は330万円台であったが、2月22日時点では600万円台に達していることから、ビットコインなど仮想通貨市場の高騰により、投資家の買いが集まったものと思われる。購入した入札者の中には、大規模な投資会社が含まれる可能性があるという。

BTC価格が80万円〜90万円台を推移していた19年10月時点では、コインベースの推定時価総額は、約8,000億円と試算されていた。海外では大手マイニング機器企業のBitmain、国内取引所ではコインチェックなどがIPOを計画しているとされる。

関連:IPO控える米大手取引所コインベース、限定株式市場で時価総額8兆円の評価=報道

コインベースProでは、マイクロストラテジー社やテスラ社はSOR注文(スマートオーダールーティング)や自動化取引ツールなどの手法を用いて、市場価格に影響が出ないよう大量に買い集めていた可能性があることも判明している。スマートオーダールーティングでは、複数の市場(取引場所)から最良の価格を選択、1つの大きな取引ではなく、0.3BTC未満に細分化した小口注文に分割できる。

関連:米テスラのビットコイン購入、どうやって買われた? 投資家の注目ポイントも

Wedbush Securitiesのデータによると、最大手電気自動車メーカーのテスラは、今月初めに発表した15億ドル規模のビットコイン投資において、すでに10億ドル以上の利益を上げた可能性がある。

7,490億ドルの時価総額を有するテスラは、自動車の販売で7億2100万ドルの利益を上げ、通期収益は315億ドルに及ぶ。

高騰する個別銘柄

ビットコインやイーサリアム(ETH)の高騰に伴い、有望な個別銘柄が循環物色されている。

関連:イーサリアム3年ぶりの過去最高値更新、高騰要因に4つの理由

ネム(XEM)

国内に上場する個別銘柄では、ネム(XEM)が大幅続伸した。 Zaifでは、一時65円台を記録している。

XEM/JPY日足(Zaif)

ネムは、かつて「カタパルト」と呼ばれた新チェーンSymbolローンチという大型材料を控える。

19日に完了した最終テスト結果を22日(UTC/協定世界時)に発表される見込みであることから、近日中にSymbolのローンチ日、及び権利確定日時の発表があるとの思惑が加速している。

関連:仮想通貨Symbol(シンボル)とは|初心者でもわかる重要ポイントと将来性

アイオーエストークン(IOST)

国内大手取引所コインチェックに上場するアイオーエストークン(IOST)も大幅続伸。 前日比60%高の0.068ドル(7.22円)を付けた。前月比では、実に310%もの高騰を記録した。

IOSTは、次世代コンセンサスアルゴリズム「Proof of Believability(PoB)」に基づく、超高速の分散型ブロックチェーンネットワーク。

Donnie Financeによる、IOST保有者へのDonnieトークン(DON)エアドロップなどが材料視されている。

DonnieFinanceは、IOST基盤の金融サービスプラットフォームであり、DeFiのデポジットおよびローンサービスに加え、分散型取引所(DEX)、資産管理、支払い、クレジット分析などのさまざまなサービスを提供する。

2月2日には、ブロックチェーン技術を活用したゲーム開発・コンサルティングを行う国内企業のプラチナエッグ社が、IOSTパブリックチェーンのトークン規格のひとつである「IRC-722」を使ったNFT(非代替性トークン)マーケットプレイス「TOKEN LINK(トークンリンク)」のベータ版サービスを開始したことを発表している。

関連:イーサリアム大台の20万円到達、高騰するコインチェック銘柄「IOST」の背景

バイナンスコイン(BNB)

最大手取引所バイナンスのネイティブトークン「BNB」が前週比+110%、前月比+600%の290ドルまで大幅続伸。 先週金曜日時点で時価総額380億ドルを超え、テザー(USDT)とカルダノ(ADA)を上回り、時価総額3位に躍り出た。

背景には、Binance Launchpadのトークンセールのほか、DeFi(分散型金融)のステーキング需要、バイナンス・スマートチェーン(BSC)上で稼働する分散型取引所(DEX)、及びパンケーキスワップ(CAKE)活況など複数要因がある。

特に、取引コストの少ないバイナンスの独自チェーンであるBinanceSmart Chain(BSC)基盤のパンケーキスワップ(PancakeSwap)の成長は顕著であり、DEX最大手でイーサリアム基盤のUniswapの出来高を上回った。

イーサリアムのネットワーク手数料であるガス代高騰やトランザクション詰まりなど、スケーラビティ問題の影響などが指摘される。パンケーキスワップでは、高利回りの流動性マイニングや高騰するCAKEトークン目当ての投機マネーを集めている。

Coingeckoのデータによれば19日時点で、PancakeSwap(CAKE)価格は、前週比+140%、前月比+1,880%と暴騰。時価総額50位台まで急浮上している。

関連:ビットコインの高騰理由を解説、加速する資金流入に「3つの要因」

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