仮想通貨市場の最新動向
17日の暗号資産(仮想通貨)市場。ビットコイン(BTC)価格は、前日比+4.87%の553万円(52,260ドル)に。
5万ドルの抵抗線を超えたことで一段高となった。
デリバティブ(金融派生商品)市場では、OI(未決済建玉)やファンディングレート(資金調達率)で過熱感も目立ち始めており、警戒する声も根強い。
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ビットコインを大量保有するMicroStrategy社の新たな資金調達が報じられたほか、8兆ドル(約850兆円)を有する世界最大手の資産運用会社ブラックロック(BlackRock)が、ビットコインに高い関心を示したことも追い風になった。
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Rick Rieder CTO(首席投資責任者)が、ビットコイン(BTC)への投資を検討し始めたことをCNBCの金融番組で明かした。「企業の予備資産組み入れによる仮想通貨へのアロケーションは道理にかなう」と言及した。
ブラックロックのラリー・フィンクCEOは昨年12月、ビットコインはグローバルなマーケットになり得るとの見解を示し、「ミレニアム世代のテクノロジー、及び仮想通貨に対する受容性は本物だと考える」などと評している。
同社は、ビットコインの大量保有を進めるMicroStrategy社の株式を14.9%保有する大株主でもある。ステークホルダーとしてMicroStrategy意思決定に何らかの影響を及ぼしていた可能性も考えられる。
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イーサリアムが20万円の大台に
時価総額2位のイーサリアム(ETH)が高騰して新高値を更新。20万円の大台を突破した。
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ビットコイン5万ドル突破を受け、時価総額2位のイーサリアム(ETH)が高騰して新高値を更新。日本円で20万円の大台を突破した。
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今月8日よりCME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)先物で取り扱いを開始したイーサリアムに対し、機関投資家の関心が急激に高まっている。
CoinSharesのMeltem Demirors首席投資責任者は、「顧客の80%の新規資金(約185億円)がイーサリアムの投資商品に流入するなど、前例のない規模だ」と形容し、驚きを隠さなかった。
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IOST高騰の背景
国内銘柄では、20年9月に国内大手コインチェックへの上場を果たしたアイオーエストークン(IOST)が、前日比34%高の4.3円と大幅上昇した。IOSTは年初時点で0.5円前後を推移していたが、約8倍まで急騰している。
IOSTは、ブロックチェーン技術をクレジットカードと同レベルで利活用できるようにすることを目指し、19年2月にメインネットをローンチした。ネットワークでは、次世代のコンセンサスアルゴリズム「PoB(Proof of Believability)」により、公平かつ高速な処理能力と非中央集権性を実現している。
すでに国内においても、再生可能エネルギー電力の取引システム実証実験や精密医療や患者ケアに関するデータ管理の研究開発などが行われている。
投資家の関心を集める背景には、ステークエコノミーの発展を推進するIOST財団による、成長著しいDeFi(分散型金融)分野へのリーチが挙げられる。
今年1月、暗号資産の管理、投資、取引を提供するマルチチェーンウォレットであるHyperPayが、IOSTの流動性マイニングを開始したことや、同月28日にバイナンス・ステーキングがIOSTにジョインしたことも挙げられる。バイナンスは、最大年利(Annual Percentage Yield:APY)54.49%を獲得することができるとしている。
HyperPayは19年8月にIOSTステーキングサービスを開始しており、当時基準では、標準利回りステーキングと高利回りステーキングで、平均5%のROI(投資収益率)が見込めるとしていた。
流動性マイニングとは、需給バランスによって常に変化する利率に応じて流動性の提供先を変え、最も大きなリターンを得る取り組みイールドファーミングを行う投資家を惹き付けるため、流動性提供の対価として利息の他にガバナンストークン(ガバナンスへの参加権を表現するトークン)が付与されることを指す。
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IOSTは先日、公式mediumで、「DonnieFinance」のガバナンストークン「DON」が、韓国大手取引所のCoinOneで取り扱い開始したことを発表した。
DonnieFinanceは、IOST基盤の金融サービスプラットフォームであり、DeFiのデポジットおよびローンサービスに加え、分散型取引所(DEX)、資産管理、支払い、クレジット分析などのさまざまなサービスを提供するものだ。DonnieFinanceプラットフォームで使用されるガバナンストークン「DON」は、提携を予定する2月18日以降、プロトコルにIOSTを預け入れることでも獲得できる。
コインチェック銘柄の中でも、市場表示レート(価格水準)が数円台と相対的に低く、国内インフルエンサーが保有を明かしたことなどでも関心が集まりやすい傾向にあるようだ。東証一部上場企業マネックスグループの取引所、コインチェック上場の安心感も後押しする。
一方、相対的な割安度は、「表示価格」ではなく、価格×発行量で計算される「時価総額」で比較する必要がある点には注意したい。
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