機関投資家のETH関心度
機関投資家は、時価総額2位の暗号資産(仮想通貨)イーサリアム(ETH)に大きな関心を寄せ始めた。英大手仮想通貨投資企業CoinSharesのMeltem Demirors首席投資責任者が、先週米FOXビジネスの番組で語った。
CoinSharesは、機関投資家向けの商品を販売するだけでなく、機関投資家の投資状況もリサーチしている。番組で、Demirors氏は機関投資家によるイーサリアムへの資金流入は、「かつてない規模まで膨らみ始めている」と明かした。
自社の仮想通貨投資状況について、「先週では、顧客の80%の新規資金(約185億円)がイーサリアムの投資商品に流入していた」と話した。CoinSharesは現在、ビットコインなどの銘柄に合わせて計4,000億円の顧客資産を運用している。
また、イーサリアムへの投資に関して、顧客がビットコインのリスクを分散するために、長期的価値が見込める銘柄をポートフォリオに組み入れていると説明した。
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CME先物が呼び水に
機関投資家によるイーサリアム投資の需要急増は、米大手デリバティブ取引所CMEが今月8日にイーサリアムの先物をローンチしたことが背景の1つにある。CME(米シカゴ・マーカンタイル取引所)のイーサリアム先物は、取引開始初日に、約34億円(3,300万ドル)もの出来高を記録。同社CEOは、初日の出来高としては「活況」と形容した。
ビットコイン先物が2017年の12月にローンチされた時も、機関投資家が現物を保有せずに仮想通貨市場にエクスポージャーできることなどから、市場規模拡大にあたり重要視された。
イーサリアムは、米SECやCFTCに商品(コモディティ)とみなされているため、コンプライアンスに比重を置く機関投資家にとっても、イーサリアム先物の解禁は、ETHの間接投資の「ゴーサイン」となったものと見られる。
Arcane Researchが公開した最新の取引データによると、CMEイーサリアム先物のOI(建玉)は13日付けでは58億円に及ぶという。初日の20億円OIから大幅に増加した格好だ。
次世代チェーンの思惑も
イーサリアム2.0という次世代ブロックチェーンへの期待感も、市場の関心を引き上げている。
イーサリアム2.0は順次アップデートされるもので道半ばであるものの、ステーキング機能にあたるデポジットコントラクトには、すでに約5,700億円に相当するETHが預けられている。ステーキングでは
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