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日銀決済機構局がDeFi(分散型金融)レビュー、潜在的メリットとリスクにも言及

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

日銀のDeFiレビュー

日本銀行(以下、日銀)の決済機構局に所属する北條真史氏および鳩貝淳一郎氏が暗号資産に関する「自律的な金融サービスの登場とガバナンスの模索」のレポートを公開した。

同レポートは、DeFi(分散型金融)に関する仕組みへの模索を紹介するもので、暗号資産のスワップや貸し借り、イールドファーミング、デリバティブ、カストディ、保険、ガバナンストークンなどに幅広く触れつつ、規制の課題も指摘した。

レポートはまず、昨今のDeFi市場の規模に触れて、その全体運用残高(トータルロックバリュー)が昨年4月末以来60倍以上増えてきたことを指摘。DeFiPulseによると、イーサリアム基盤DeFiの全体運用残高は640億ドルを超えている。

次にはDEX(分散型取引所)の仕組みの紹介も行った。

DEXの紹介

レポートは、DEXの紹介でイーサリアム基盤の代表的なDEXであるUniswap(ユニスワップ)を事例として取り上げた。

その仕組みについて、流動性プールにおける流動性の供給や交換における価格変動の仕組み、流動性トークン(報酬含め)の発生など、Uniswapの基本的な要素を網羅している。

出典:BOJ

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レンディング市場

DEXのほか、レンディングプロトコルについても運用事例を説明。

レンディングプロトコルのトッププラットフォームCompoundについて、レポートでは「貸し手は暗号資産を流動性プールに担保として差し入れ(ロックし)、これと引き換えに預かり証の役割を果たす「cToken」を受領する。貸し手はいつでもcTokenを戻して、預け入れた暗号資産に利息を加えた額を回収できる」など、具体的な仕組みが紹介され、また、強制清算に関する内容も含められた

出典:BOJ

投機的リスクにも言及

さらに、レポートでDeFiにおけるイールドファーミング(利回り農業)の仕組みやリスクについても語られた。

イールドファーミングとは、需給バランスによって常に変化する利率に応じて流動性の提供先を変え、最も大きなリターンを得る取り組みのこと。

流動性マイニングはイールドファーミングを行う人達を惹き付けるために、流動性提供の対価として利息の他にガバナンストークン(ガバナンスへの参加権を表現するトークン)が付与されることを指す。

UniswapのUNIトークンやCompoundのCOMPトークンの事例を取り上げ、それに付与された投票権といったガバナンス権利に触れた。

一方、イールドファーミングはトークン発行の割合を基軸としたものであるため、短期間で高い利回りを狙った大量利確の事例が多くみられ、トークン価格の急落をもたらしうるリスクに対して注意喚起もなされている。

レポートは、金融安定理事会(FSA)の報告書を引用し、DeFiなどの分散型金融技術がもたらしうる潜在的メリットのほか、規制による利用者保護の欠如やスマートコントラクトの不具合といったリスクも伴われ、「規制で禁止しようとしても、自律的に稼働し停止不能であるうえ、改竄耐性が高く不正があっても後から修正するという方法を取ることが難しい」とし、規制の難しさについても指摘している。

出典:BOJ

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