CoinPostで今最も読まれています

ビットコイン反発、ジャクソンホール会議など複数の「警戒要因」通過で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ジャクソンホール会議等

28日の仮想通貨(暗号資産)市場でビットコインは反発し、前日比一時5%高の49,180ドルをつけた。アルト市場もほぼ全面高に。

27日に米中央銀行関係者や経済学者らが一同に会す米経済シンポジウム「ジャクソンホール会議」がオンライン開催。注目が集まった米連邦準備理事会(FRB)パウエル議長の公演内容を受け、米国株式市場をはじめとするリスクアセットや仮想通貨にも買いが広がった。(チャート内:黒丸付近)

仮想通貨市場は過熱感の反動でここ数日は調整局面にあったが、デリバティブ大手Deribitのオプションカットオフや、毎月末に控えるCMEのBTC先物SQも通過しており、ジャクソンホール会議を始めとするイベント通過が一定の安堵感につながったものと見られる。

日本時間28日3:50には、ツイッター社及びスクエア社のJack Dorsey CEOが、ビットコインの分散型取引所(DEX)を構築する計画を初めて明かし、これも材料視された可能性がある。

関連:ツイッターのドーシーCEO、ビットコインDEXの構築を計画

注目された、米連邦準備理事会(FRB)のパウエル議長の講演内容のポイントは以下の通り。

  • 景気回復が続けば、資産購入の減額(テーパリング)を始めるのは年内が適切
  • 将来的な利上げ示唆はなし(早期利上げに慎重な姿勢)
  • 物価上昇や雇用の進展を評価
  • 引き続き強力な雇用創出が見込まれると期待感

パウエル議長の公演内容は、市場予想に大方沿った内容となった。年内のテーパリングの開始が示唆されたことから、景気回復が順調に続けば、FRBの資産の増加ペースは弱まり、減額が始まる可能性があるが、これは想定の範囲内でほぼ織り込み済みだろう。マーケットは、FRBがテーパリング議論をいつ始めるかを推察し、その都度マーケットは反応してきただけに、金融政策の不確実性が一段と解消されたことも好感の要因となっている。

ビットコイン(BTC)など仮想通貨市場を含む金融市場では、早期テーパリング(QE:量的緩和縮小)に関する言及の有無が重要な焦点だった。事実上の「QE4」に伴う緩和マネー相場の恩恵に預かってきたビットコイン(BTC)市場も対岸の火事ではなく、米株市場の急激なリスクオフは仮想通貨市場にも波及し得るため、これまでも度々取り沙汰されてきた。

今年6月のFOMC(連邦公開市場委員会)では、「2023年末までの利上げ開始」が示唆されていたが、パウエル議長は利上げに慎重な姿勢を崩さなかった。

FRBは、2020年3月の「コロナ・ショック」以降、大規模金融緩和を進め、米経済の下支えを図ってきた。ゼロ金利と大規模な米国債の買い入れなど、量的緩和第4弾(QE4)と呼ばれるものだ。

現状、米国は月額1200億ドル(約13.2兆円)規模もの債券を購入しているとされるが、これは新型コロナウイルスの世界的感染拡大という未曾有の事態による異次元措置であり、経済の回復に伴い、遅かれ早かれ正常化しなければならない。

そのため、テーパリング自体は既定路線であり、これをいかにして金融市場に織り込ませていくかが、FRBに課せられた使命である。

市場が恐れるテーパー・タントラム再来

一方、金融当局には、2013年5月にテーパリング示唆で金融市場が大きく動揺し、株価暴落を招いた「テーパー・タントラム(バーナンキ・ショック)」を引き起こした苦い経験がある。

当時のバーナンキFRB議長は、事前に公表した声明文では「テーパリングは時期尚早」としていたにも関わらず、質疑応答で「資産購入縮小もあり得る」と発言したことがネガティブサプライズとなり、リーマン・ショック以来といわれるほどの株価下落を余儀なくされた。

このような過去の教訓から米金融当局がソフトランディングを図る中、「いつ、どのような規模でテーパリングが実施」され、ビットコインなど仮想通貨を含む金融市場にどのような影響を与えていくのか、今後も注視されることになりそうだ。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/14 火曜日
07:26
トランプ前大統領、10億円相当の仮想通貨を保有か
米トランプ前大統領が10億円相当の仮想通貨を保有していることなどを公表し、Arkhamが著名人の所有額を比較。同氏はミームコインのTRUMPの次にイーサリアムを多く保有している。
06:40
エルサルバドル、ビットコイン保有の追跡サイトを公開
同国は現在5,749.76 BTCの仮想通貨ビットコインを保有しており、565億円に相当する金額だ。
06:20
GameStop株やミームコインが暴騰
仮想通貨市場では「GMCIミーム指数」は、301.1で7.67%上昇。GMEミームトークンは前日比で1,200%以上高騰した。
05/13 月曜日
15:05
リップルCEO「米国政府は、ステーブルコインUSDT発行企業のテザー社を標的にしている」
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはインタビューで、米国政府がステーブルコインUSDTの発行企業テザーに監視の目を強めていることを注視していると語った。
14:32
ユニスワップ創設者ら、SECの仮想通貨規制はバイデンの大統領選に悪影響と指摘
ユニスワップの創設者らは仮想通貨業界に対する米SECの姿勢を批判し、大統領選で現職バイデン氏の再選に不利になる可能性を示唆した。
12:18
JPモルガン、ビットコイン現物ETFの保有が明らかに
米JPモルガンはSECへ提出した書類の中で複数社のビットコイン現物ETFへの投資を報告した。ダイモンCEOはBTCに対して懐疑的な姿勢を保っている。
12:17
冴えない動きの続くビットコイン、15日にCPI控え様子見基調
暗号資産(仮想通貨)相場では、15日にCPI(米消費者物価指数)を控える中、ビットコイン(BTC)やイーサリアム(ETH)相場の様子見基調が強まっている。売り優勢の局面を打開できずにいる。
05/12 日曜日
11:24
来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿
GW明けのビットコイン(BTC)相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ前大統領の異例発言に高い関心
今週は、米フランクリン・テンプルトンによる仮想通貨ソラナのレポート発表、ビットコインの累積トランザクション数の10億件到達、ドナルド・トランプ氏による異例の発言に関する記事が最も関心を集めた。
05/11 土曜日
15:00
ビットコイン上のステーブルコイン発行計画 Taproot Assetsのテストが進行
Lightning LabsのCEOエリザベス・スターク氏が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのブロックチェーンにステーブルコインを導入する新技術「Taproot Assetsプロトコル」について解説。ライトニングネットワークを使った即時、低手数料の国際取引が可能に。
14:00
「Friend.TechなどでBaseがイーサリアムL2を主導」フランクリン・テンプルトン分析
フランクリン・テンプルトンは、仮想通貨ブロックチェーン「Base」がFriend.Techなどソーシャルファイに牽引され、今後も代表的なイーサリアムL2であり続けると予想した。
12:45
日本代表団、スイスのDFINITY本部を訪れる
平将明氏および加納裕三氏を含む日本の代表団がDFINITY本部を訪問。DFINITYが推進するInternet Computerは、高速で広範なブロックチェーンベースのプラットフォームで、スマートコントラクトとデータシャーディングにより、効率的なWeb3アプリの開発を可能にする。
11:20
米SEC、コインベースの仮抗告を却下するよう申し立て
米SECは仮想通貨取引所コインベースとの裁判で新たな書類を提出。コインベースが証券性をめぐり求める仮抗告を退けるべきだと申し立てている。
10:00
著名投資家マーク・キューバン氏、SECゲンスラー委員長を批判
著名投資家マーク・キューバン氏は米大統領選挙で仮想通貨も争点の一つになると意見した。また米SECのゲンスラー委員長に批判を向けた。
09:00
米大手銀ウェルズ・ファーゴ、複数のビットコイン現物ETF銘柄を保有
ウェルズ・ファーゴを含むいくつかの金融大手はビットコインETFが1月にデビューしたのち、それらの取り扱いを開始した経緯がある。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア