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ロシア系の仮想通貨投資詐欺、1,600億円以上のビットコインを詐取か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

Finikoが1,600億円超を詐取か

ブロックチェーン分析企業Chainalysisは1日、東欧における暗号資産(仮想通貨)犯罪に関するレポートを発表。詐欺商法だとして運営者が逮捕されたプロジェクト「Finiko」が、主にロシアとウクライナ地域から、15億ドル(約1,650億円)以上のビットコイン(BTC)を集めることに成功していたと分析した。

Chainalysisによると、Finikoは、2019年12月から2021年8月の間に、80万以上のアカウントで15億ドル相当のビットコインを受け取っており、ロシアでこれまで最大級の仮想通貨詐欺となったという。

2019年に設立され、合法的なビットコイン投資企業を装っていたが、ピラミッドスキーム(ネズミ講の一種)であることが発覚している。

ピラミッドスキームとは

ネズミ講の一種。参加する者に報酬を約束すると共に、参加者が新たなメンバーを勧誘した際にも報酬を支払うとする。一般的に実際の投資事業などは行わず、加入する際に参加者が支払った金額を、既存会員に分配するもの。このスキームが維持されるためには、新たな参加者が無限に登場することが必要とされるため、いつか破綻する。

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事件の経緯

Finikoは、投資家に毎月最大30%という並外れたリターンを約束。また、モスクワ・タイムズによると、創業者の支援により、参加者はアパートや車を割引価格で購入できるとも宣伝していた。

大きなリターンを約束することで投資家を勧誘したが、中でも口コミにより加入した人々が多かった。新しい顧客を連れてきた人には、莫大な紹介料が支払われるため、友人や親戚を引き入れる参加者が続出していたという。

当局は、Finikoが2020年12月に独自の仮想通貨「FNK」をリリースした後に、このプロジェクトを注視するようになった。調査が開始され、2月にはロシア中央銀行が、Finikoは「ピラミッドスキームの兆候」があると指摘している。

6月に、Finikoはすべての取引をFNKトークンに切り替えることを発表。7月に顧客へのすべての支払いを停止し、顧客が同社から資金を引き出せないようにブロックした。その直後、Finikoの運営者は多額の資金を引き出していた。

当局は、7月末にFiniko創設者Kirill Doronin容疑者を逮捕。現在、共犯者として他数名を指名手配しているところだ。

Finikoはテレグラムで7月21日まで活動しており、「OmFin」という新たなプロジェクトも宣伝していた。また、Doronin容疑者を支持する者達がソーシャルメディア上に現れており、容疑者の刑期を短縮するための嘆願書も出回っている。

Chainalysisの分析

Chainalysisによると、東欧を拠点とするアドレスから2020年6月から2021年7月にかけて詐欺プロジェクトに送られた資金は8億1,500万ドル(約897億円)で、西欧に次ぐ規模だったという。

出典:Chainalysis

また、詐欺プロジェクトに送られた資金の大半は、Finikoに送金されていた。Chainalysisによると、Finikoは東欧の他、西欧、アフリカ、アメリカ、中東、アジアなど他の地域からも資金を集めている。

出典:Chainalysis

さらに、東欧は、他の地域よりも、ダークネット市場に送られる仮想通貨が多いことも特徴的だった。これには「Hydra Market」に関わる活動が大きく影響しているという。Hydraは世界最大のダークウェブだが、東欧のロシア語圏ユーザーを対象としている。

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