CoinPostで今最も読まれています

欧州委員会、EUの仮想通貨規制案「MiCA」について今秋の合意呼びかけ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

「できる限り早く健全なルールを」

欧州委員会のMairead McGuinness委員は10日、欧州中央銀行(ECB)フォーラムで暗号資産(仮想通貨)規制に関して説明。EUの統一仮想通貨規制案「MiCA」について、今年の秋に合意するよう、EU加盟国に呼びかけていると話した。

McGuinness委員は、昨今のデジタル資産の台頭と、仮想通貨セクターの進化スピードの速さを踏まえ、「できる限りはやく健全なルールを提供すること」が当局の責務であると述べる。

また、分散型台帳技術(DLT)をベースにした金融商品のパイロットテスト環境を作る案についても、今年中に完成させたいという。

EU圏の包括的規制案MiCA

MiCAとは、「Market in Crypto Assets」の略で、EUが2020年9月に発表した包括的な仮想通貨規制案のこと。

今年6月に行われた改訂では、NFT(非代替性トークン)は規制対象外となり、EU域内を対象に仮想通貨サービスを提供する企業は、拠点をEU加盟国内に置くことが提案された。

また、ECBはステーブルコインに対して、ECBがそのリスクを評価し認可権を有するようにするなど、特に厳格な対応を求めている。

関連NFTは規制対象外、EU仮想通貨規制の改訂案で

ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、法定通貨などに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、DAIやUSTといったアルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

▶️仮想通貨用語集

分散型台帳の規制サンドボックスを提案

McGuinness委員は「イノベーションと規制は相反しない」とも発言。仮想通貨に関して法的な確実性を与えることは、こうした分野で新しいサービスを提供する市場の新旧プレイヤーに必要なものだとした。

仮想通貨発行者やサービス提供者に確固としたルールを設定することで、不正を防止し、市場の安定性を高め、市場に資金を投入する投資家や消費者にとっても恩恵になるとの考えを示している。

また、分散型台帳ベースの市場インフラをテストできる環境(サンドボックス)を用意する案については、イノベーションと安全性のバランスを取りながら、新たな金融サービスを実験できるもので、5年間実施する計画だと述べた。

具体的な例としては、ブロックチェーン上で株式や債券など資産の発行、取引、決済をテストすることを挙げている。

サンドボックスとは

実験を行うことのできる「砂場」の意味。特に、規制上のサンドボックスとは、当局の監督の下で革新的な商品やサービス、ビジネスモデルをテストできるようにする制度のこと。現行法などが限定的に緩和された環境の中で、革新的な企業によるイノベーションを育成することが可能となる。

▶️仮想通貨用語集

デジタルユーロにも言及

McGuinness委員は、中央銀行デジタル通貨(CBDC)についても言及した。

欧州委員会はECBと協力して「デジタルユーロ」がどのようなものになるか、またそのもたらす影響についても慎重に検討しているという。

金融包摂や、ユーロの国際的な役割の強化、イノベーション促進などのメリットがある一方で、プライバシーの問題や既存の銀行に与える影響などを考えていかなければいけないとしている。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア