CoinPostで今最も読まれています

SWIFT、22年1Qにトークン化資産市場の相互運用を実験へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

SWIFTの新たな試み

SWIFT(国際銀行間通信協会)は21日、トークン化資産のマーケットにおける相互運用の実験を、2022年1Q(1月から3月)に行う計画を発表した。

今後10年の間に、トークン化資産と従来の資産が共存するようになると予想。様々な技術や規制のルールが混在するようになると、取引が非効率になるなどのリスクが予想されるため、SWIFTが仲介者としてマーケットをサポートできないか探るという。

SWIFTとは

「Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunication」の略で、銀行間の国際送金を可能にする通信ネットワークを提供する非営利法人のこと。このネットワークには、世界200カ国超の11,000以上の金融機関が接続している。

▶️仮想通貨用語集

SWIFTは今回の発表で、暗号資産(仮想通貨)やステーブルコインと比較するとトークン化資産の時価総額はまだ大きくはないものの、今後数年で普及の勢いが加速すると思われると主張。2027年には市場価値が24兆ドル(約2,700兆円)に達するというデータを引用して、今後予想される勢いを説明している。トークン化資産には株や債券に加え、コモディティ(商品)や不動産、アートなども含まれるとした。

実験では、規制下にある資産のマーケットに特化すると説明。仮想通貨のカストディは行わないし、トークン化資産を直接決済したりもしないと説明。SWIFTはあくまで全ての関係者を効率的に結びつけることをサポートし、顧客がエンドユーザーにより良いサービスを提供できるように努めると、実験の主旨を明確にした。

実験の内容

株などの資産をトークンにしてデジタル化すると、即時発行できたり、小口に分けて発行できたりするメリットがある。小口化することで、より多くの人がマーケットに参加できるようになったり、流動性が高まったりすることも期待されている。

SWIFTは今回の実験で、資産の発行や償還、証券の引渡し(Delivery)と代金の支払い(Payment)両方を行う「Delivery Versus Payment(DVP)」のプロセスを試すという。

DVPとは、証券の引渡しと代金の支払いを相互に条件付けて、一方が行われない限り、他方も行われないようにすることを指す。証券と資金の授受をリンクさせるDVPでは、証券がデジタル化した場合、法定通貨がデジタル化されるCBDC(中央銀行デジタル通貨)の重要性が説かれている。企業間決済のCBDCで重要テーマの1つであり、SWIFTは今回の実験でCBDCも利用するとした。

この実験でSWIFTは、金融大手企業Northern Trustらと協業するという。トークン化資産のマーケットで、様々な分散型台帳技術(DLT)やプラットフォーム、決済をつなぐ役割を果たすことの実現可能性やメリットを探り、実験の結果を共有すると説明している。

関連中央銀行デジタル通貨(CBDC)とは|ビットコインとの違いと主なメリット

SWIFTの有価証券戦略部門のトップは、今回の発表に際し以下のようにコメントした。

 

摩擦のない速い取引を実現するという我々のビジョンは、従来の有価証券だけでなく、新しい資産クラスも対象にする。

 

資本市場を主導するパートナーとの実験は、どうすればトークン化資産のマーケットをシームレスにつなぐことができるかの手順を明確にしてくれるだろう。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/19 日曜日
12:00
ビットトレードのビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーン シバイヌなどが当たるチャンス
暗号資産(仮想通貨)取引所ビットトレードの特別企画。ビットコイン・ピザ・デーを記念して、シバイヌ(SHIB)やドージコイン(DOGE)も含む豪華景品が当たるラッキールーレットキャンペーンが開催される。2024年5月20日から24日までの期間限定。
11:30
オプション市場では6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中、翌週の展望は?|bitbankアナリスト寄稿
CPI発表後のテクニカル分析や6.5万ドルと7万ドルストライクに建玉集中するオプション市場を踏まえ、bitbankのアナリスト長谷川氏がビットコインチャートを図解。今週の暗号資産(仮想通貨)相場考察と翌週の展望を探る。
11:00
週刊ニュース|金持ち父さん著者キヨサキ氏のBTC投資推奨に高い関心
今週は、金持ち父さん著者ロバート・キヨサキ氏による仮想通貨ビットコイン・金・銀投資の推奨、ジャック・ドーシー氏のビットコインについての発言、GameStop株やミームコインの暴騰に関するニュースが最も関心を集めた。
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア