CoinPostで今最も読まれています

米下院、仮想通貨マイニングの電力消費問題で公聴会

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨マイニングの電力消費を議論

米国下院エネルギー・商業委員会は20日、暗号資産(仮想通貨)マイニングについての公聴会を開催した。ビットコイン(BTC)などのマイニングが、エネルギー消費の状況に与える影響や、その解決策をテーマとするものだ。

公聴会には、仮想通貨マイニング企業BitfuryのCEO、データセンター事業を行うSoluna ComputingのCEO、関連分野の研究者など5人が招かれて証言を行った。

証言者からは、仮想通貨マイニングが大量に電力消費するという問題について、解決策としてエネルギーをそれほど必要としないブロックチェーンの活用や、自然エネルギーを推進できる可能性などが提案されている。

Diana Degette下院議員(民主党)は、公聴会の冒頭で、次のようにコメントした。

日常生活における仮想通貨の存在感は、今後も拡大する可能性が高い。関連業界が発展するにともなって、仮想通貨のネットワークにとっては、大量のエネルギー消費の必要性を減らし、環境への影響を最小限に抑える方法を見出すことが非常に重要になる。

証言内容

コーネル大学でブロックチェーン・仮想通貨などを研究しているAri Juels教授は、PoW(プルーフオブワーク)ではなく、PoS(ブルーフオブステーク)を採用することで、ブロックチェーンのエネルギー消費は大幅に低減できると指摘。

具体的には、ビットコインに次いで普及しているイーサリアム(ETH)が、プルーフオブステークへと移行する予定であることに言及した。米国の電力インフラのためには、こうしたプルーフオブステークなどの選択肢を取り入れていく必要があると意見している。

PoS(プルーフオブステーク)とは

保有(ステーク)する仮想通貨の割合に応じて、ブロックを新たに承認・生成する権利が得られるコンセンサスアルゴリズムのこと。取引の承認に高性能なコンピューターが必要で、大量の電力消費を伴うコンセンサスアルゴリズム「Proof of Work(PoW)」の代替手段として生まれた。承認を行うと、報酬として新規発行される仮想通貨を受け取ることができる。

▶️仮想通貨用語集

仮想通貨マイニング企業BitfuryのBrian Brooks CEOは、まず、ビットコインマイニングの電力利用の現状について説明した。

国際エネルギー機関の定義を参照すると、ビットコインマイニングに使用されている電力の約58%は持続可能なエネルギーを活用している。これは、米国の電力網全体の31%と比べて高い割合だという。

さらに、仮想通貨マイニング事業は、過剰な発電能力を持っている太陽光発電や風力発電などに、ベースロード消費を提供することで、それらの自然エネルギー発電所の採算が合うようにできると指摘した。

また、石油掘削の副産物として廃棄されるフレアガスをマイニングに利用する事業者も登場していることや、発電所の近くにデータセンターを設置して、長距離送電の損失電力を削減できることにも触れている。

Soluna ComputingのJohn Belizaire CEOも、Brooks氏と同様の見解を示した上で、仮想通貨マイニングは、一時的に電力網から「オフ」にできることも付け加えた。電力の需要状況に応じて、柔軟にマイニングを停止したり稼働したりできるという。

公聴会の最後に、Degette議員は「まだ答えは見つからない」と発言。「仮想通貨マイニングの電力消費に関する議論は、これからもエネルギー・商業委員会において課題になりそうだ」と締めくくった。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。
09:30
SECの仮想通貨保管ガイドライン覆す決議案、米両院で可決
米連邦議会上院は、下院に続き、SECが発行した仮想通貨の保管に関する会計公報を覆す決議案を可決した。議員やSECがコメントを発表している。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア