CoinPostで今最も読まれています

米司法省、破産したセルシウスの調査をめぐり独立検査官の任命を要請

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

セルシウスの事業体制について調査要請

米国政府の連邦管財官事務所は18日、暗号資産(仮想通貨)融資企業Celsius Network(セルシウスネットワーク)の破産申請に関して独立した検査官を任命するよう求める書類を裁判所に提出した。

連邦管財官は米司法省に所属し、管財人候補者のリストアップ、管財人の監督、債権者集会の招集など破産事件に関する管理行政を行っている。

管財官らは、調査を要請する理由として、仮想通貨通貨市場がまだ新しく、不透明で規制が行き届いていないことを挙げた。また、セルシウスの破産申請に関する事項も透明性に欠けるとして、次のように申し立てている。

債務者が保有する仮想通貨の種類や実際の価値、保有場所について、顧客、利害関係者、市民の間で真の理解が得られていない。

破産制度に対する国民の信頼を維持し、債権者および利害関係者が債務者(セルシウス)に抱く不信感を緩和するために、債務者のビジネスモデル、事業、投資、融資取引、顧客口座の性質について明確な方法で調査し報告する独立審査官が必要だ。

セルシウスは7月上旬に米国裁判所にて破産(チャプター11)を表明している。2022年2Q(4月〜6月)における相場の急落に伴い、顧客資産の入出金停止を表明した後、債務不履行に至っていた経緯がある。

営業、資本、リストラクチャリングといった支出を考慮すると、今年10月には財務状況がさらに悪化し、約53億円の赤字となることが予測されている。

関連破産申請のセルシウス、10月までに現金残高が底を尽く見込みか

米連邦破産法11条(チャプターイレブン)とは

日本の民事再生法に似た再建型の倒産法制度。経営を継続しながら負債の削減などを実施し、企業再建を行う。申請後に債権取り立てが停止され、債務者は負債の整理に取り組み、原則120日以内に再建プランを策定する。

▶️仮想通貨用語集

明確にすべき点を指摘

セルシウスに対しては、元従業員が7月に訴訟を起こしており、「トークンの価格変動に対し、適切なリスクヘッジを行っていなかった」などと訴えているところだ。

管財人らはこうした申し立てを踏まえた上で、セルシウスが未登録証券を提供していた疑惑もあるとしており、もしそれらが事実であれば「さらなる不正を露呈する可能性がある」としている。

また、セルシウスは第三者から融資を受けているが、この貸し手が誰であるか、何を担保としたか、どのように融資が行われたかを明確にしていないと指摘した。

さらに、「債務者の資本構成には、500万ドルを超える無担保債務が含まれている」とも述べ、セルシウスの「ビジネスモデルおよび運営、投資、融資取引、顧客口座の性質」を明らかにする公的な報告書は不可欠だと続けた。

債権者委員会は反対

一方で、セルシウスの無担保債権者委員会は、管財人らの要請に反対している。独立審査官を設けて調査することは、「セルシウスがコストを削減すべき時に、何百万もの費用を消費してしまう」と懸念する形だ。

無担保債権者委員会は、セルシウスのアカウント保有者と無担保債権者の資産を最大限に回復することを目標としている。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/12 日曜日
11:24
来週のビットコイン相場はPPIとCPIに注目、ネガティブならチャネル下限試すシナリオも|bitbankアナリスト寄稿
GW明けのビットコイン(BTC)相場をbitbankのアナリスト長谷川氏が分析。ビットコインチャートを図解し、今後の展望を読み解く。
11:00
週刊仮想通貨ニュース|トランプ前大統領の異例発言に高い関心
今週は、米フランクリン・テンプルトンによる仮想通貨ソラナのレポート発表、ビットコインの累積トランザクション数の10億件到達、ドナルド・トランプ氏による異例の発言に関する記事が最も関心を集めた。
05/11 土曜日
15:00
ビットコイン上のステーブルコイン発行計画 Taproot Assetsのテストが進行
Lightning LabsのCEOエリザベス・スターク氏が、暗号資産(仮想通貨)ビットコインのブロックチェーンにステーブルコインを導入する新技術「Taproot Assetsプロトコル」について解説。ライトニングネットワークを使った即時、低手数料の国際取引が可能に。
14:00
「Friend.TechなどでBaseがイーサリアムL2を主導」フランクリン・テンプルトン分析
フランクリン・テンプルトンは、仮想通貨ブロックチェーン「Base」がFriend.Techなどソーシャルファイに牽引され、今後も代表的なイーサリアムL2であり続けると予想した。
12:45
日本代表団、スイスのDFINITY本部を訪れる
平将明氏および加納裕三氏を含む日本の代表団がDFINITY本部を訪問。DFINITYが推進するInternet Computerは、高速で広範なブロックチェーンベースのプラットフォームで、スマートコントラクトとデータシャーディングにより、効率的なWeb3アプリの開発を可能にする。
11:20
米SEC、コインベースの仮抗告を却下するよう申し立て
米SECは仮想通貨取引所コインベースとの裁判で新たな書類を提出。コインベースが証券性をめぐり求める仮抗告を退けるべきだと申し立てている。
10:00
著名投資家マーク・キューバン氏、SECゲンスラー委員長を批判
著名投資家マーク・キューバン氏は米大統領選挙で仮想通貨も争点の一つになると意見した。また米SECのゲンスラー委員長に批判を向けた。
09:00
米大手銀ウェルズ・ファーゴ、複数のビットコイン現物ETF銘柄を保有
ウェルズ・ファーゴを含むいくつかの金融大手はビットコインETFが1月にデビューしたのち、それらの取り扱いを開始した経緯がある。
08:00
米ARK、イーサリアム現物ETFの申請からステーキング要素取り除く
現在、5月中に仮想通貨イーサリアムの現物ETFが承認される期待はすでに大幅に後退。専門家らはその可能性を2ヶ月前の約70%から25%に引き下げた。
07:30
J・ドーシー氏「2030年のBTC価格は100万ドル超へ」
2030年のBTC価格は100万ドル超まで上昇する可能性があると強気な見方を示すなど、ジャック・ドーシー氏が仮想通貨ビットコインの魅力を語った。同氏は以前からビットコインを支持している。
07:00
ソラナJupiter、モバイルアプリのリリース時期発表
モバイル版の最新情報のほか、Jupiterは第三回のLFG投票の予定についても情報を公開。来週あたりに新たなローンチパッド候補の仮想通貨プロジェクトを公開し、5月22日から投票を開始する。
05/10 金曜日
18:29
SBIとチリーズ、スポーツファントークンで提携
SBIデジタルアセットホールディングスとChilizが戦略的パートナーシップに関する基本合意を締結。日本で合弁会社を設立し、スポーツファンにファントークンを提供する。
18:26
L2 Blastチェーン基盤の分散型取引所「DTX」とは トレーダーの優位性を解説
暗号資産(仮想通貨)デリバティブトレーダーの間で関心の急増する分散型取引所「DTX」のメリットや優位性を解説。DTXはイーサリアム(ETH)レイヤー2のBlast(ブラスト)チェーン基盤であり、DTX Fuelによるエアドロップも示唆されている。
18:10
NTTドコモ、新会社設立でWeb3・AI事業など強化へ
株式会社NTTドコモは2024年7月に新会社「NTTドコモ・グローバル」を設立する計画を発表。NTT Digitalも傘下に集約し、Web3やAIを活用したグローバル事業を強化する。
14:48
バイナンス、大口顧客DWF Labsによる市場操作報道を否定
大手仮想通貨取引所バイナンス(グローバル版)は、ウォール・ストリート・ジャーナルが報道した、同社のVIP顧客DWF Labsによる市場操作と内部調査に関する疑惑を強く否定した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア