CoinPostで今最も読まれています

カナダ当局 「ChatGPT」開発会社OpenAIを調査 プライバシー保護の観点で

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

カナダがOpenAIを調査

カナダの個人情報保護委員会(CPC)は4日、AI言語モデル「ChatGPT」を開発した米国OpenAI社に対して調査を開始したことを発表した。

CPCのフィリップ・デュフレーヌ委員長によると、この調査は「ChatGPTが同意のない個人情報の収集、使用、開示している」との苦情を受けての対応となる。

ChatGPTは、インターネット上の情報を利用し、ユーザーが投げかけたクエリに対して会話形式で回答を提供するチャットボット。23年2月1日時点で、月間ユーザー規模は1億人を超えていた。OpenAIに多額の出資を行うマイクロソフトは、同社のAI技術を検索エンジンやオフィス関連ソフトに統合している。

しかし、ChatGPTは3月20日に顧客情報が流出する事態が発生。ChatGPTの開発企業米OpenAI社はユーザーのチャット履歴が他者に表示されるバグが発生したことに対処するため、サービスをオフラインにしたことを24日に公表していた。一部有料ユーザーのクレジットカード番号(下4桁)や住所などの個人情報が漏洩したという。

CPCのデュフレーヌ氏は人工知能によるプライバシーへの影響は最優先課題であるとして、「動きの速い技術の進歩」に先んじて行動する重要性を強調した。調査結果は公表される方針だ。

関連:イタリア当局がChatGPTに一時制限、データ保護違反と対策不足の疑いで調査開始

AI開発への政府対応

「ChatGPT」が22年11月にリリースされて以来、人工知能はテック産業の重要テーマとなっている。技術大手による開発競争が激化する一方で、内部構造や動作原理が外部からは観測できないブラックボックス性から、プライバシー侵害や、倫理・社会的懸念が高まっている。

AI規制を求める声が日増しに大きくなる中、主要国政府はChatGPTのようなジェネレーティブAIソフトウェアに対する規制策を検討している。

欧州では、イタリアのデータ保護当局がEU(欧州連合)の一般データ保護規則(GDPR)違反の疑いがあるとして、ChatGPTに対して一時的に制限を課した。Garanteは、ChatGPTが個人データの大規模な収集と保存を正当化する法的根拠がないと批判。また、ユーザーの年齢確認のチェック機能がないことを指摘した。

これに続いて、ドイツ、フランス、アイルランドのデータ保護担当委員も同様の措置を検討していると報じられている。

米国では、ジョー・バイデン大統領と科学技術諮問委員会の4日の会合で、人工知能開発に伴うリスクと機会について議論された。

バイデン大統領は、ハイテク企業に製品の安全性確認の責任があると指摘し、潜在的な社会、経済、国家安全保障へのリスクへの対処が必要だと強調。また、責任あるイノベーションと適切なセーフガードの確保、子どもの保護やデータ収集抑制のための法律制定を議会に要請すると述べた。

ChatGPTはまた、公正取引を監督・監視する米国連邦取引委員会(FTC)でも問題視されている。FTCに提訴された文書で、AIの倫理、社会的影響、プライバシー問題に対処する非営利研究機関「AIデジタル政策センター(CAIDP)」がChatGPTをプライバシーと公共の安全に対するリスクだと主張した。

CAIDPはまた、透明性、公平性、明確性を求めるFTCのガイドラインに準拠するまで、今後のAI言語モデルのリリースを凍結することを求めた。

これに対し、マイクロソフトの共同創業者であるビル・ゲイツ氏は、人工知能の開発を一時停止するような呼びかけが、今後の「課題の解決」に繋がらないと語っている。

関連:マイクロソフト、「ChatGPT」開発のOpenAIに1.3兆円を出資か

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/14 火曜日
18:00
オントロジー DIDソリューション普及のため、15億円規模の基金を設立
分散型ID(DID)とデータ共有を可能にする高速で低コストのブロックチェーンプラットフォーム、オントロジーは1,000万ドル規模の「Ontology DID FUND」を設立。プロジェクト提案は専用フォームから迅速に申請可能。
14:23
ビットトレードがシバイヌ貸して増やすの特別募集を開始
ビットトレードが年率48%のシバイヌ(SHIB)の貸して増やす・貸暗号資産の特別募集を開始。さらに、ビットコイン・ピザ・デー記念キャンペーンでAmazonギフトカードが当たる施策も実施中。
14:17
SBI VCトレード、アプトス、ヘデラ、ジパングコインを新規上場へ
SBI VCトレードが暗号資産(仮想通貨)アプトス(APT)、ヘデラ(HBAR)、ジパングコイン(ZPG)の取扱いを開始へ。販売所や貸コインなど、フルラインナップサービスを提供します。ステーキング銘柄取扱い数は、国内最大級となる。
13:00
テザー社CEO、リップル社CEOを非難
ステーブルコインUSDTを発行するテザー社のパオロ・アルドイノCEOは、「米国政府はテザーを狙っている」というリップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOの発言を強く非難する声明を出した。
12:36
CPI控えビットコイン様子見基調、縮小するコインベース・プレミアムが示唆するものは
暗号資産(仮想通貨)市場では命運を握る15日のCPI(米消費者物価指数)発表を控えポジション調整の動きが散見された。一部アナリストは、コインベース・プレミアムの縮小を根拠にエントリーのタイミングを見計らっている。
11:30
OpenAI、生成AIの革新的ニューモデル「GPT-4o」公開
ChatGPT開発で知られるOpenAIは「GPT-4o」と呼ばれる新たなAIモデルを公開した。音声、画像も入出力可能で、人間とより自然なやり取りができる。
10:47
R・キヨサキ氏、仮想通貨に関するBRICSの動向に注目
『金持ち父さん 貧乏父さん』の著者ロバート・キヨサキは、BRICSによる金を裏付けとする仮想通貨発行の噂に注目していると指摘。ビットコイン・金・銀への投資を推奨した。日本では、老後4000万年問題が取り沙汰されている。
09:50
中国の警察、仮想通貨による400億円以上の違法取引を摘発
中国吉林省の警察は、仮想通貨を使用して400億円規模の違法な人民元・韓国ウォン取引を行っていた疑いで犯行グループを摘発した。
08:45
ArbitrumとBase利用のレイヤー3チェーンDegen Chain、24時間以上稼働停止
「Degen Chain」という仮想通貨イーサリアム系のレイヤー3ネットワークは、24時間以上トランザクション処理が停止している。このブロックチェーンはArbitrumとBaseを利用している。
08:00
Jupiterローンチパッド投票第三弾、deBridgeなどが参加
仮想通貨ブリッジサービスのdeBridgeは今回の有力候補とされている。これまで20億ドル相当のブリッジボリュームを記録し500万ドル以上の手数料を徴収してきた。
07:26
トランプ前大統領、10億円相当の仮想通貨を保有か
米トランプ前大統領が10億円相当の仮想通貨を保有していることなどを公表し、Arkhamが著名人の所有額を比較。同氏はミームコインのTRUMPの次にイーサリアムを多く保有している。
06:40
エルサルバドル、ビットコイン保有の追跡サイトを公開
同国は現在5,749.76 BTCの仮想通貨ビットコインを保有しており、565億円に相当する金額だ。
06:20
GameStop株やミームコインが暴騰
仮想通貨市場では「GMCIミーム指数」は、301.1で7.67%上昇。GMEミームトークンは前日比で1,200%以上高騰した。
05/13 月曜日
15:05
リップルCEO「米国政府は、ステーブルコインUSDT発行企業のテザー社を標的にしている」
リップル社のブラッド・ガーリングハウスCEOはインタビューで、米国政府がステーブルコインUSDTの発行企業テザーに監視の目を強めていることを注視していると語った。
14:32
ユニスワップ創設者ら、SECの仮想通貨規制はバイデンの大統領選に悪影響と指摘
ユニスワップの創設者らは仮想通貨業界に対する米SECの姿勢を批判し、大統領選で現職バイデン氏の再選に不利になる可能性を示唆した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア