CoinPostで今最も読まれています

仮想通貨常識を変える、次世代の資金調達方法STOの潜在能力:IPOとの競合の可能性も

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ICOからSTOへ
昨年、ICOブームを経て様々な詐欺紛いのようなプロジェクトが溢れ出ていたが、新たな資金調達法としてSTO(セキュリティトークン・オファリング=Security Token Offering)が注目を浴びている。
STOの大きな可能性とは
株をはじめ、債権、社債、オプションなど法的に証券というカテゴリーに分類されるものは、すべてトークン化できると言われている為, STOを応用できる分野は広く、その大きなポテンシャルに期待が集まっている。

新たな資金調達法

2017年に爆発的な盛り上がりを見せたICOによる資金調達は、2018年も上半期だけで既に昨年の資金調達額の2倍に達するなど、勢いは衰えていないようにも見受けられます。

しかし、プロジェクトが頓挫しているICOの存在や、未だに取引所に上場を果たしていないトークンが多いことなどから、詐欺的なものも多いと指摘され、世界各国の規制当局が早急に規制整備を進めてきており、ICO実施のハードルは高くなってきています。

実際、8月に行われたICOの資金調達された金額は今年最低を記録しました。

そんな中で、注目を集めている新たな資金調達の方法が、STO(セキュリティトークン・オファリング=Security Token Offering)です。

ここでのセキュリティとは有価証券を意味し、STOとは、証券型トークンの新規公開を指しています。

証券型トークンは、従来の証券に似た性質を持ち、何らかの具体的な資産の裏付けを持っているブロックチェーン上のトークンで、法的には各国の証券法の下で適切に規制されることが予想されます。

そのため、投資家の懸念である規制の不確実性は払拭され、同時に、導入を検討しているプロジェクトや企業にとっては、規制の準拠方法がより明瞭になる利点が生まれます。

トークン化とは、資産の権利をブロックチェーン上のデジタルトークンに変換して公開するプロセスと定義できますが、将来的には、不動産、絵画をはじめとする芸術作品、著作権などまで、あらゆる資産クラスのものがトークン化される可能性も度々予想されています。

トークン化の未来

現段階でも、株をはじめとした、債権、社債、オプションなど、法的に証券というカテゴリーに分類されているものは、すべてトークン化できると言われているため、STOが将来的に適応できる分野は広く、その大きな潜在力に期待が集まっています。

スタートアップだけではなく、一般企業も、証券取引所に株式を上場する代わりに、自社の証券をトークン化するという方法が、新たな資金調達方法として、一般的になる可能性も十分に考えられます。

また、従来の株式公開(IPO)と比較すると、STOにかかる費用は、低く抑えられることから、IPOと競合する方法として発展する可能性もあります。

企業は、証券型トークンを用いることで、その基盤となる資産をより小さな単位に分割することができるようになり、小口での分割所有が可能になることから、単価が高く参入できなかった投資家層に間口を広げ、流通市場での取引も容易になり、市場の活性化も期待できます。

スマートコントラクトを組み入れることにより、法の遵守や契約内容を基本的に自動化することが可能になると、手数料等のコスト削減はもとより、決済時間の短縮などにより、流動性を高める効果も期待できます。

さらに、24時間、休むことのないグローバル市場で取引されることで、証券型トークンは、より高い流動性を持つことになります。

そのため、トークンを迅速に清算することを希望する企業や投資家にとっては、従来のIPOよりも、デジタルトークンがより魅力的な資金調達および投資手段となる可能性もあります。

このように、大きな可能性を持つSTOですが、これから順調に発展していくためには、各プロジェクトと各国の規制当局の連携が欠かせないことは、いうまでもありません。

個々のトークンの持つ特徴により、同一の規制の枠に収まりきらない可能性もあるため、規制当局側の柔軟な対応が望まれます。

健全な市場形成には、本人確認や資金洗浄対策等の投資家保護はもちろん重要ですが、真のリスクは、規制の欠如よりも、過剰な規制や、不適切な規制で、革新的な技術開発の息の根を止めてしまうことかもしれません。

CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
05/18 土曜日
21:00
Clearpool Prime、アバランチでデビュー RWA対応のプライベート・クレジット市場
Clearpool Primeがアバランチでローンチし、RWA分野に新たな進展。機関投資家向けに安全かつ効率的な取引環境を提供するプライベート・クレジット市場。
17:20
バイナンス上場銘柄の80%が価値低下、ミームコインは異例の上昇 過去6か月の分析
31トークン分析が示す課題 暗号資産(仮想通貨)取引所バイナンス(グローバル版)で、過去6か月に新規上場したトークンの80%以上が、その後に価値を落としていることがわかった。ミ…
13:00
米国のビットコイン現物ETFへの5月の流入額、4月の流出上回る
ブルームバーグのETFアナリストは、5月に入ってからの米国ビットコイン現物ETFへの流入は、4月の流出を埋め合わせたと指摘した。
11:10
米下院、SECの仮想通貨規制役割明確化の「FIT21法案」を採決へ
米国下院は、仮想通貨に対する規制を明確化し、CFTCに追加権限を与える「21世紀のための金融イノベーション・テクノロジー法」の採決を行う。
10:15
米コインベース、「来週イーサリアム現物ETF承認確率は30~40%」
米仮想通貨取引所コインベースはイーサリアムの今後を予測するレポートを発表した。ETH現物ETFが承認される時期などについて分析している。
08:50
仮想通貨取引所クラーケン、欧州でUSDT非対応を検討
テザーCEOは最近、MiCA規制を批判し、仮想通貨USDTで規制を受けるつもりはないと述べた。この姿勢が、欧州で事業を行っているクラーケンが、それらの通貨ペアの提供を停止する理由と見られる。
08:00
「仮想通貨上昇の鍵はマクロ経済」コインベース分析
仮想通貨相場上昇の鍵は今もマクロ経済であるとコインベースは分析。他にも、イーサリアム現物ETFの審査など規制動向も注視すべきだとした。
07:10
ソラナ価格、月末までに200ドル復帰か ヘッジファンド創設者が予測
仮想通貨ソラナの今後の価格について、ヘッジファンドSyncracy Capitalの創設者は強気な予測を示した。その根拠とは?
06:10
zkSyncエアドロップ期待再燃、分散化加速のアップグレードを実施予定
zkSyncは未だ独自の仮想通貨をリリースしていないが、主要zkロールアップであるライバルのStarkNetは2月にエアドロップを実施した。
05/17 金曜日
17:34
東京ビッグサイトで第5回ブロックチェーンEXPO【春】開催へ 無料申し込み募集開始
東京ビッグサイトで、日本最大級のブロックチェーン専門展である第5回ブロックチェーンEXPO【春】が開催されます。最新の研究からアプリケーションまで、ブロックチェーン技術のすべてが一堂に出展するイベントは必見です。
13:00
ワールドコイン、秘匿化技術で生体認証データの保護・オープンソース化を発表
暗号資産(仮想通貨)でベーシックインカム実現を目指す、ワールドコイン・ファンデーションが生体認証データ保護にSMPC技術を導入。そのシステムをオープンソース化した。セキュリティとプライバシーを強化するとともに、システムの普及拡大を目指す。
12:32
短期トレンド変化のビットコイン続伸なるか、ミームコインが牽引する場面も
CPI発表で急反発を見せた暗号資産(仮想通貨)相場ではビットコイン(BTC)が下降チャネルをブレイクアウトした。16日には賛否両論渦巻くミームコインが相場を牽引する場面も。
12:00
世界最大の証券清算機関DTCC、チェーンリンク活用した「Smart NAV」を実験
世界最大の証券清算・保管機関DTCCは、チェーンリンクを活用した「Smart NAV」の実証実験を行った。JPモルガンなど金融大手10社が参加している。
11:10
Slash Fintech、暗号資産決済でVプリカ販売サービス開始 NFT特典も実施中
Slash FintechがVプリカ販売サービスを開始。暗号資産(仮想通貨)決済でVプリカ購入可能。特典としてSlash Genesis NFTをプレゼント。利用方法から使い方まで解説。
10:00
ブラックロックのビットコインETF、アナリストが高評価
ブラックロックの仮想通貨ビットコインETFの購入者数は記録的な数字であると、ブルームバーグのシニアアナリストが高評価。レポートが提出され、ビットコインETFのパフォーマンスを分析した。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア