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仮想通貨デリバティブ商品の拡大、仮想通貨市場への更なる巨大資金流入

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相次ぐビットコイン派生商品
米SECによるビットコインETFの承認が降りない中、大手投資銀行による仮想通貨デリバティブ取引への参入が注目を集めてきています。近頃の相次ぐ大手金融機関によるビットコイン派生商品の提供予定に関する報道に、市場は好意的な反応を見せているようです。
ビットコイン派生商品による市場への資金流入の加速
ビットコイン派生商品の誕生は現在、規制の不確実性や、現物取引のカストディ面に対する不安要素などから未参入だった機関投資家が、安心して仮想通貨投資に参入できるような道筋を作ることに繋がり、新たな資金流入が加速する可能性があります。
デリバティブ取引とは
デリバティブ取引は、何らかの資産に係る数値に連動して価格が変動する契約で、高い収益性を追及する手法として考案されました。大きく分けて先物取引、オプション取引、スワップ取引の3種類に分類されます。

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相次ぐビットコイン派生商品

昨年の飛躍的な成長とは対照的に、低迷が続く2018年の仮想通貨市場にあって、相次ぐ大手金融機関によるビットコイン派生商品(デリバティブ)の提供予定に関する報道に、市場は好意的な反応を見せています。

仮想通貨全体の時価総額は、先週、今年最低額を記録した後、現在は22兆円へと緩やかに回復しています。

仮想通貨市場の拡大に寄与する規制上の重要な転換点として注目が集まっていた、米国証券取引委員会(SEC)による、年内のビットコインETF承認の可能性が遠のく中で、機関投資家からの新たな資金流入につながると期待されているのが、大手投資銀行による仮想通貨デリバティブ取引への参入です。

先週、米シティグループによる「デジタル資産証券」(DAR=Digital Asset Receipts) と呼ばれる新しい仮想通貨デリバティブ商品の開発と、また同じく米モルガン・スタンレーによるビットコイン先物に基づくデリバティブ商品の提供が準備されていると、相次いで報じられました。

それに先立ち、投資銀行最大手であるゴールドマンサックスもビットコインのデリバティブ開発に意欲を見せていると、報道されています。

このような金融派生商品は、ビットコイン現物に対して「合成ビットコイン」と呼ばれ、ビットコインの信奉者層からは、軽侮の念を持って語られるようです。 

分散化することで個人が自身の財政をコントロールする力を取り戻すことを目指すビットコインが、大手金融機関によって提供されるデリバティブ商品によって、再び、中央集権的な支配を受けてしまうことを危惧する声も聞かれます。

しかし、現実的には、仮想通貨市場がこのような「合成物」であるデリバティブ商品から大きな影響を受けることは、昨年末のビットコイン先物の取引開始や、ETF可否判断のニュースが市場に与えた事例を見れば、明らかだと言えます。

ビットコイン派生商品による市場への資金流入の加速

一連の仮想通貨デリバティブ商品が提供されることにより、機関投資家からの新たな資金流入が見込め、仮想通貨への需要が増すことにより、資産価値が上昇すると考えられるため、すでに仮想通貨投資を行っている投資家にとっては、朗報と言えるかもしれません。

機関投資家にとってデリバティブ商品が魅力となる理由は、これらの商品が規制に準拠したものであり、大手金融機関が提供することで「お墨付き」を与えられたものと認識されることでしょう。

昨年末、ビットコイン先物というデリバティブ商品の取引が開始されたときと同様、「合成ビットコイン」は、現在、規制の不確実性や、現物取引のカストディ面に対する不安要素などから、参加できない機関投資家が、安心して仮想通貨投資に参入できるような道筋を作ることに繋がるのです。

ロンドンに拠点を置く仮想通貨投資会社、CoinSharesのリサーチ部門責任者であるChristopher Bendiksen氏は、仮想通貨デリバティブに対し、次のような見方を述べています。

”合成商品”は、基礎となる原資産との交換や決済が可能でないがゆえに、参入が制限されている資本に対する経路を開くことになる。 さらに、”合成仮想通貨商品”は、すでにカストディ機能が内包されているため、投資家自ら(仮想)資産を保管管理する必要がなくなり、技術的な障壁からも解放してくれる。

大手金融機関の仮想通貨に対するアプローチは、この1年で大きな変貌を遂げました。

ビットコインは詐欺」発言に始まり、「ビットコインはバブル」「仮想通貨に本質的価値はない」などの、非難が大半を占めていたアメリカの大手投資銀行は、今では、こぞって仮想通貨関連商品の開発に勤しむまでになっています。

私たちは、歴史的瞬間に生きているのでしょうか。  

ニュージーランドに拠点を置くブロックチェーン投資持株会社であるTechemy社 CEOのFran Strajnar氏は、次のように述べています。

Strajnar氏は、主要金融機関が仮想通貨スペースへの参入することによってもたらされる大きな恩恵は、利用可能な巨額な資本の急速な増加であり、長期的にみると、インフラやプロジェクト開発のための活発な投資が行われるとしました。

そして最終的には、仮想通貨が目指した、自由なグローバル通貨となる可能性も秘めていると同氏は指摘しています。

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