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米コインベース、SECによる分散型取引所規制案に異議

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「DEXに従来通りの規制は適用できない」

米暗号資産(仮想通貨)取引所コインベースは13日、米証券取引委員会(SEC)に書簡を提出。分散型取引所(DEX)を中央集権型取引所と同様に規制する提案に反対した。

これはSECが公開した規制案に対して意見するものだ。書簡を執筆した、コインベースのポール・グレワル最高法務責任者は、趣旨について次のように説明している。

SECが提案したルールは、取引所の定義を拡大して、分散型取引所も対象とすることを目的としているが、この提案は採用されるべきではない。

国内の証券取引所と同じ方法で、分散型取引所に事業登録を要求することは不可能だ。不可能なことを要求することは行政手続法(APA)に違反する。

分散型取引所(DEX)とは

ブロックチェーン上に構築される非中央集権型取引所。「分散型取引所」の英訳である「Decentralized EXchange」から「DEX」とも呼ばれる。中央管理者を介さずに当事者間で直接取引を行うため、管理者に支払う手数料が不要で、その他に流動性が低い、秘密鍵をユーザーが管理するなどの特徴がある。

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グレワル氏は書簡で、性質上、分散型取引所へ既存のルールを当てはめることは不可能に見える状況で、SECはどのようにルールが適用されることになるかを説明していないと指摘。SECは、単に「適用される」とだけ述べていると続けた。

以前より、コインベースやその他の企業などが、こうしたルールの遵守不可能性や実質的な問題を具体的に指摘しているにも関わらず、SECはその姿勢を改めていないとも申し立てている。

SECによる提案の問題点

グレワル氏は、分散型取引所が従来の取引所と異なっている点を説明しており、一例としては以下のような指摘がある。

真の分散型システムは存在しても、コンプライアンスに責任を負うことができる単一の組織があるわけではない。ある個人やグループが分散型取引所に関する何らかの情報を提供できるということは、そうした人々が集中型取引所の運営者と同等の立場にあり、同じ義務を負うべきことを意味するものではない。

分散型取引所が立ち上げられると、通常はガバナンストークン所有者間の合意によってのみ、その仕様変更などを行うことになるとも説明した。

分散型取引所は、自律分散型組織(DAO)によって運営されることもあるが、こうした組織は集中化された調整システムや階層的リーダーシップを持たないため、証券法上で組織を「管理」する主体とは異なるとしている。

SECは、取引所を管理する「グループ」が見付かる可能性があると論じているが、実際に管理組織とはどのようなものか定義していないとも続けた。

グレワル氏は、真の分散型システムの場合には、SECが規制する可能性のある唯一の「グループ」とは、ガバナンストークン所有者のグループであろうと述べる。

だが、トークン保有者の一人一人は、幅広いコンプライアンス義務を行えるような環境を整えているとは限らず、分散型取引所を一人だけで管理しているわけでもなく、証券の専門家でも、関連企業の執行役員でもないと指摘した。

ガバナンストークンとは

分散型プロトコルの運営について、ユーザーをはじめとする関係者が投票するためのトークンである。

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