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米国の経済制裁対象国ベネズエラ、仮想通貨マイニングファームへの電力供給停止へ

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

電力需要対応でマイニング停止へ

南米ベネズエラの電力エネルギー省(MPPPE)は17日、電力需要が逼迫しているとして、国内のすべての暗号資産(仮想通貨)マイニングファームを電力システムから切り離すと発表した。地元メディアが報じた。

電力エネルギー省は、この措置により、ベネズエラ国民全員に効率的で信頼性の高い電力サービスを提供し続けることができると述べている。

ベネズエラでは2009年以来、電力問題がたびたび発生しており、2019年には大規模な停電により、複数都市で7日間電力供給が停止されたこともある。当局は、こうした問題を解決するためにも、ビットコイン(BTC)など仮想通貨マイニング事業者の電力消費を止めることが必要と主張する形だ。

16日には、ベネズエラのアラグア州で少なくとも2,000台の仮想通貨マイニングマシンが押収されている。

ベネズエラでは、ビットコイン(BTC)などの仮想通貨が、インフレや法定通貨ボリバルの価値低下に対するヘッジとして普及しているところだ。

4月には、ベネズエラ政府が米国による石油制裁の再発動に伴い、仮想通貨の利用を増やす計画だと伝えられた。以前より石油取引の決済にステーブルコインUSDTを導入していたが、これを拡大している。

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ステーブルコインとは

価格が常に安定している(stable)仮想通貨を指す。ステーブルコインは暗号資産の一種で、BTCやETH、XRPなど変動性のある資産とは異なり、米ドルなどに裏付けられその価値を保つことが目的だ。米ドルの裏付けによるステーブルコイン(USDT・USDC)のほか、アルゴリズムを利用するステーブルコインもある。

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汚職撲滅キャンペーンも背景か

今回の措置は、ベネズエラ政府が2023年に開始した汚職撲滅作戦に関連しているとも伝えられるところだ。昨年3月には、国営石油会社PDVSA、ベネズエラ仮想通貨監督局の職員数十人が逮捕された。

当時、ベネズエラのタレク・ウィリアム・サーブ検事総長は、容疑者は仮想通貨関連事業の買収を悪用して、不正に石油事業を行っていたと説明していた。

この際の逮捕者の中には、仮想通貨監督局のホセリット・ラミレス・カマチョ長官も含まれている。

さらに今年4月には、元石油大臣で国営石油会社PDVSAのトップでもあったタレック・エル・アイサミ氏らが、仮想通貨と現金を使用して国の規制を回避しマネーロンダリングを行った容疑で逮捕された。

現在、ベネズエラの仮想通貨監督局は、再編成のための特別委員会の管理下にある。

独自仮想通貨「ペトロ」を廃止

ベネズエラは2018年、通貨価格の安定や米国の制裁回避のために独自の仮想通貨「ペトロ」をローンチしていた。石油を裏付け資産とする資産だ。しかし普及が進まず、2024年1月に取引可能な唯一のプラットフォームが廃止している。

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