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ビットコインキャッシュ急騰が相場をけん引 上昇相場に一定の規則性|仮想通貨市況

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

仮想通貨市況
仮想通貨上昇相場はついに6日連続で継続し、直近2ヶ月の安値水準を脱した。ビットコインキャッシュは本日、前日比で70%高を超える急騰を記録し、これまで確認されていたけん引要因として市場全体の上昇相場を後押しした。

仮想通貨市況

ビットコインがさらに高騰し、6日連続で上昇相場を継続している。

現時点での底値16日未明からbitFlyer BTCJPY建で31.18%高を記録、直近二週間最高価格を更新した。

ビットコインはテクニカル指標で見ても一時的に反落することはあるとの見方もあったが、ここまで上昇の勢いが伸びている背景には、急騰を繰り返すビットコインキャッシュ(BCHABCとBCHSV)の存在がある。ある意味で去年の暴騰相場に似た高騰が続いている

昨日の仮想通貨市況でも紹介したように、Coinbaseなどビットコインとビットコインキャッシュの両通貨をフィアット建ペアで提供している取引所で価格推移を比較した場合、ビットコインキャッシュの上昇が他の通貨より先に上昇する相場けん引要因になっている。

ビットコインキャッシュが相場をけん引

ビットコインキャッシュは、11月の分裂後BitcoinABCとBitcoinSVに別れ、各通貨の不透明性が一時的に拭えない状況と市場全体の地合いの問題が合わさって極めて高い下落率を記録していた。

分裂後に価格も別れてしまったビットコインキャッシュの下落率をABCとSVを合算(bitfinex)してみると、分裂後から76%強の下落幅であったことがわかる。ビットコインは下落前水準から50.6%安であることから、より売られていた事は明白だ。

しかし、下落相場が一服してからのビットコインキャッシュの勢いは極めて強く、すでに7日間で140%高を更新、売られ過ぎていた状況からの戻す勢いが強まっている傾向を示している。(本日も日間最高値到達時は前日比70%越えを記録)

出典:CoinMarketCap

Bitcoin.comの分析では、今回のBCH暴騰の引き金になったのは、ビットコインキャッシュ歴史上3番目に大きいBitstampの取引高上昇であることを挙げている。また20日時点も更に出来高が上昇し、昨年末の暴騰相場以来となる歴史上2番目の出来高上昇を記録した。

トレンド転換の指標

ビットコインは強気を維持しつつ、順番に3900ドルと4000ドルのサポートラインを上回って推移し、出来高も価格の上昇に伴って価格が上昇している重要な地合いのいい相場を維持している。

2017年末の上昇相場は、当時「ブル(強気)相場」が形成するチャート(フラグポール)を突破し、ほぼ直接5000ドルから2万ドルへ上昇したが、今回の上昇では、未だトレンドが転換したと言い切れる結論は、価格と強気相場のインジケーターによっては、まだ明確にはつかない状態でもあるといえる。

しかし、先週記録した15ヶ月の最安値3122ドル(≒34万円)の安値水準からは大きく値を戻しており、『売られ過ぎ』の(下落水準前から50%安越え)状態からは反発を記録している格好だ。

一つの指標としては、相場反転タイミングとしても、日足のパラボリックが転換してから勢いが増しているため、2018年の年初から相場反転タイミングとして注目されていた「相場のトレンド転換点を計るトレンド追随型のテクニカル指標」が、上昇トレンドの転換が注目されている場面で、より顕著に相場に影響している可能性は考えられるだろう。

パラボリックとは

パラボリックとは、トレンドが継続しているか転換するかを計る際に有効なトレンド系テクニカル指標。

チャート上の価格帯の下に丸い玉があれば上昇トレンド、価格帯の上に丸い玉があれば下落トレンドとなる。

▶️CoinPost:仮想通貨用語集

相場を押し上げたファンダメンタルズ要因

相場を更に押し上げる要因として、発表された重要なファンダメンタルズ要因は、「仮想通貨に定義を作る法案が、米国会に提出」されたことだろう。

米国会下院議員の共和党Warren Davison議員と民主党Darren Soto議員は米木曜、仮想通貨を有価証券という定義から分離させる法案を、下院(House of Representatives)へ正式に提出をした。

当法案は『トークン分類法 2018』と名付けられ、仮想通貨を【デジタル・トークン】として明文化している。

当法案の重要点は、仮想通貨が有価証券(エクイティ)と定義されない事を示しており、これまで既存の金融法に当てはめて仮想通貨を定義する動きがあった中で、仮想通貨特有の特徴を考慮した上で、仮想通貨を定義するというもので、これまで問題化されていた有価証券の該当の有無などを左右する極めて重要な動きが明らかになった。

特に海外の動きを参考とする日本政府の動きにも大きく左右する可能性がある。 すぐに法案が可決する可能性は低いが、これまで日本でも既存のどの法律に当てはめるかという動きがメインであり、このような動きが米国で出てきたことは、日本を含めた世界全体の仮想通貨に関する法律を見つめ直す動きにつながるかもしれない。

詳しい内容は、以下の記事で解説しているため、ご覧いただければ幸いです。

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米時間木曜日、米国会下院議員Warren Davison氏とDarren Soto氏は『トークン分類法』という米国初仮想通貨を法的に定義する法案を正式に提出した。最大の特徴は、仮想通貨を有価証券から分離させること。この動きは、全体仮想通貨業界に極めて良い知らせと期待されている。

マイニング収益分岐点

また、今回の価格上昇で大きな変化が起きると考えられるのが、マイニングの収益分岐点だ。

収益分岐点で厳しい状況に置かれていたとされるマイニング業者だが、今回の価格上昇と下落後からハッシュレートが下がった状況下で3度行われたデフィカルティアドジャストメント(難易度調整)の影響で、再度収益率が大きくが復調していることが、相場のプラス材料となっている。

加重平均で算出する収益分岐率は、明確に各電力やマシン性能などによって大きく左右されるが、メイン機種の一つであるS9でも電力費の良い状況下では稼働できる水準まで戻っていることが予想される。

実際の難易度調整の状況は、相場急落から2度の難易度調整では11月16日に−7.39%、12月3日に−15.13%の調整が行われ、18日にも更に−10%程度の調整が行われていた。

マイニング収益率と企業収益の悪化と、仮想通貨価格下落が悪循環を生み出したように、今回の上昇相場の動きの中で好循環が生まれようとしている。

専門家の見解:今回の上昇は本物との意見も

今回も最新の専門家の見解をまとめて掲載。

元ゴールマンサックスの責任者がみる長期上昇

今回の相場反発に関して、元ゴールマンサックスの責任者マイク ノボグラッツ氏は、長期的上昇に関する発言に同調していることが明らかになった。

今のビットコインは、昔の電子有価証券取引が開始した状況に酷似している。

まだ早い段階で、今後も多くのビジネスチャンスがあり、経済により大きな影響をもたらしうるだろう。

また、同氏は今回の上昇相場は、短いラリーが続いており、本物であると言及している。

機関投資家の参入要因として挙げているのは、来年年初に参入またはローンチを控えているBakktのBTC先物とフィデリティのサービスローンチだ。

CoinbaseのCOOが見る相場のリバウンド要因

米大手仮想通貨取引所Coinbaseの最高責任者を務めるAsiff Hirji氏は、CNBCの経済番組FastMoneyに出演し、ビットコインをはじめとする相場の強気反発に関して、以下のようにコメントを述べている。

一年前は、ファンダメンタルズ(材料)の要素が欠如しながらも2万ドル(≒200万)へ達したが、今はれっきとしたファンダメンタルズ要因があるので、反発するのはもはや当然だろう。

今年は、今までのない仮想通貨における技術の革新が多く見られている。

ブロクッチェーン界隈のエンジニアの人数、プロジェクト数なども歴史上最大となっている。

なので、総悲観は長期的なものではない、しかし、わけもなく高騰することにも気をつけないといけないだろう。

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