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騒動の渦中にあるテザー発行企業の最新動向、米NY州司法長官から「再通知」を受ける

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NY司法長官がUSDT発行のiFinexに書類開示を求める
Tether社に関する950億円相当の裏付け資金を投資家の許可無しでBitfinexに発行したことが問題視され、米NY州の司法長官から裁判所命令が発令されていた親会社iFinex。最新の動向を掲載。

テザー社とBitfinexに進展

先日、仮想通貨テザーの裏付け資産を発行するTether社が、同じ親会社のiFinexに対し無断で8億5000万ドル(950億円相当)を貸出(不正利用)した疑惑が問題視され、ニューヨーク州の司法長官から裁判所命令を発令されていたことが判明した。

James司法長官の発表によると、テザー社やBitfinexの調査を行なった結果、950億円相当にのぼる損失を隠すためにステーブルコインUSDTの担保金から資金を不正利用していた。顧客資産と企業資金を混在させて疑惑が持たれている。

米時間3日に公開された「訴訟事件摘要書」(Memorandum of Law)にて、ニューヨーク州の司法長官は、iFinex社とTether社に対し、財務状況を示すため、財務書類の提出と開示を求めている。

同州のJames司法長官は先月25日、海外の大手取引所BitfinexやTetherの親会社であるiFinex社に対して、仮想通貨テザーの裏付け資産を不正利用したことを理由に裁判所令を発令していたが、Bitfinex社とTether社側は「Tether社は、一貫して健全な財務体制を維持している。」「Crypto Capitalの資産は差押えられ、適切に管理されている。」などと述べるなど、当局の指摘を真っ向から否定していた。

今回新たに発表された文書にて、James司法長官は以下のように言及している。

Bitfinex社とTether社は、顧客及び投資家に対して誤った印象を与えている。

同社でどのようなことが起きているのかを把握するため、財務書類の開示が必要だ。

Tether社は、2015年から1:1の割合で米ドルに裏付けられているステーブルコイン「テザー(USDT)」を発行していたが、今年3月頃にテザーの公式サイト内にて、米ドルだけではなく「現金同等物、そのほかの資産やテザー社が、関連会社を含む第三者に提供するローンの債権」も投資家への通知なしに”担保資産”として加えられていたことが判明している。

司法長官は、仮想通貨の価値に影響を与える重要方針が投資家に知らされていなかった点を疑問視。裁判所命令、そして今回の訴訟事件摘要書を発令している。

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IEOへ向け始動

また、このようにテザー問題に揺れる仮想通貨取引所Bitfinexであるが、IEO(Initial Exchange Offering)を利用し、10億ドルの資金調達を試みていることが明らかとなっている。

Bitfinex社の株主として知られる Dong Zhao氏が、そのIEOに関する公式文書をツイッター上で投稿したことで判明した。

IEOとは、ブロックチェーンプロジェクトの発行するトークンを、仮想通貨取引所が先行販売するサービスを指しており、トークンセールの主催者が仮想通貨取引所であることで、厳正な審査が期待できるほか、上場せずにプロジェクトが破綻するリスクを未然に防ぐことができるメリットがある。

1USDT=1LEOの割合で発行される予定の取引所トークン保有者には、Bitfinex上の取引手数料などで割引サービスが受けられる模様だ。

しかし、米ニューヨーク州の司法長官との間で起きている騒動で揺れるiFinex社が、IEOを通じて新たな資金源の調達を試みているのではないかとする見方も出て来ており、ホワイトペーパーなどの詳細は現時点では明らかになっていない。

仮想通貨市場でも大きな役割を担うテザーの裏付け資産に関する一連の問題は、今後もしばらく続くかもしれない。

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