- Bitfinex、テザー社の裏付け資産を一部返済か
- BitfinexがTetherに対し、ローンの一部である1億ドルを返済したと公表。Bitfinexは以前、テザー裏付け資産の約750億円相当の資金で莫大な損失をカバーしたことでNY司法当局に不正疑惑として告発されていた。
Bitfinex、テザー社の裏付け資産を一部返済か
海外仮想通貨取引所Bitfinexが、子会社のTether(テザー)に対し、ローンの一部である1億ドル(約100億円)を返済したとの公表を行なった。
Bitfinexの報告によれば、テザーの銀行口座に法定通貨で支払いが行われたとのことだ。
以前、米ニューヨーク州の司法長官が大手取引所BitfinexやTether社の親会社iFinex社に対して、ステーブルコインのテザー(USDT)の裏付け資産から7億ドル(約750億円)相当の資金を借りていたことを、不正に利用したとして裁判所命令を発令していた。その資産の利用は950億円に及ぶ損失をカバーするものと指摘を行なった。
同社は、現在の経済状況を鑑みて、利子分を前納したとしているが、上述したような疑惑としてあがった不正利用(司法省側の主張)の資金額はかなり莫大であることから、今後も定期的な返済義務を負うことになるとみられる。
なお、Bitfinexはこれまでの裁判所沙汰でテザー社の資金へのアクセス制限を回避するために、5月には独自のプラットフォームトークン「LEO」を販売を行い、10億ドル(約1100億円)の調達に成功した。この調達資金の一部は借金の充填に当てるとされている。
テザー社、担保金の移動禁止命令も
当初、ニューヨーク州最高裁判所の判事がTether社とBitfinex社に対し、USDTの準備金の移動を原則的に禁じる命令を下した。
- Tether社は、通常の業務の流れを除き、Bitfinexまたは他の団体に資産を貸与することはできない。
- Tether社は、給与および通常の請負業者、コンサルタント、またはベンダーへの支払いを除き、準備金から役員、従業員、またはその他の個人へ資金を分配することはできない。
- BitfinexもTether社も、ニューヨーク州司法長官の当初の召喚状で求められている文書へのいかなる改変も許可されない。
- 差止命令は90日で期限切れになるが、ニューヨーク州司法長官の事務所はその2週間前に命令を延長するよう裁判所に請願が可能。
5月に出された「差止命令の変更を承認する通知」では、Tether社は通常業務の一環とした準備金の投資は許可されている。
なお、これまで設定された期限を踏まえ、BitfinexとNY司法当局における裁判の再開は7月29日に予定する。