CoinPostで今最も読まれています

抑えておきたいテクニカル分析「ダウ理論・6原則」を初心者向けに解説

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

ダウ理論の6原則

ダウ理論とは、19世紀の終わりにチャールズ・ダウが提唱した相場理論のことです。このダウ理論はすべてのテクニカル分析の基礎として現在も多くの投資家に支持されています。

株式や仮想通貨、FXなどのあらゆる相場を分析する上で、ダウ理論を理解することは非常に大切です。今回は、そんなダウ理論がどのようなものであるのかをご紹介していきたいと思います。

ダウ理論は6つの原則をもとに構成されています。それぞれの原則は以下の通りです。

原則1:平均株価はすべての事象を織り込む

1つ目の原則である、「平均株価はすべての事象を織り込んでいる」ですが、これは「チャート分析が投資において重要である」というテクニカル分析の根拠となる原則です。

例えば株価は投資家の売買や、企業の業績などに影響を受けます。

これらの情報が値動きに影響を与えることで、株価が変動します。 これはつまり、全ての情報が値動きに反映することを表しています。

原則2:トレンドは、短期・中期・長期の3種類に分類される

次の図をご覧ください。

BTC/USD

このように、トレンドは時間軸ごとに三つのトレンドに分けられます。それぞれ、短期トレンド、中期トレンド、長期トレンドです。

上図を見ると、短期的に見るか長期的に見るかによってトレンドが異なっていることが分かります。このため、短期~長期のどの時間軸でトレード行うのかを意識しなければなりません。

原則3:主要なトレンドは3段階存在する

トレンドには3つの段階が存在しています。

BTC/USD

それぞれ先行期(上図①)、追随期(上図②)、利食い期(上図③)です。 先行期はトレンドの第一段階で、投資家の一部が買い集めを行います。

大口などの投資家が底値で買い玉を集めるので、価格が緩やかに上昇します。追随期はトレンドの第二段階で、先行期のトレンドに反応した投資家が買いを入れます。

そして市場全体がその動きに追随し、価格が大幅に上昇します。

利食い期はトレンドの最終段階で、価格上昇をとらえた素人や初心者の一般投資家も参入し、価格はさらに上昇します。 このように、3つのトレンドが存在しており、トレンドを捉えることが重要になります。

原則4:価格は相互に確認されなければならない

4つ目の原則である、「価格は相互に確認されなければならない」は、例えば株式市場で言うところの工業関連の株価と鉄道関連の株価のトレンドには相互関係がみられなければならないということです。

簡単に言えば、工業関連の景気が好調ならば、その製品を運ぶ鉄道関連の景気も好調になるはずだということです。

仮想通貨で現在の環境から考えるとDefi関連のトークンとビットコインの相関性をチェックすることやイーサリアムとビットコインの強弱を測る等になるでしょう。 このように、相関性のある動きをおさえることで、トレンドが正確に把握できるようになります。

原則5:トレンドは出来高でも確認されなければならない

5つ目の原則は、「トレンドは出来高でも確認されなければならない」です。本格的なトレンドが発生するときは出来高も大きくなります。反対に、出来高が伴っていなければダマしの可能性があります。

つまり、本格的にトレンドが発生しているときというのは、必ず出来高でも確認できるということです。この点を抑えておけば、トレンドの転換を捉える手がかりとなるでしょう。

一方で仮想通貨でよく見られるのは出来高が伴って上昇や下落をした場合そこが反転のサインとなるということもありますので注意が必要です。

原則6:トレンドは明確な転換シグナルが出るまで続く

6つ目の原則は「トレンドは明確な転換シグナルが出るまで続く」です。

BTC/USD

上図のように、上昇トレンドでは高値・安値を切り上げながら上昇します。ダウ理論では、このように高値・安値の切り上げが続いている状況を上昇トレンドと判断します。

反対に、下降トレンドではこの現象とは逆のものになります。つまり、高値・安値は切り下げながら下降していくことになります。

では、今度は以下の図を見てみましょう。

BTC/USD

この場合、高値⓵と②はともに切り上げており、それに伴って安値も切り上げています。

高値⓵と②の間で上昇トレンドが発生しているのですが、高値③の部分で切り上げに失敗しています。このことから、ダウ理論ではこの段階で上昇トレンドが終了したと判断します。

ダウ理論は相場のチャートの典型的なパターンとして重要な点を簡潔に示したものですが、とても重要な点がまとめられている大事な理論です。 これはどの商品でも通用する理論であり、相場の基本ともなるので必ず覚えておくと色々な投資対象に投資した時でも役に立つと思います。

寄稿者:中島 翔sweetstrader3
学生時代にFX、先物、オプションを経験し、FXをメインに4年間投資に没頭。あおぞら銀行でMBS投資業務に従事。三菱UFJモルガンスタンレー証券へ転職し、外国為替のスポット、フォワード、オプショントレーダー、Coincheckでの仮想通貨トレーディングとトレーダーを経験し、その後NYブロックチェーン関連のVCに所属 。投資ブログ「FXの車窓から」を運営【保有資格】証券アナリスト
CoinPost App DL
注目・速報 相場分析 動画解説 新着一覧
04/27 土曜日
13:00
BAYCで知られるYuga Labs、事業再編でチームメンバー削減 
Yuga Labsは、事業再編の一環としてチームメンバーの一部を削減した。「より小規模で機敏でクリプト・ネイティブなチーム」にする意向だ。
10:30
米国で仮想通貨発行の推奨事項5ヶ条、a16z明かす
大手ベンチャーキャピタルa16zは、米国で仮想通貨トークンを発行する際の推奨事項を挙げた。特に証券性など米SECをめぐる対処を中心としている。
09:30
ビットコインRunesデビュー1週間、200億円以上の手数料生み出す
手数料については、ミーム仮想通貨取引への高い需要が原因で、4月初めの5ドルから平均40ドルまで高騰している。ビットコインのマイニング報酬が半減し、収益が大幅に減少する見通しとなっていた採掘業者にとっては朗報だ。
08:00
半減期後のBTCのリターン、Nansen主席アナリストが分析
半減期後の仮想通貨ビットコインのリターンを、ブロックチェーン分析企業Nansenの主席リサーチアナリストが分析。半減期後250日までが最もリターンが高いという。
07:30
円安158円台に、米ハイテク株高 来週FOMC金利発表|金融短観
本日の米国株指数は反発。エヌビディアやアルファベットなど大手IT株がけん引役となった。前日発表の米1-3月期GDPは予想を下回って悪材料となっていたが、昨夜発表の米3月PCEデフレーターはほぼ予想通りだった。
05:55
パンテラ、FTXの仮想通貨ソラナを追加取得
FTX破産財団はこれまですでにロックアップされた仮想通貨SOLの約3分の2を手放した。その多くは4年後に完全にアンロックされる見込みだ。
04/26 金曜日
14:22
「ミームコインは危険なカジノのよう」米アンドリーセン・ホロウィッツCTOが警鐘鳴らす
米大手VCアンドリーセン・ホロウィッツの エディ・ラザリン最高技術責任者は、ミームコインを「危険なカジノ」に例え、仮想通貨エコシステムから「本物の起業家」を遠ざける可能性があると主張した。
14:00
米FBI、マネロン防止ルール非遵守の仮想通貨サービスに注意喚起
米連邦捜査局は、マネーロンダリング防止基準を遵守していない仮想通貨送金サービスを利用しないよう、アメリカ国民に対して呼びかけた。
12:55
BTC半減期後に最初に採掘されたSatoshi、3億円超で落札
仮想通貨ビットコインの半減期後に最初に採掘されたSatoshiがオークションで3億円超で落札。Ordinalsの誕生によって、今はレア度の高いSatoshiに需要が生まれている。
12:32
ビットコインの反騰失速、ブラックロックのETF(IBIT)への資金流入が初めて途絶える
暗号資産(仮想通貨)市場では、自律反発のビットコインが日足50SMAを抜けられず再反落。ブラックロックのビットコインETF「IBIT」への資金流入は、ローンチ後71日間で初めて途絶えた。
10:15
著名な「Buy Bitcoin」のサイン、1.6億円で落札
「Buy Bitcoin」と書かれた著名な法律用箋が、オークションで1.6億円で落札された。仮想通貨ビットコインで入札され、正確な落札価格は16BTCである。
09:40
フランクリン・テンプルトンの600億円規模「BENJI」トークン、P2P送信可能に
米大手資産運用企業フランクリン・テンプルトンは、米国政府マネーのトークン化ファンドFOBXXで資産のピアツーピア送信を可能にしたと発表した。
08:30
強気相場継続の兆しか? パンテラが新たな仮想通貨ファンドで1500億円以上調達計画
2024年の仮想通貨相場感が2023年から好転しておりVCの調達案件も着実に増えている状況だ。昨日、野村グループのLaser Digitalが主導するラウンドで、zkSync Era基盤のWeb3ゲーム開発会社Tevaeraは500万ドルを調達した。
07:35
ETHの証券性巡りConsensysがSECを提訴
仮想通貨イーサリアムは証券ではないとの判断などを裁判所に要請するため、 Consensysが米SECを提訴。同社は事前にウェルズ通知を受け取っていた。
07:15
米SEC、イーサリアム現物ETF申請を非承認する可能性高まる
イーサリアム現物ETFの米国での承認は不透明。SECとの一方的な会合や訴訟の影響で、2024年後半までの承認延期が予想されETH今後の価格に下落圧力がかかっている状況だ。

通貨データ

グローバル情報
一覧
プロジェクト
アナウンス
上場/ペア