CoinEx |2022年の規制強化は、クリプトの未来にどう影響するのか?
規制の問題は常に暗号通貨にぶら下がる「ダモクレスの剣」で、暗号分野の市場の急激な変動は程度の差こそあれ、規制の結果でした。昨年以来、各国は二酸化炭素の排出を抑制するため暗号通貨の規制を強化してきました。関連データによると、ビットコインのマイニングは年間約139.06TWhの電力を消費し、約66.06MTの炭素排出量を生み出しており、小国に匹敵する程の電力です。これは、地球温暖化やエネルギー枯渇といった懸念の高まりに対処する目的に反しています。そのためビットコインマイニングは国によっては違法とされています。
しかしこの暗号通貨に対する幅広いコンセンサスとそのボーダーレスな特徴を考慮すると、州の規制当局がビットコインをきっぱりと禁止することは非常に困難です。そのような包括的なアプローチは、より多くの違法行為をもたらすだけです。よって弾圧するのではなく、多くの国がビットコインを受け入れ、効果のある規制を十分に検討することにしています。
アメリカ
州には独自の立法権があるため米国における暗号規制は州によって異なりるものの、一般的にはアメリカにおける暗号通貨規制は厳しいものです。しかし、FRB理事会のミシェル・ボウマン総裁は最近、FRBがデジタル資産を規制するために他の機関と協力していると述べました。彼女はまた中央銀行のデジタル通貨についてオープンマインドを保つようにしてきたことを示唆しました。
これに先立ち、米国のジャネット・イエレン財務長官とエストニアのケイト・ペントゥス=ロシマヌス財務大臣は、電話会議でエストニアが提案した新しい暗号通貨規制の詳細について議論しました。電話の後ロシマヌスは、エストニアがアメリカと最良の経験を共有することができるとイエレンに提案し、FATF基準の実施と暗号資産の規制における協力の機会についても議論したと述べています。一般的にアメリカは暗号通貨に違法性のレッテルを貼ってはいません。
ロシア
2022年1月、ロシア中央銀行は、同国における暗号通貨取引とマイニングの全面禁止を求めるいくつかの提案を行いました。しかし数日前に突然、暗号に対するスタンスを逆転させたのです。ロシア政府の公式サイトに、暗号通貨を外国通貨と同じ規制の枠組みに入れる文書が公開されたと報じられています。この法律は、早ければ2022年後半から2023年にかけて施行される予定です。
この動きは、暗号通貨のマイニングや取引といったビジネスが、現在第3位のビットコインマイニングセンターであるロシアで合法的に認可されることを意味します。このニュースを受けて、ビットコインネットワーク全体のハッシュパワーは、1.5倍、2.5倍、3.5倍、4.5倍と上昇しました。この日のピークは204.33EH/sで10%、BTC価格も高値を更新しています。
インド
2022年2月1日の予算演説で、インドのナーマラ・シサラマン財務相は、デジタル資産に30%の所得税を課すという、同国の暗号通貨規制の計画を発表しました。多くの人がこの発表をインドで暗号通貨が合法化されることを示すシグナルだと誤解しています。財務長官T.V.ソマナサンは最近のインタビューで「暗号通貨禁止令は依然として有効であり、課税したとしても必ずしも規制されるとは限らない」と述べています。彼は、クリプトに関してはすべての可能性が開かれており、最終的な決定はインドのナレンドラ・モディ首相によって行われることを示唆しました。とはいうものの、経済局長官Ajay Seth氏は暗号通貨を資産とみなすことが世界的なコンセンサスになっていると述べています。
暗号通貨に対する国家規制の強化は今年の全体的な傾向であり、短期的には市場にとって暗いニュースかもしれません。それにもかかわらず、政府の承認が暗号通貨取引を促進し、より多くの機関投資家や個人投資家を市場に招き入れるだろうという思惑から、こうした国家の動きに対して多くの暗号企業や投資家は、楽観的な見方をしています。そしてこのような規制は、安全で安定したクリプト環境の構築を目的としており、その国での暗号通貨の地位をさらに明確化するものでしょう。長期的な視点で見れば、このような規制は暗号空間全体にとってむしろ好ましいと言えるのではないでしょうか。
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