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FTXのサム前CEO、420億円の自社株売却か

画像はShutterstockのライセンス許諾により使用

持ち株売却の疑惑

経営破綻した暗号資産(仮想通貨)取引所FTXの創業者で前CEOのサム・バンクマン・フリード氏(SBF)が、持ち株の売却で420億円(3億ドル)を得ていた疑惑が浮上している。

ウォールストリートジャーナル(WSJ)が取得したFTXの財務記録、及び匿名情報源に基づいて18日に報じた内容によると、SBFが株式を売却したのは4億2,069万ドルを調達し、21年10月に完了したシリーズB-1ラウンド。

カナダのオンタリオ州教員年金基金(オンタリオ・ティーチャーズ)やシンガポールの政府系ファンド、テマセクを含む計69の投資家が参加。企業評価額を250億ドルとしていた。

21年10月21日付けのリリースで、FTXは集めた資金を新しい規制管轄区域への拡大、及び製品の改善に充て、市場リーダーとしての地位をさらに強化するために使用すると報告していた。

関連:流動性危機を抱えるFTX、投資先プロジェクトや出資企業まとめ

しかし、実際のところ、このラウンドで調達した資金のうちSBFに3億ドルが直接支払われていたとされる。当時SBFが投資家に話していた内容によると、バイナンスが保有していたFTXの株式を買い取るために調達した資金の返済に充てたという。SBFへの資金の供給源は不明だ。

初期投資家だったバイナンスはFTX発行株のうち約15%を保有していたが、FTXは21年7月にこれを買い取っていた。バイナンスのチャンポン・ジャオ(CZ)CEOは最近のツイッターで、当時FTX株の売却益として21億ドル(3,000億円)相当のFTTとBUSD(バイナンスのステーブルコイン)を受け取ったことを明かしている。

WSJが確認したFTXの資料によると、2021年7月の売却後、バイナンスから買い取ったFTX株は、SBFが100%所有するPaperBird社に渡されたという。

関連:バハマ当局がFTXの顧客資産を確保、地域の管轄権巡る紛争に

FTXの支出

FTXの管理体制を巡っては、信頼できる財務情報がなく、システムの完全性や規制の監督が欠如していた実態が明らかになっている。17日に米デラウェア州の裁判所に提出された破産申請関連の書類の中で、FTXの新CEOに就任したジョン・J・レイIII氏は、同社やグループ企業の状況を「完全な企業統治の失敗」、「前例がない破綻」と指摘している。

SBFが自社株を売却して得た3億ドルがどこに向けられたのかは不明のままである。FTXは、2022年に民主党に対して54億円(3,900万ドル)を寄付しており、21年7月に上場したロビンフッドの株は現在でも5,600万株保有。資金の出所については不透明な部分が多い。

関係者の証言から、FTXは従業員に対して贅沢な暮らしを提供してきたことも明らかになっている。21年9月にFTXのバハマ子会社「FTX Digital Markets」は、デジタル資産企業として規制当局からライセンスを取得。同時期に本社を香港からバハマに移した。

FTX幹部は、リゾート地区高級居住エリアに住居を構え、近くにオフィスを開設したが、翌年1月にはカリブ海沿いのエリアに6,000万ドル規模の新社屋建設計画を公表。4月に開かれた竣工式の模様は、仮想通貨ハブを目指すバハマ政府のアピールの機会として、首相府制作の動画で公開された。

関連:カナダの年金基金、FTX破綻の影響で約130億円を損失計上

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