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CFTCのバイナンス提訴で仮想通貨売り優勢、リップル裁判の思惑めぐりXRPは逆行高

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マクロ経済と金融市場

27日の米NY株式市場では、ダウは前日比194ドル(0.60%)高、ナスダックは55ドル(0.47%)安で取引を終えた。

破綻したシリコンバレーバンク(SVB)の引受先が決まるなど、欧米を中心に拡大していた信用不安および金融危機派生リスクの後退に伴い、大幅下落していた地銀株が全面高となった。

米SEC(証券取引委員会)の締め付け強化に伴い、暗号資産(仮想通貨)セクターは続落した。

コインベース株が前日比7.79%安、マイクロストラテジーが6.89%安となったほか、マイニング企業のマラソンデジタルが8.96%安、ライオットプラットフォームが6.83%安となった。

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仮想通貨市況

暗号資産(仮想通貨)市場では、ビットコインは前日比3.14%安の27,026ドルに。

BTC/USD日足

主要アルトでは、BNBが前日比5.1%安とひときわ大きく下落した。米商品先物取引委員会(CFTC)がバイナンスを提訴したことが嫌気された。

今回は米国法人のU.Sではなく本家バイナンスが渦中にあり、創業者で最高経営責任者のチャンポン・ジャオ(CZ)氏、元最高コンプライアンス責任者のSamuel Lim氏が法的責任を問われる形となった。

CFTCは「米規制機関への業登録を意図的に行わず、米国顧客向けのデリバティブ(金融派生商品)取引サービスを提供していた」などと指摘。テロ資金供与対策(CFT)やマネーロンダリング対策(AML)も不十分だったと主張した。

不正利得の返還や罰金の支払い、永久的な事業登録の禁止などを求めている。

関連:米CFTC、バイナンスとCZ氏を提訴 米国法違反の疑いで

これに対しCZ氏は、「CFTCとは2年以上に渡って連携を図ってきたが、民事訴訟は想定外で失望している」と公式サイト上で表明。コンプライアンスを遵守する姿勢や規制当局および法執行機関との協力体制について、バイナンスのスタンスを改めて強調した。

コンプライアンス規定の中には、社員による先物取引の禁止や暗号資産(仮想通貨)取引時の「90日間」の売却ロックアップ制限、Launchpad(新規銘柄上場)部門関係者の取引禁止といった厳格なポリシーも含まれる。

アルトコイン相場

アルト市場の個別銘柄では、暗号資産時価総額7位のXRPが前日比7.5%高(前月比26.9%)と逆行高に。

ビットコインの前日比2.80%安(前月比15.0%)、ETHの前日比2.64%安(前月比4.8%)と比較しても際立っている。

米CNBCは22日、裁判における投資家の期待を報じた

XRPを開発するリップル社は20年12月、未登録有価証券の販売を行ったとして米SEC(証券取引委員会)から提訴され、XRP価格の暴落を招いた。

提訴の影響は甚大であり、B2C2など大手マーケットメイカーの撤退や取引所におけるXRPの取引停止、および上場廃止などが含まれる。

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「裁判におけるSECの論点は、投資家保護に反している」と主張するXRP投資家らを代表するJohn E Deaton弁護士は、「略式裁判の判決は今後数週間以内に下される可能性がある」との言及のほか、リップル社のMonica Long事業部責任者が裁判に対して自信を示していることも好感された。

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一方、裁判の行方については先行き不透明感も強く、楽観できないとの慎重な見方もある。

XRPが“証券”とみなされた場合、類似トークン全てが証券として整理されることになるほか、SECが未登録有価証券だと主張するPoS系暗号資産のイーサリアム(ETH)およびステーキングサービスを含む、広範なカテゴリに波及するおそれが高い。

Ripple社が敗訴し、SECが勝訴した場合は即上告することになるものとみられる。

米SEC(証券取引委員会)は、大手暗号資産取引所FTXの破綻をきっかけに、投資家保護を大義名分とした暗号資産業界に対する圧力と強硬姿勢を強めている。

今月22日には証券法違反の疑いで米最大手取引所コインベースにWells Noticeを発行した。調査対象には、コインベースに上場する仮想通貨やステーキングサービスが含まれる。

関連:米SEC、証券法違反の疑いでコインベースを調査 ウェルズ通知を送付

2月には米大手取引所クラーケンを証券法違反で提訴しており、指摘された不正利得と罰金を合わせて約39億円(3,000万ドル)の支払いと、米顧客向けのサービス停止を余儀なくされた。

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